Published by sato

名古屋も梅雨入りをし雨降りやジメジメした湿度の高い季節がやってきました。

小規模多機能・クラブ滝子での勤務が、半年ぶりな佐藤です。

スタッフの顔ぶれが少し変わっていたり、利用者さんの様子が少し変化していたり、半年分の浦島太郎です。

 

Aさんは、クラブ滝子の開設当初から利用されています。

認知症の進行もあり、意思疎通が難しい時間が多くあります。

半年ぶりの夜勤。

夜勤に入る前にリーダーから、

「Aさん、朝の様子がその日その日、時々で違うんですよね~。」

きっと、違いには何かがあるのだろうと考えながら・・・。

Aさんにとって気持ちの良い朝を迎えるためにはどうしたら良いか・・・。

課題の一つとなりました。

リーダー「僕の時は、夜間、2時間おき位にオムツ交換して、気持良い状態にして、朝アプローチするとだいたい機嫌よく起きられますよ。」

とアドバイスを貰って、実行しました。

 

そして朝になり

お部屋の電気をつけ、「Aさん、おはようございます~。」と囁いてAさんの目覚めるタイミングを待ちました。

30分ほどしたところで目を開け、うつろな表情です。

「おはようございます。」

「よく眠れましたか。」

「寒くなかったですか。」

「今日の天気良いですよ~。」

「朝ごはんは、パンが良いかな~、ご飯が良いかな~。」

「温かいコーヒー飲みますか。」

などなど、一言づつ、声をかけて本人の反応をみます。

反応は、うつろで返答はなく、頷くこともなく、表情一つ変えられず・・・。

他利用者さんの起床支援に入りながら

Aさんに無理やり起きて貰うのは、如何なものか・・・でも朝の時間が・・・と自分の中で葛藤が起きます。

・・・。

でも、気持よく起きることができるAさんを信じて繰り返します。

さらに30分くらいたった頃

Aさんが声掛けに頷いてくれました。

「起きますか?」

「起きようか。」

洋服へ着替えることができました。

Aさんのチカラで洋服を着ることができました。

 

着替えたところで、自らまた横になって休まれました。

 

早番スタッフに、Aさんの朝の状態どうでした?と確認すると、「悪くなかったですよ。」と。

「本人の気持ちが動いたときに合わせていくと、だいたい大丈夫だよ。」と教え頂きました。

 

 

時間の都合、スタッフの都合で本人の気持ちが動く前にアプローチ、介助を始めがちで本人も混乱するのは当たり前です。

 

認知症が進行しても、「何もわからなくなった人。何もできなくなった人。」ではなく、「生活を送ることに難しいことが多くなる。」けど、

かかわる私達の仕事次第で気持ちの良い朝を迎えることができることを再確認させて頂きました。

 

『本人の気持ちが動くから身体が動く』ってことは、人の生きる姿そのもの!

 

Aさんの朝について、話合える仲間がいることを、心の底から誇りに思います。

 

チームとして、一歩先へいけるように!!!

 

 

 

滝子通一丁目福祉施設 副施設長 佐藤恵美子

 

 

 

2016年06月13日 Category:スタッフ日誌