私達の仕事
本日、介護経験が7年程ある方が実習にみえ、1日が終わった時にこう言われた。
「頭を切り替えるのが大変です」「衝撃的でした」
食事のメニューを考える。
必要な食材を獲得しに街へ出かける。(基本毎日、午前・午後の2回)
食材の選択、選別を行う。
財布を持ち支払いをする。
サポートしてくれる商店の方々。
近隣の方々と普通に挨拶を交わす。
帰ってきて調理する。
食後の食器の片づけ、食器棚へしまう。
合間をみて掃除に洗濯。
これを職員主導でなく、利用者・入居者主導で行う。
職員のお手伝いで「食材を洗ったり切ったり炒めたり煮たり味付けしたり盛り付けたり」ではありません。
職員のお手伝いで「洗濯物やタオルを干したりたたむ」ではありません。
職員のお手伝いで「掃除をする」ではありません。
要介護状態になったとしても、自分が生きていく上で必要な事を、自分の力を使ってやるということです。
しかし体や脳の障害により昔のようにできるわけではありません。
ですから職員が「補う」「段取り」「先回り」「仕掛ける」「引き出す」という仕事が必要になるということなんです。
その先に、たくましく生きる入居者、利用者の姿があるのだと思うのです。
たくましく・・・笑顔ばかりでも、ゆったりでも、穏やかでもない「その人らしら」
「その人らしさ」とは、「自分の力を使って自分の人生を生きる」という実感、体感の先ににじみ出てくるものではないでしょうか。そしてその姿は時間や状態とともに、変化、進化、深化していくものだと思うのです。
人は「生かされる」ものではなく、「自分の力を使って生きる」ものではないでしょうか。
まだまだこの業界では「できない」「危ない」という視点が根本にあり、「させて頂く」という保護の対象と捉えていることが多いのかも知れませんね。
残りの人生を短くするお手伝い役にならないよう、「有する能力に応じる」「自立した日常生活を営む」を念頭に、挑み続けていかなければと思います。
経験者から頂く冒頭のようなお言葉は、波の女のスタッフにとって、日頃の仕事への評価と捉えてもいいのかも知れませんね。
もっともっと「生活支援」を追及し磨いていきたいと思います。
「出前いつくるんだろうね~」「到着予定を30分以上過ぎてるわよ」
とスタッフと入居者さん。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治