手を握る

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前回に続き、3階クラブ滝子町上です。

クラブ滝子の登録人数が増えるにつれ、全体的に外出の機会が減っていますので、最近は通いの利用者さんの送迎にドライブ一緒に行きませんか?と気分転換も兼ねて同行を誘うことが多くなりました。

クラブ滝子開設当初から利用されているAさん。認知症の症状は進行していますが、外出の際はにこにこ笑顔で道行く人に話しかけられ、運動機能もまだ十分に残っているので外出に積極的にお誘いしています。

ある日の送りのこと。またAさんを誘い送りのドライブに同行していただきました。ほかの利用者さんがスーパーで買い物をしたいというのでそれもついでにということになりました。

しかしスーパーにはおいしそうなお惣菜がずらりと並んでいます。
それをじっと見ながら、「美味しそうね」とにこり、、、。
おそらく大丈夫だと思いましたが、事が起こってからでは遅いので自分の判断で手をつないで歩くことにしました。
(ん、、、でももしかして今考えると起こってからの支援もできたような気もしますが、、、どうでしょう?)
 
なるべくAさんをひっぱている状態にならないよう、
駄目ですよという声掛けをしないよう、
そして社員証はいつでも出せる状態でポケットの中に入れたままにして支援させていただきました。

皆さんは30代の男と70代の女性が手をつないで歩いていたらどう思われますか?

前職で滞在したインドの農村風景。そこでは10代後半のいい男同志が仲良く手をつないでいる風景があり、いつもそれを見た日本人はインドの農村は同性愛って平気なんですか?と聞かれたものでした。実際彼らは親密なだけであり同性愛者ではありません。もちろん親子や若い女の子同士もよく手をつないで歩いています。今の日本の風景に比べれば段違いに手をつないでいる人が多い場所でした。

手をつなぐこと。とっさの支援で取った行為ですが、その行為は確かに何かを含んでいます。
老人が若者と手をつないでいる、それが高齢者介護に見える社会と微笑ましく見える社会。
できるだけ後者に近づけるよう日々考えて仕事にかかわっていきたいと思います。

さて皆さんは最後いつ誰と手をつなぎましたか?

この支援から毎日の支援を振り返り、できるだけ触れるということを意識しています。 今日誰かと手をつないでみてください。勇気があれば男同士でも大丈夫です。 できればいつもは手をつながない方と。うっとおしい梅雨の時期ですがなんだか外に出かけたくなりますよ。


Published by  小規模多機能・クラブ滝子 町上

2013年07月02日 Category:スタッフ日誌