自助グループ

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グループホーム内、21時の会合です。

 

少し前までは、ある入居者に対する愚痴大会だったので、職員も間に入り調整したり共感したりしていました。

 

少しすると、たまたま話の対象となっている本人がリビングに出て来られました。

どうその場を取り仕切ろうか考えましたが、先ほどの話し合いの中でだいぶ吐き出せていたと感じていたので、自分は抜け、当事者同士だけの空間にさせて頂きました。

 

すると・・・

 

今度はそこにいない方の話に変わり皆で盛り上がっていました。笑

皆さん、大人だなぁと感心感心。

時々、本人がいてもお構いなしに本人に関する愚痴みたいな事を言われる時もあります。

でも、いつもという訳ではないようですね。

 

時には喧嘩したり、涙したり、すねたり・・でも次の瞬間には皆で笑っていたり。

人としての様々な感情の表出の自由さと、他社との人間関係調整力。

 

皆認知症という状態にあって、大変な不安を抱えていられる中においても、

それを吹き飛ばしているかのようなたくましさ。

人間はすごいなぁと感心したり、学んだりさせられています。

 

そんな姿を見ていると、共同生活の中で、「自助グループ」としての機能・関係もできていくこともあるんだと感心させられます。

 

同じような境遇にいる人たちが、自発的に集まったのが自助グループです。

「自分と同じ経験をした人でないと、自分の気持ちはわからない」ということが前提としてあるようです。

社会の中には、アルコールや薬物、ギャンブル依存やガン患者など、様々な悩みを持った人たちがつくった自助グループがありますよね。

 

大正や昭和前期に生まれ、戦争を乗り越え、歳を重ね、要介護状態になり、家を出て・・

同じ体験をした人同士の中で、共感や安心感の中から、癒されたり、安心したりということがあります。

ですので時には意図的に「職員ぬき」という状態を作りだすのもいいのだと思います。

もちろん、事務所や戸の影で耳をそばだてているのですが。

 

認知症の方々の人間関係調整は結構大変で、ストレスになる事も結構あります。

しかし、マイナスにとるばかりでなく、プラスの部分を見つけられる自分作りをする事も、介護職には必要なのだと思います。

 

認知症という状態になっても、人としての可能性を引き出せたり、信じてみたり、任せてみたり・・

たくましく生きる利用者・入居者から学び、共に歩んでいきたいものです。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

 

2016年07月09日 Category:スタッフ日誌