記憶に残る場所
6月末までGH(グループホーム)に入居していたSさん。
事情があり7月~9月は別の所へ行かれていました。
(良かったら、7月1日の関連ブログを見て下さいね)
10月に入りどこかに戻る事になっていたのですが、行政の取り計らいで隣の区のサービス付高齢者住宅へ入る事になっていました。
ところがそれで「良かった良かった」となりませんでした・・・
先日の事ですが、早朝に突然1人でグループホームを訪ねて来られたのです。
そりゃ対応したスタッフは「なんで?どうして?どうしたの?」といったところだったと思います。
職員や馴染みのある入居者さんにとっては「おかえり」「ようこそ」といったところですが、事はそう簡単な事ではありません。
その前の夜からあちらこちらをさまよって、最終的に滝子にたどり着いたようです。
その数日前にも同じような事がありました。
別の日には警察に保護されたりもしています。
どうも、新しい環境に馴染めない・住んでいる場所が覚えられない様子です。
しっかりされているとはいえ、認知症という状態にある方なので、色々と不安や混乱があるのでしょう。
そこを見抜けず、予測できず、1人暮らしに近い環境にした判断はどうだったのでしょうか?
GHに空きがなかったので、滝子に戻るという選択肢はなかったものの、ご本人の状態を良く知っている波の女に相談してもらえれば、もう少しマッチングの良い所を一緒に探せたのかもしれません。
そこを行政に伝えていなかった自分も、行政側も、読みが甘かったのでは?と考えてしまいます。
申し訳ない・・
でもすごいですね~
ご本人は大変なのでしょうが、滝子に駆け込んできてくれる事は、反面嬉しくもあります。
「記憶に残るホーム」なのだと思います。
それは職員が頑張ってきた事の結果でもあるでしょう。
滝子で自分の力を使い、生きてきた「実感」
滝子で他人のために動いた「実感」
滝子で社会と繋がって暮らした「実感」
そんな「実感」を感じれる「体感」がたくさん滝子にはあり、心と体に滝子の記憶がしみついているのだと勝手に想像したりしています。
今の環境に慣れるまでに、もう少し時間がかかるかな。
地域包括支援センター、行政と連絡を取り合い、Sさんにとっていい生活環境を整える手助けができたらと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治