二つの「涙」(前編)

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今日で8月も終わり。

本日は入居者さん1名が退院された。

3泊4日の入院だった。

 

その方は、今週月曜に少しとんちんかんな言動がみられたため、火曜日に受診した結果、入院して経過を見ましょうということになった。

積極的な治療が必要という訳でなく、経過を見ていくという方針での入院だったのですが、入院直後の様子がは下の写真から読み取れると思います。

病院にいる意味も理解できず、いままでの暮らしとは異なる環境、異なる人間関係・・・そして自分の体の中で起こっている不具合・・・

そりゃ辛いわ、不安だわ、混乱だわ、腹立たしい等々もあり、すっかり病人化してしまいました。 病状の影響もあるとは思いますが、おかしな言動がどっと増えました。

 

入院当日より点滴が施されたのですが、ご本人はその意味が理解できない。正しい状況把握や判断もできないでいる中で、点滴を抜こうという行為が出現。

 

病院側の対処方法としては、点滴を抜かないように「ミトン型の手袋」や「紐でベット柵に縛る」、「薬で寝てもらう」等々の対処方法が考えられるのでしょうが、等施設の方針・支援方法は「その方の尊厳」を守るということであり、可能な限りその方の行動を制限することを避けたいということで、急遽勤務変更を行い、病棟へ夜勤者を配置し、拘束をすることなく治療を受けて頂く体制を確立しました。

 

昼も夜も、交代でスタッフがこの方のベット脇に張り付き、拘束をすなくてすむように対応しました。

しかし食欲は減り、行動もトイレ以外はほとんど動くこともなくなり、病状への対応は必要というものの、「生きる気力」はどんどん失われていくのが分かりました。

 

施設スタッフとして何がこの方にできるのか・・・どのような支援が必要なのか・・・

「生きる力」「生きようとする力」への支援の基本として、

・可能な限り自分の力で口から食事を摂るること。

・排泄は可能な限りトイレですること。

・言葉を投げかけ続け、コミュニケーションを図ること。

・少しでも多く、見慣れた人が関わり続けること。

・病院スタッフと情報交換をし、関係を作ること。

・施設の方針を伝え、その姿勢を見せていくこと。

そんなことを意識しながら、その方に寄り添い続けました。

 

今回はお題目に到達できていませんが、続編ブログへ続きます。

よろしければ後日ご覧くださいませ。

9月3日夜遅くに更新できたらと思います(予定は予定ですが)

(続く)

 

Published by  井

 

 

2012年08月31日 Category:スタッフ日誌