いきつけ

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【いつも行って馴染んでいること】

 

今日、髪が伸びた男性の入居者さんから「髪を切りたいのですが」と申し出があった。

「できるならいきつけの所へいきたいのですが」と。

ほとんど外出要希望をされない方なので、その気持ちを組んで行くことになりました。

 

現地付近まで車で約30分。

駐車してから車椅子で移動。

 

店は地下なので、長い階段を徒歩で降ります。

一段一段手すりにつかまりながら、ゆっくりと降ります。

地下街への通路なので、なかなか段数があります。

 

レトロな雰囲気のある地下街。

高齢者のいきつけの場所はなかなか味があるものです。

 

地下に降り立つと「こっちです」と言われた。

記憶障害はあっても、そこは馴染みの場所。

確かにそのお店は案内の先にありました。

 

カットしている最中に「昔からここに来られてたのですか?」とご本人に伺うと、

お店の方が「よくいらっしゃてましたよ」と答えてくれました。

終わった後は、なんともいえない豊かな表情でした。

 

 

オマケ話ですが、帰りに車椅子を片手に、支えながら上がっていた時のことです。

途中である女性が「車椅子持ちます」と声をかけて下さり、車椅子を階段上まで上げてくれたのです。

「介護」って本当にオモシロイ。

素敵な場面にたくさん出会えます。

 

という事で夕御飯前にホームに戻りました。

人は「いきつけ」を持つことで、自分の暮らしを組み立てる生き物であると思います。

そしてその方の人生・存在を感じれる場所でもあります。

 

これからいきつけを作る事も大切。

今までのいきつけの所へ行けるのも大切。

 

「いきつけ」は人の暮らしの幅を広げる大切な場所ですね。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

領収書まで味があったりします・・・

2013年10月12日 Category:スタッフ日誌