能力×環境
なんとか手引き歩行できる利用者さんが自宅に戻り、部屋に上がるために50センチの段差を超えなければなりません。
小柄な方なので、バランス、筋力、可動域、そして手引きする職員の介護力からすると、ちょっと難易度のある段差です。
いったん、そこに腰かけてもらい、後ろから引き上げ、部屋に上がる方法でベッドまで行っていたのですが、
後ろから抱え上げるという事は、本人の体にもスタッフにも不可がかかるのでは?
それぞれのスタッフはどうやって上げているのかな?
と職員間で話題に上がりました。
解決法を少しひも解いてみたいと思います。
このケースのポイントは、「有する能力」と「環境」だと思います。
後ろから引き上げるのであれば、介護職(専門職)でなくても、普通に力があれば誰でもできる方法です。
介護職としては、ご本人の能力を活かしたいところです。
まず、つかかる力。
手すりや職員につかまる力は、ある程度自重を支えれるくらいあります。
次に足が上がる高さ。
階段の一段くらいはあがります。
つまり、職員が少し力を貸せば階段を少し上がることができるという事です。
そうなると次は環境。
50センチの段差を小さくするには、間に25センチくらいの踏み台あれば2ステップで登れる事になります。
まずは、踏み台を購入するという方法があります。
そんな視点で見ていると、50センチの段差の横側には半分くらいの段差で、別の部屋に通じる通路があります。
正面から上がるのではなく、右側の段差から回り込めば、歩いたまま寝室へ行けるのです。
アプローチ手順としては、
・まず50センチの段差に腰かけて頂く
・靴を脱いで頂く
・手すりを持ち、立ち上がって頂く
・職員につかまって頂き、右側の小段差から上がる
・そのまま手引きで回り込み寝室へ
という事で「能力」と「環境」の活用により、単なる力業から、能力を活用した介助というアプローチへ変化します。
能力に応じるとは、知る事、見極める事、工夫する事が問われます。
色々な事を考えながら、やってみながら、意見交換しながら、介護の質を高めたいものですね。
(波の女 内輪ネタですみません)
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
お迎え時、利用者さんの家の前で動くものが・・
・・・?
警戒心がかなりない「タヌキ」でした。
こんな街中にいるなんて・・
野生?街生?
ビックリする事もあるものですね☆