帰りたいよねぇ~

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自宅にて転倒、骨折されて入院されていたKさん。

退院までこぎつけたものの、独居の方なので、

もう少し歩行の状態を改善したり、対策をあれこれしないと危険

という事で、病院から小規模の日中は通いサービス、

夜は宿泊サービス利用でいく事になりました。

 

昨日が利用再開初日でしたが、通いの方が帰られると、

「帰りたい」とそわそわ。

宿泊中も環境の変化もあり、なかなか寝れない状態との事。

 

本日2回目の夜を自分が夜勤で担当となりました。

夕方くらいから、やはり「帰りたい」と申し出ありました。

こんな時はどんなアプローチが本人にとっていいのでしょう?

 

とりあえず、

「帰りたいですよねぇ~」と共感

次に

「でもkさん今日はここに泊まりです」

とストレートに現実をお伝えしました。

当然、「え!?」となりますので、

その理由をお伝えします。

「自宅の中を、Kさんが帰れるように準備をしています」

「もう少し時間くださいね」

とお伝えすると、とりあえずその場は納得。

「早く帰れるように急ぎますね」と、

最後に気持ちを少し汲み取ります。

 

しかし記憶障害や、帰りたいという切実な思いが勝り、

5分後には「帰れんの?」とそわそわ。

 

再び同じアプローチを繰り返す事、延べ3回?4回?で

ここに泊まる事を理解といいますか、

気持ちに折り合いをつけて頂けたのだと思いますが、

「帰りたい」「帰れんの?」という言動は止まり、

しばらくすると、「部屋で寝るね」と横になられました。

そのあとも、しっかり寝られています。

 

クラブ滝子再開2日目という事で、日中の活動や関係性が、

戻りつつある事。昨夜あまり寝れていない事。

も重なっての事だと思いますが、

つらい、理解しがたい状況の中で、状況も自分自身にも

折り合いをつけれた事もあると思います。

 

人はそうやって様々な困難な状況に直面しても、

仕方ないな、しょうがないな、と

どこか自分に言い聞かせ、折り合いをつけながら

生きていく生き物なのでしょう。

たとえ認知症があっても。

 

その覚悟といいますか、受け入れをしながら

新しい環境の中で適応しようとされる姿には脱帽です。

そして「帰りたい」という気持ちに応える事ができるよう、

こちらも段取りをしっかり進めたいと思います。

 

一緒にがんばりましょうね。Kさん。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2019年04月12日 Category:スタッフ日誌