可能性(後)
(前回の続き)
「その結果は2日後に」
と発言したにも関わらず、自分自身がバタバタしていて、A氏の日中の支援の様子をあまり見る事ができませんでしたが、前回の夜勤時のアプローチや様子を少し紹介させて頂きます。
「失語」という症状にあるので、シンプルな表現やジェスチャーなどが有効ですね。
「言葉」でなく、「身振り手振り」で有する能力や動作を引き出せないか、「可能性」を予測し、アプローチしました。
朝食の一品作りの支援を行います。
まずは自分が卵を割るジェスチャーと、実際に1個2個割り、残りの5個を割って頂くようセッティングすると割ることができました。
続いて黄身を潰す作業も手振りをみせると、やって頂けました。
続いてIHはこちらで用意するも、焼く工程もされています。
焼きあがってきた卵をボールに移す作業も手振りをすると、この通り。
スクランブルエッグの出来上がり♪
続いて、ウインナーを焼いて頂くと、立ち上がって焼かれていました。
その後は皆で朝食を食べられました。
食事関係以外でも、セッティングを行ったり身振り手振りで伝えると・・
読み物をされたり・・
熱心に字を書かれたり
寝る前に足浴をされたり
朝は布団を渡し、干すジェスチャーをすると干して頂けたりもされました。
僕等は、「人として生きる姿」を取り戻すのが仕事です。
「できない」「やらなくていい」と決めつけてしまえば、そこ止まり。
できると「信じる」こと、そして「やってみる(実践)」ことで可能性は広がるのだと思います。
あなたの中の可能性も自分を信じ、他人を信じる事からひろがります。
可能性に挑むのも、私たち介護職の仕事だと思います。
今後もいろいろアプローチをして、人として生きる姿を追い求めたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治