姿勢

Published by i

1

「俺の青春時代がいつの間にかなくなってしまって、知らないうちにこんなじいさんになってしまった・・」

 

認知症という状態が進行しつつある利用者さんの言葉です。

 

話をする。

歩く。

食事を食べる。

トイレに行く。

風呂も入る。

まだまだしっかりされているところが多い方です。

 

その分よけいにおかしくなっていく自分に不安、混乱、いらだちを抱えて生きていらっしゃるのだと思います。

 

青春時代から、今目の前に映る自分の姿にタイムスリップしたら誰だって愕然となるでしょう。

今に至るまでの時間の流れ、積み重ねが消えてしまうのはとても怖い事でしょう。

普通に生きている私達には、想像できない辛い体験をしていらっしゃるのだと思います。

 

そんなご本人に私達は何ができるのでしょう。

専門職として何をするべきなのでしょうか。

 

毎日、混乱の中で感情が揺れ動きます。

笑ったり、怒ったり。

事業所、他利用者さんへの影響も結構でています。

 

そんな繰り返しの日々の中で、

「また機嫌が悪くなっってきた・・」

「怒り出した・・どうしよう・・」

そんな苦手意識や、とまどいが起こるかもしれません。

 

本人が困っている状態を受けて、職員も困っていく・・

そんな悪循環が続かないようにしたいものです。

 

今僕らにできることは限られています。

困ってる人がいれば、そこに耳を傾け、手を差し伸べるのが人の道。

 

人としても、専門職としても向かい合う姿勢を大切にしたいところです。

「どうされました? 私で良ければ話を伺いますよ」

「力にならせてもらえませんか?」

そんな思い・想いや、声掛けを、一日何十回もかけ続けるくらいの姿勢を持ち続けられる自分・組織でありたいものです。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

 

 

 

2016年09月17日 Category:スタッフ日誌