可能性(前)

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【可能性】

物事が実現できる見込み。「成功の―が高い」

事実がそうである見込み。「生存している―もある」

潜在的な発展性。「無限の―を秘める」

認識論で、ある命題が論理的に矛盾を含んでいないという側面を示す様態。

 

「見込み」や「発展性」を示す言葉ですが、私たちは「自分の人生」において、「仕事」において、この言葉に示されている事に向かえているのでしょうか?

 

 

認知症による脳の変化と症状の中に「失語」という状態があります。

(失語:言葉が理解できなかったり、話せなかったりする状態)

 

小規模多機能を利用中のA氏は「失語」の状態が著名な方で、会話はほとんどなりたちません。

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職員側が伝える「言葉」の理解が難しく、自分の意志を表現する「言葉」も表現しにくい状態です。

ウトウトされている場面や睡眠時間を除くと、一日中フロアの中を歩き続けられています。

 

しかし、過去に経験し獲得してきた行為は、今も環境設定やジェスチャーを用いて引っ張り出す事はできます。

職員がアプローチしているのは・・

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リンゴの皮をむいているシーですね。

時折みかけます。

 

しかし、それと食べている時以外は「できない人」「わからない人」扱い?に近く、一日中フロアの中を歩いているのを所在確認しているくらいなのが現状なのではないでしょうか。

 

ぼくらの仕事は、脳や体の障害が進む中においても、「できる事」を引っ張り出し、取り戻し、増やしていく事にこそ専門性があるのだと思うのです。

ウロウロしているのをただ確認しながら、食事の準備、排せつの後始末、2,3日に1回の入浴介助をするくらいなら「素人」でもある程度できる事です。

 

僕らは「専門職」です。

アセスメントをする中で、いろいろな「可能性」にアプローチできてこそのプロだと思うのです。

そこに挑めていなかったら、「できない人」「わからない人」をただ囲い、生かしているだけの素人集団になってしまいます。

明日の1日の中で、専門職としてのアプローチがなされているのか、確認してみようと思います。

その結果は2日後に。笑

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

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地元小牧市でイベントをやっていました。

「名古屋コーチン」という小牧市発祥のとても、おいしい鶏がいるのです。

その鳥の焼き鳥を購入し食べていると・・

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目の前に生きている名古屋コーチンが展示されていました。

 

見せものにされ、目の前で自分達の仲間の肉を食べている人がいるという構図は「動物虐待」になるのでは?

この鶏に可能性はあるのだろうか?

と考えつつ食べてしまいました(笑)

 

2016年05月30日 Category:スタッフ日誌