ズレ
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不本意ながら、脳の調子が悪くなると色々な「ズレ」が発生します。
僕等の見えているもの聞こえているものなどの「僕等の現実」と、
脳の不調により、同じ空間にいても異なる風景に見えたり、
異なる人に見えたり思えたり、異なる状況に置かれていたりなど、
僕等の現実とは異なる世界が作り出される場合があります。
写真の状況は、こちらからの話は伝わらないので、
本人に自由にして頂いた所、
自分で台所へ行き、目にとまった洗ったグラスを
再び洗われている場面です。
本人なりの世界観があるものです。
その「ズレ」は修正するより受け入れ、
寄り添う事が大切だと思うのです。
職員が利用者入居者側の世界へ飛び込むか、
職員側に利用者入居者が戻ってくるようにアプローチするか。
答えは明白。
脳の調子が悪い方に対し、
「脳の調子を治して、
僕等の現実に戻ってきて下さい」
というのは酷なもの。
もちろん戻る場合もありますが。
僕等の仕事は、ズレた世界に飛び込み、
その世界を受け止めようと努力する事、
理解しようと努力する事。
分からなくても、分かろうとする姿勢。
そんなのが大切なのだと思います。
よく分からない事は多いですが、
その方の世界に思いを馳せてみて、
合わせていきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
2022年06月15日 Category:スタッフ日誌