さすが「専門職」

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つい先日、「波の女」の専門職サポーターであり、過去にも何度かセミナーの講師を努めて頂いた理学療法士の「田中義行」氏が施設に来られた。

現在は和田さんと同じ、東京の株式会社大起エンゼルヘルプに所属されながら、組織内だけにに留まらず、全国各地での講演をされたりと大活躍中の一流の理学療法士(PT)さんである。

 

滝子にお越し頂き、各階の入居者・利用者さん数名の様子を見て頂き、介助方法や留意点等々アドバイスを頂きました。

 

まずはスタッフから話を聞き、ご本人の状態をアセスメントし、すぐにその場で的確な介助方法や留意点を指導して頂きました。

ある入居者さんは属に言う五十肩(肩関節周囲炎)の状態で、腕が上がらなかったのですが、その場で数分のマッサージと、最初と異なるアプローチを行ったら、見事に腕が上がるようになりました!

 

その日の夜の部で、施設職員向けに「介助の基本的視点」という題目の研修会も開いて頂き、本当に心強くありがたい事で、感謝感謝であります。(田中氏には掲載の許可を得ています)

 

この時の話は、翌日の「小規模多機能型居宅介護」のスタッフミーティングでも話をさせて頂いたのですが、

 

さすが「専門職!!」

 

ということに尽きると思います。

 

「専門職」を調べてみると様々な考え方はあるものの、その字の如く、専門性を必要とする職のことであると解釈しています。

「日本においては国家資格を必要とする職業を指すことが多いが、近年では高度な専門知識が必要となる仕事については、国家資格を不要とする仕事でも専門職と呼称することも多い」とウィキペディアには出ていた。

 

今回の田中氏を見ていて、資格的にも能力的にも間違いなく一流の「専門職」という事を感じたのですが、そもそも私たち「介護職」は専門職なのか?という事を考えたことはあるだろうか。

 

世間一般でも介護職は専門職か?といった議論はあり、その意見は分かれることろではありますが、自分は「専門職」だと胸を張って言いたいし、そうあるべく努力していきたいと考えている。

少なくとも、お金を頂いているという面では「プロ」であり、それで飯を食べ生活を営んでいるというとことである。

「プロ」でありなおかつ「専門性」が必要である「介護職」の「専門性」とはいかなるものか。

 

それは「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように」という介護保険法の基本方針を理解し、それを目指し追求する姿勢があり、その姿を取り戻せるような支援ができているかということに行き着くのではないかと考えます。

 

一人ひとり異なる「有する能力」の把握やそれに気づける気づき力と、それにそれぞれ「応じる」ことができるセンスや技術、コミュニケーション力というものは素人では難しいことだと思いますし、障害を持ったり認知症になっても「生活を営むことができるように」という支援は相当なセンスと努力が必要であると感じています。

それはスタッフによって「生かされる暮らし」ではなく、障害や認知症があってもスタッフがくっつくことにより「主体的に生きる」ことができるように支援するということだと思います。

 

私たちが田中氏の動きを見て「さすが専門職」と感じるように、私たちもまた、異なる立場(介護職以外)から見て「さすが専門職だなぁ」「要介護状態や認知症の方が、こんなにも主体的に自分の力を発揮して暮らしていけるなんて」と思って頂けるような仕事ができるかどうかということではないでしょうか。

滝子でもまだまだそこに到達できている訳ではないので一流とは言えませんが、日々着実に積み重ねられる経験値や努力により、そこに向かっていると感じています。

 

ただし、「生活」とはとても億深く広いものであり、「介護職」のみで「人の生活」を再構築できるものではなく、様々な専門職(医師、看護師、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)、作業療法士(OT))や可能な範囲での家族力や知人友人などの人間関係、地域力(環境、人々、商店、行政、仕組み等々)の力を借りることができたり、活用しようとする姿勢やセンスがあるかどうかが問われるのだと思います。

そしてそれをなし得るのは一個人の力だけでできるものではなく、チーム、仲間の力が必要だということ。

目の前の要介護の方々を大切にするということは、スタッフ同士も大切にするということ。

 

いずれにしても、スタッフによって「生かされる姿」を作り出すのではなく、「有する能力に応じ」ながら「自立した日常生活」すなわち「自分のことが自分でできるように」「互いに助け合っていけるように」「社会と繋がっていけるように」という「人として生きる姿」を創り出せるような仕事ぶりが私たち介護職の「専門性」であると思いますし、そこには知識や技術も必要ではあるものの、一番大切なのは、目の前の方から学ぶ姿勢と一生懸命追求しようとする姿勢、仲間を大切にしながら切磋琢磨していくことではないでしょうか。

そのような姿勢が傍から見れば「さすが専門職だね」といったところにいきつくのだと考えています。

 

これを機に、私たちの専門性や専門職としての仕事ぶりを振り返って頂き、国民のため、地域のため、目の前の方のため、将来の自分や子供達のために語り合い、実践し合い、介護の専門性を高めていこうではありませんか。

 

ちなみに、そんな専門職を一緒に目指したい方募集中! 名古屋に集え!! 笑

詳しくは「お知らせ」の方を参照下さいませ。

 

 

 Published by 滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

2013年04月11日 Category:スタッフ日誌