家族に救われ家族を救う
24日のブログで紹介させて頂いたI様。
支援の困難さが予想される中、入居4日目の昨日。
スタッフのやりとりがありました。
「いつまでここにおるんだ! 仕事もあるし、帰らないかんのだわ!!」とご立腹気味。
やはりそうなりますよね。 でもごもっともな話です。
中、長期的にここで生活の建て直しを図る旨を伝えるものの納得されず・・・
そんな中、書類の関係で身内の方がホームに来られることになりました。
事前面接では、「親と会いたくない、関わりたくない」と言われていましたし、ご本人さんも身内の方に会われると「帰らせろ!」となる可能性が高いと予想。
どうしたものか・・・
まずは書類作成に加えて、身内の話を聞き込むことに。
「連れて帰れ。こんなところに入れやがって!と言われるのが嫌なんですよ」と。
1時間程そんなあんな話を聞き、吐き出してもらいました。
そうこうしているうちに、「せっかくだから顔だけ見て帰ろうか」と言って頂けたので、「後のことは私たちに任せて下さい。それが仕事ですから」と伝え、いざ対面・・・
筋を通し、ストレートに「家には戻れないからここで暮らしてほしい」と身内からお伝えすると・・・
「そうか。でもここ(ホーム)がそれでいいのか?」とI様。
もちろんOK OK OK。
「できることは何でもやりますので」とも言って頂けました。
この言葉の裏側には、やれることをやっていらっしゃる他の入居者さんの姿を見ていたからの言葉だと感じました。
それからI様も、身内の方も笑顔笑顔で会話が弾みました。
勢いで、事務所で2人で夕飯を分け合いながら過ごされていました。
(といいますか、事務所が汚い・・・)
I様もそれなりに自分の中に落とせたというか、覚悟を決められたのだと思います。
その思いに応えないといけないですね。
「親父のあんな笑顔は久しぶりにみた」
「親父は幸せだわ」
「本当にここに入れてよかった」
「今までの所とは全然違う」
「他の施設だったら絶対に反対した」
当等、ありがたい言葉を頂け、身内の方とがっちり「握手」
ありがたい反面、大切な身内とその思いに応える責任を受け取りました。
興奮・暴力等があると言われては転院させられてきた1年あまりの入院期間の中、薬で症状を抑えられ、その影響で耳にじょくそうができかかっているほど、不活発な状態になっていたI様
まだまだフラフラですが、生活の取り戻しに挑む姿をご覧下さい(本人、家族は了承済み)
「1年ぶりにタバコを吸ったわ。うまい!」
(そのTシャツ エキサイティングって 笑)
台を拭いたり、食器を片付けたり
部屋に洗濯物を運んだり
外出の身だしなみをしたり、階段やエレベーターを上り下りしたり
(初日は上がる時に、両足揃えて一段一段上っていましたが、3日目で片足ずつ交互に上がれるようになられています)
食材を選んだり、支払ったり
日用品を選んだり、袋詰めしたり
喫茶店に行ったり、支払ったり
通帳記載をしたり
「人」として、自分の力を使って生きる姿を取り戻す行動を開始し始めていらっしゃります。
住環境も職員のアプローチも、他の入居者との動きも整えていくことや、「自分の力で生きていると感じる機会」「やれる」「やれた」を増やしていくことって本当に大切ですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治