多死社会の行方
総務省は16日、2012年10月1日現在の推計人口を発表した。
その時点での日本の人口は1億2751万5000人で前年比は28万4000人減となった。
今後も毎年人口減は加速していくと予想されている。
1年間で1中核都市にあたる約30万人の人が減っていくということである。
愛知県でいえば、豊橋市、岡崎市、一宮市、春日井市、豊田市規模の人口ということです。
年々、このような中核都市1個が消えていくのです。
一日あたり778人
1時間あたり32人
約2分ごとに1人、人口が減っているということになる。
少子化と言われているが、現在は生まれてくる命よりも消えてゆく命の方が多いということです。
65歳以上の高齢者(そろそろ65歳以上を高齢者という基準を変更すべきであると思いますが)の割合は24.1%
約4人に1人の割合で、高齢者数は3079万人に達した。
人口問題研究所の推計によると、
30年後には総人口は、約2300万人減の1億400万人
高齢化率は37.2%で3900万人に達すると推計されていますし、
50年後(私は死んでいると思いますが)には約4500万人減の8300万人、高齢化率は40%に達するというデータが公表されている。
国民の5人に2人は高齢者ということになる。
世界の総人口は現在の70億越えから100億人に向かっているというのに、毎年中核都市1個分が減っていく日本は今後世界の中で生き残っていけるのだろうか。
私たちが高齢者になる頃も相当厳しいと予想できるが、最も大切な私たちの子供達が高齢者になる頃には経済や生活の質なんていうものは崩壊しているのかもしれない。
現在、3000万人を超える高齢者数の内、認知症を発症している方の推計は約305万人であり、こちらは高齢者の内訳の10%を超えてきている。
そして今後の発症率も上がっていくということからすれば、30年後は高齢者が800万人増え、認知症の方も500万人を軽く突破し、傍ら働く世代の生産人口は2400万人減る(30%減)という非常に厳しい時代が迫ってきている。
今、目の前の一人一人の要介護者・要支援者の人として生きる姿・権利の追求は将来に繋がっている。
今、それができなくては、将来の自分達の老後の生活の質なんて誰も保証できやしない。
目の前の一人一人の支援を一生懸命行うことが、避けては通れない将来の介護のあり方に繋がっているということを意識するとともに、今後の時代の流れを把握し、この国の中での介護の重要性、必然性を「今」の私たちが考え・行動し・発信していかなければならないと思うのです。
もう避けては通れないこの国の行く末のあり方は、私たちの手に委ねられているということです。
今日の目の前の方への一つ一つの支援の積み重ねを大切に、将来へ繋げていきましょう。
Published by 滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治