勝手な思い込み

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クラブ滝子の久綱です。

 

「有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにする」

と言葉にするのは簡単ですが、

実際にやろうとすると、とても難しいと思います。

 

コミュニケーション(共有)が図りづらくなってきている、

利用者のAさんの入浴支援時は毎回「やった!」と

「間違えたな」があり、勉強になります。

 

入浴中は夏でも「寒い寒い」と連呼されるAさん。

もちろん冬場は浴暖をつけても「寒い寒い」とおっしゃられます。

なので、浴槽から出られるとすぐに服を着てもらった方が

良いと思っているのと、ご自分ではバスタオルで身体を

きちんと拭くことができないだろうという

勝手な思い込みをしていたため、

私が身体を拭くことを代行していました。

 

しかし、先日は椅子にかけてあるバスタオルを

ご自分から取られ、とても丁寧に身体を拭かれました。

 

そして、いつも「寒い寒い」とおっしゃられるはずが、

その日はおっしゃられませんでした。

 

なぜ、ご自分からバスタオルを取られたのか、

「寒い寒い」とおっしゃられなかったのか、

とても考えさせられました。

それと同時にバスタオルを認識する能力、

身体を拭く能力があるのに、その能力を

奪おうとしていた自分の専門職としての反省点に気づきました。

 

もともと出来ていたことが認知症の影響によって

出来ないこともあれば、声かけや視覚への働きかけなど

いろいろ工夫をすることによって、出来ることもあります。

 

勝手に出来ないと思い込んでいないか?

と反省し、専門職としての仕事ができるように

していきたいと改めて感じた入浴支援でした。

 

小規模多機能クラブ滝子 久綱

 

2020年04月05日 Category:スタッフ日誌