地域との共存
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机の上に綺麗に飾られた花。
これはある日のNさんが近所の庭先からちぎってきた花達。
花がちぎられる度に、その家へ頭を下げにいきます。
悪気はないにせよ、その家の方にとっては嫌な思いをされるものです。
それでも暖かい声が返ってきます。
本当にありがたい事です。
頭が下がります。
私達の仕事は花をちぎらないように施設に閉じ込める事ではありません。
ご本人の意思があれば、「外出すること」を支援するのが仕事です。
当然その外出中に起った事をフォローするのも仕事のうちです。
ただし、地域の方々に理解をお願いできても、我慢して下さいとは言えません。
これは施設の存亡をかけた挑みでもあります。
ー地域との共存ー
決してゆとりがある訳でない施設運営。
どこまでも正直に一生懸命事業を行うと、厳しくなるのが今の制度です。
その中で苦渋の決断を行い、Nさんの外出に張り付けれるよう、職員を加配しました。
ご家族も悩まれています。
地域の方々も悩まれている方がみえます。
職員も奮闘しています。
全ては憲法で保障された人権を守るためにです。
きっとその先に何かがあると信じて、今日を明日を踏ん張ります。
障害を持っても、認知症になっても「人として生きる姿」を追求する。
これこそが、私達の業界に求められる大きな使命と言えるでしょう。
そのためには地域との関係は欠かせないものとなります。
精一杯、できることを、やれることをやる。
そんな姿勢を地域にも示しつつ、共存を目指していきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
2014年06月09日 Category:スタッフ日誌