声かけって
入居者の支援を行うに、私たち支援者は入居者の方に、選択肢を持てる声掛けをするように
「○○して頂けますか?」
「○○はどうですか?」
と声を掛けています。
しかし、よくよく声掛けを聞いていると、誰にも同じように声を掛けていることに気付くことはないでしょうか。
「○○して頂けますか?」の声掛けは、「○○1」と「○○2」、そして「やらなくてもいい」という選択は出来ても、それ以外の選択はどうなのかなと、私は考えてしまいます。
声掛けで入居者の主体的行動が出来るようにしているかにみえますが、実はその少ない選択肢を選ぶだけの声掛けになっているようにも感じてしまいます。
入居者の中には、「結局やらされているんだ」と思う方も居るでしょう。
「自分からやらなくては」と思える環境作りや、環境の設定が大事なように感じます。
ある日、朝食後に食事も終わり片付けも終わり、「ゆっくりしようか」という時間がありました。
職員さんは、ある程度ゆっくりした時間を見計らい、洗濯物をテーブルの上に、「洗濯物が渇いたね」と独り言を言いながらテーブルの上にどっさり。
ある方は寝ていたり、ある方は新聞を見ていたりされている中、ある入居者の方が、何も言わずに、洗濯物をたたみ始めました。
するとその行動をみていた入居者が、何も言わずに手を伸ばし洗濯物をたたみ始めました。
そのことが隣の入居者の方も自分で気づき、たたむという行動に移っていきました。
入居者同士で「洗濯物があるわよ」などの関係性を築く行動が生まれていたりもします。
最後にはどうしても、何をしてよいかわからない方には、選択肢もある声掛けをさせていただきました。
この状況の「やらされている」は、テーブルの上に乾いた洗濯物があることで「やらされている」ということがあるのかもしれませんが、職員の声掛けでやらされているという事はないのではないでしょうか。
「自分からやる」という行動へ移れることができる方への声掛けは必要ないことであり、誰も同じように声を掛けないことや、もう少し声掛けを工夫をして、本当に「自分からやりたい」「自らやる」という行動を引き出す声掛けをしたり、環境の設定(仕掛け)が大事に思えます。
目から入る情報を上手く使い、自分から行動できる環境設定を今後も増やしていきたいですね。
そのためにも、あるべき物が、その場所にしっかりと片付けられていることも大変重要になることも、大事な環境設定にもなりますしね。
滝子通一丁目福祉施設 グループホーム担当責任者 岡田拓也