不完全へのアプローチ
慢性歯周病の原因細菌が作り出す毒素が、
96パーセントのアルツハイマー病患者さんの脳で
確認されたと発表しました。
以前から認知症と口臭の関連性はいろいろ
研究されています。
現場の状況をみていても、口臭の対策が必要な
方々は多いように思います。
口腔内の環境、ケアは健康面、社会生活にとって
大切な要素をもっていますよね。
気になるのは、「入れ歯の手入れ」
波の女でも、毎食後の歯磨き支援やケアを
実施していますが、意思疎通に移動がスムーズな
認知症の利用者さんは、ついつい自己管理に
なってしまったり、支援やチェックする前に
ささっと終えてしまったりする事が結構あります。
結果、口臭がきつかったり、入れ歯の手入れが不充分
だったりすると、歯周病を始め風邪や病気の原因となる
リスクも高くなる可能性があります。
研究で言われているのが
「口腔ケア不充分→歯周病→認知症の発症リスクを上げる」
とあります。もちろんそのような事はあると思うのですが、
現場の感覚としては、
「認知症発症→口腔ケアや入れ歯手入れ不充分
→歯周病や口臭発生」
といった理解力や判断能力の低下かからくる
口腔ケアの不完全さの影響も結構あると感じています。
(自分の感覚です)
いずれにしても、口の中の環境を整えるのは、
要介護であってもなくても健康上、社会生活上、
必要な事の一つとしてしっかり関わっていきたいと思います。
歯磨きをするために立ったり座ったり歯を磨いたり体を動かす。
鏡で自分自身を確認する。身だしなみやオシャレも意識。
不完全さが出てくる認知症の方々。
自分で自分の事がうまくできなくなっていきます。
(ご本人はできていると思っているので、自尊心
に配慮は必要です)
できなくなる事、分からなくなる事が出てくる
のであれば、できるように、完了するように
応援していくのがぼくらの仕事。
口腔内のコンデションを整える事も
大切にしていきたいですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治