そりゃそうだよね

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2月より新しい入居者さんが、

グループホーム2階に入られました☆

 

身体的には自立されている方ですが、

(小走りもされます)

認知症という状態にあるので、

不安感が強いスタートとなりました。

 

「お金がないんだけど(自分持ちの)」

と何度も職員へ訪ねられます。

「ホームの利用料や部屋代、食事代を払わないといけないよね」

と思っているようです。

 

この思考は何かを買ったり、利用したりする時には、

「お金を払う」という常識といいますか、

支払い義務を理解されているからこその言動で、

払うお金が少ないというのは不安が大きくなるのは

「ごもっとも」な事ですよね。

 

私たちもホテルへ宿泊し食事を食べる時に、

「いくら払うのか」という事前情報と、

払う事ができる金銭の準備、確認ができているからこそ、

その場所にとどまり、泊まったり、食事を頂いたり楽しんだり

できるものだと思うのです。

 

その時に支払うお金が足りなかったら・・

所持金が少なかったら・・

カード払いできるカードを持っていなかったら・・

 

どんな気分でその場所に滞在しているのでしょうか。

どうやってそのピンチを乗り越えるのでしょうか。

 

そんな当たり前で普通の視点を持っていないと、

「認知症だから」というレッテルを貼ってしまい、

「認知症の症状」で片づけてしまい、対応を誤って

しまう可能性が出てくるのではないかと思うのです。

 

本人の合意なしでホームの入居が決まってしまい、

自分の意思とは関係なくホームの入居になってしまうという

緊急事態の環境変化の中にいるので、

「お金がないんだけど・・」「家に帰りたいんだけど・・」

と言われるのは「そりゃそうだよね」と思えますし、

そんな環境の中においても大人で普通の言動をされる、

T様の力になれるよう、不安が少しでも軽減するように、

関わりや応援をしないとですね。

 

「娘さんが払ってくれたから大丈夫だよ」

と職員が伝えても「大丈夫」に思えないでしょうね。

そんな他力本願で実感のない支払い完了宣言されてもね。。

 

もっとTさんの立場に立って、

実感のある不安解消方法を探していかねば。。

というのが入り口で感じた事です。

生活行為をあれこれ行って頂きながら、

生活の体感を増やしていきながら、

いい対応方法を皆で考えていきたいと思います。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

2022年02月01日 Category:スタッフ日誌