お気持ち

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娘様とお二人暮らしのAさん。

いつもお迎え時、娘様の出勤と合せ、

「せーの」で娘様はマイカーに乗り込み、

Aさんはデイの車に乗り、雁道におみえになります。

 

ある日、娘様が急きょ仕事の都合で早く出掛ける日がありました。

 デイに向かう準備をされ、「お迎えが来たら出掛けてね。」

と娘様が先に出られました。

いつもなら、準備をした日は娘様と玄関を出るはず。

でも、今日は迎えが来るまで時間もある。

Aさんはいつも、誰彼問わずに、気を使う事ができる方です。

 

ここからがAさん、気を使った行動です。

デイの車が止めやすいと判断され、自宅近くの交差点で待たれていました。

 

普段から、一人で外出される事がなくなってきているAさん。

交通量も多い時間帯の表通り。

自転車の学生さんも大勢通られます。

どれくらい待たれていたかわかりませんが、

この頃はまだ暑さ真っ盛りの時です。

ちょっと心配ですよね。

 

次のご利用日も、娘様の出勤が早いと伺ったので、

お迎えの時間を早くする事にしました。

 

時間は早くなりましたが、いつもと同じ流れで出発です。

ただ、早くデイ到着になるので、ご利用時間が長くなります。

お疲れにならないか心配でしたが、

いつもと変わらない流れの為か、

ご利用中もお変わりなく過ごされる事ができました。

 

その後、娘様より、お礼の言葉を頂くと同時に、

お礼にお菓子をと言って下さいました。

 が、失礼ながらも、お断りをさせていただきました。

 

 

 

理由としては

デイに来て下さる皆さんを平等に支援させて頂きたいからです。

当たり前の事と思われるかもしれませんが、

 職員も普通の人間なので、何かをして頂く事によって、

その後の支援が平等ではなくなってしまうかも知れません。

とお伝えさせて頂きました。

 

以前の会議で教えてもらったことです。

 

あるご利用者さんの娘様が毎日のように、

入居していたお母さんに会いにみえていました。

「来たついでに」と、シーツを交換されたり、

室内を一緒に掃除されたりと、お二人の時間を過ごしてみえました。

 

会議でその話になり、若い職員さんから

「いいご家族さんですよね。本当に助かる。」と言う言葉が出ました。

 

その時「いい家族って何?」と問いかけられました。

 

「職員さんが楽をしているだけじゃないの。

職員さんに感謝している。でも遠くて来られない人もいる。

来られないけど、お母さんがここで暮らしていけるように

一生懸命そこで仕事をされてるのかもしれない。

子育て中できたくても来られないのかもしれない。

ご自身も体調がわるいのかもしれない。

家族がいない人はどうなんだろう。

そういうの差別じゃないかな。」

 と言われました。

 

言われるまで、私も気が付かず。

知らないうちに、差別をしていないかと「怖さ」を覚えました。

 

間違ってはいましたが、何気なく声を出してくれた職員さんに感謝しています。

私も学ぶことができました。

 

Aさんの娘様より。

「お礼。と思っていたのですが、

本当にそうですよね。気付かせていただきました。

母と2人で美味しく頂きますね。」と言って頂けました。

ご理解して下さり、ありがたく思いました。

 

互いに気を遣いあう。

正しく使いあう。

大切にしていきたいと思います。

 

クラブ雁道 デイサービス

日置 紀子

 

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写真は、食後の片づけ。

やさしくない雁道は、食器棚が満タンです。

ここに片づけるには、パズルを組み合わせるように大変。

三人で相談しながらの片づけです。

 なんとなくみんなで動きます。

気が付くと奥のキッチンで食器を洗っている方も。

みなさんの気持ちで暮らしは動いているのですよね。

2018年09月13日 Category:スタッフ日誌