リード
只今夜勤中です。
20時30分くらいの時点で、照明をダウンライトに切り替え、雰囲気を寝る準備に向けて調整していきます。
この後は静かな音楽に切り替え、トーンを落としていきます。
寝る時間も消灯も特に決めていません。
利用者さんのペース・リズムを尊重したいと思っています。
しかし、全てという訳にはいかないのも事実です。
介護のプロとしては、寝る時だけの意志尊重のみを考えている訳にはいかないからです。
朝の目覚め具合も考慮し、早く寝る必要性のある方もおみえになります。
そのような方には、こちらから早目に横になるアプローチをさせて頂く事もあります。
ご本人のペースに任せておくと、22時になっても、23時になっても起きている可能性のある方がみえますからね。
結果、朝起きれないという所へ繋がってしまいがちです。
でも朝がくれば起床介助から朝食へと生活は流れていきます。
そうなると朝食も、午前中もグダグダになってしまう事になります。
そういった場合は、ご本人さんの24時間のサイクルの中でバランスを考え、生活リズムの再構築をアプローチする必要があるのだと思います・・・基本は。
基本というのは、例外はあるという事です。
そして今目の前で例外が・・
ほとんどの方が寝られた後は、ダウンライトから通常照明に戻します。
その後で、テレビを真剣に見ている利用者さんがみえます。
うなずいたり、何やら言葉を発っしたり、時に手拍子も・・
温かいお茶を自ら注ぎながら・・
途中でダウンライトに切り替えてみたものの、そんな雰囲気は気にもならないようです。
こりゃリードしきれないな・・笑
かつて和田行男も出た「プロフェッショナル」の番組に意気投合中です。
普段なかなか見られない集中力と、素敵な姿です。
これは、ご本人さんのペースを尊重すべきシーンです。
でもそんな時や事ってありますよね。
相手は人ですし、日によって違う過ごし方をする時もあるものですよね。
そんな時は次の日の中で調整すればいいだけです。
明日の朝はゆっくり寝て頂き、遅目の朝食をとって頂けばだけです☆
はい。明日の朝は寝坊決定です~☆
そんな日もあってもいいのだと思います。
人の暮らしですからね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
添え言葉
昨日はよく晴れ、暖かかった、「介護の日」だった名古屋です。
「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」にちなんだ「介護の日」です。
まだまだ「ポッキーの日」に負けているようですが・・・笑
介護の日にちなんで、各地でイベント・催しが開催される中、名古屋では虐待がニュースにあがっていました。
滝子から車で20分くらいの所ですね。
いつまでたっても、なくならないこの手のニュース。
切なくなりますし、入居者さんには申し訳ないですし・・
しかし決して他人事ではありませんよね。
常に危機感を持ち、自分を、組織を、律っしていかねばなりません。
この日だけに、気が引き締まる思いでニュースを見ていたのと、改めて「虐待を考える会」を開催せねばと思いました。
話は変わり夜勤入りの昨日、小規模多機能クラブ・滝子副責任者の和田健二さんより電話やメールで連絡がきました。
どちらにも、「出勤前にすみません」と必ず「添え言葉」から始まっていました。
他の職員も、
「今、少々よろしいでしょうか?」
「 お忙しいところすみません」」
等々相手の立場を考慮した声かけができているのは、とても素敵な事ですよね。
当たり前の事かもしれませんが相手の状況に合わせて、または配慮して「添える言葉」を互いに遣いあうのがチームの中では大切だと思いますし、そのような組織風土は虐待予防にも通じるのだと思います。
職員同士は互いに敬い、尊重し合える関係を目指して、「添え言葉」を大切にしていきたいですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
距離感
今週は「実習生」のオンパレード週間でした☆
「実習生」といってもいろいろで、
同業者の「認知症介護実践リーダー研修」
学生さんの「介護福祉士養成カリキュラム」
の一環としての実習生が5名来ています。
「実習」となると、皆さん積極的に
「関わりに行こう」
「コミュニケーションをたくさん」
と、利用者・入居者さんの傍に寄って行く場面を多く見かけました。
料理を作る場面であろうと、買い物をする場面であろうと、雑談をする場面でもです。
「実習中」という自分達の役割や存在価値と、利用者・入居者さんの有する能力の情報が足りなければ、傍に寄るのは当たり前ですよね。
そこでお話しさせて頂いたのが「距離感」について。
「有する能力に応じる」のが私達の仕事です。
場面にもよりますが、
能力がある方には「距離をとり」
能力が衰えている方には「距離を縮める」
のが仕事の仕方の基本だと思います。
お店で食材探しができる、支払いができる方には「離れて見守る」
できない方には横付き「一緒に探し」「支払い補助する」
安定して歩ける方には「少し離れる」
不安定の方には「横にぴったりくっつく」
料理をする能力があれば「お任せする」
なければ「横について一緒にやる」
自分達で話をしているのであれば「その場から離れる」「聞いているだけ」
話が滞っているのであれば「話題を振りまく」
等々の場面や状態によって、自分の立ち位置や介入する距離を
「離したり」
「縮めたり」
を臨機応変に行えるようになれるといいですよね☆
「距離感」を場面場面で意識して関わっていきたいものです。
「心」は共に寄り添いながら。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
12月1日開設を目指して、急ピッチで準備を進めています☆
来週、19、20日には「内覧会」「見学会」をさせて頂きます。
買い物帰りに、トイレを借りに入居者さんと寄ってみました。
近所の方々(奥の窓の方)も気になって覗かれていましたので、ご案内させて頂きました。
お楽しみに♪
生活に彩を
毎日、同じような行為や時間が流れる「日常生活」は僕らも入居者も同じようなものかもしれません。
そんな暮らしの中に「彩(いろどり)」があるといいのではないかと思います
なんらかのイベントや予定など、様々な種類の出来事が、日常生活に彩を与える事はよくある事です。
普段の休日を始め、誕生日や記念日、旅行、イベントなど。
その日が来るのが待ち遠しくなったり、その日の事を考えるとワクワクドキドキしたり、気持ちが明るくなったりする日ってありますよね☆
認知症という状態により、日時時間の感覚や記憶の保持が難しい方々にとっても、そんな日があるといいですね。
という事で、「今年のなばなの里のイルミネーションはいついきましょうか?」
と話題の提供や資料を渡してみました。
「先々の楽しみ」
その事に、良い影響救をもらえる事もきっとあるのではないかと想像しています。
生活を豊かにする一つの要素。
有効活用したいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
買い物の帰りにポツポツ雨が・・
ご近所さんの洗濯物が出ていたので、取り込みながら呼び鈴を鳴らし、お知らせしました。
日常生活の中の声の掛け合いって大切ですもんね☆
と、ホームに戻ると、他人の世話を焼ている場合でないくらいの洗濯物が干されていました。汗
急げ~ 笑
ユーモア
病気により脳が壊れると認知症という状態になる事があります。
そうなると、とんちんかんな言動が増えていくのが一般的です。
皆さんは、食パンはどのように食べますか? どこから食べますか?
人それぞれ様々ですが、施設の中ではこのような食べ方がありました。
真ん中をほじくりだし・・
真ん中をくり抜いて・・
最後にみみを食べられました。
これは認知症だから、変わった食べ方・・というより、個性、ユーモアといった捉え方の方が正しいかもしれませんね。笑
間違っても、「そんな食べ方しないでくださいね!」とはならないように。
どんな形でも、自分で食べれるって素敵ですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「見られている」を意識
昨夜の夜勤中。
夜間帯に入り、Aさんコール対応1回目。
「パットを替えて下さい(ベッド上で)」
それから1時間後の2回目のコール対応。
「パットを替えて下さい」
それから30分くらい後び3回目のコール対応。
「パットを替えて下さい」と言われるのを予想して、対応しようと心構えていたところ・・・
「トイレに連れて行って下さい」
「!?」
いつもと違うパターンだなと思いつつ、その変化の意図を探ろうと質問してみました。
「もしよかったら教えて下さい。先ほどまではパットを替えて下さいと言われていましたが、なぜ今回はトイレなのですか?」
「さっきそんな事言いましたっけ?」
「言ってませんでしかっけ?失礼しました」とごまかしつつ、ご本人にとっての事実を受け入れて会話を合わせました。
その介助中に、自分の顔を一瞬見たので、何かと思った時に、
「昼は裸眼ですか?」と逆質問を受けました。
夜間はコンタクトを外し、眼鏡で仕事をしています。
そうです。
昼と夜の自分の状態の違いを記憶し、理解されていたのです。
パット替えの質問から、短期記憶障害がある事は想像がつきます。
しかし、だからと言って、常にその状態にある訳ではないのが逆質問から分かります。
繰り返しの淡々とした生活行為や、たいしたことない場面の記憶は、記憶されない、思いだせない事が多くなるのが一般的です。
でも、そんな暮らしの中で、自分をケアする職員の情報、状態の把握は、利用者にとってはとても意味のある大切な情報なのだと思います。
「私達職員は見られているのです」
「観察されているのです」
「時に職員を試したりして職員の能力や愛称を見極めようとしているのです」
それは当然の事なのです。
それは要介護や認知症という状態を抱え、生きていく上で必要な情報だからです。
それは、きっと思考というより、生き抜くための本能がそうさせているのだと想像できます。
私達の表情、言葉、ふるまい。
常に見られている事を理解、想像しながら、仕事にあたらねばと思い起こさせて頂いた場面でした。
「見られている」を意識できてこその、介護職。
肝に銘じて仕事中は気を抜かず、場面や相手に応じて様々な役者を演じられる自分でいなくてはと思いました。
相手の言動から学び続け、変化し続けられる自分でいたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
本質
今日は「ハロウィン」
日本風にアレンジされ、仮装をしたりして楽しむ日になっているようですが、
本来の意味や、本質的な事をどれだけの人が知っているのでしょうか。
もちろん、僕もたいして知っていませんので、特に楽しんではいませんが。
本質とは、 「物事の根本的な性質・要素。そのものの、本来の姿」という意味です。
色々起こている「現象」や「事柄」の本質は、調べればそこそこわかるものです。
でも、個々の「人」の本質は誰にもわからないし、わかりっこないものではないでしょうか。
でも、だからこそ、「知ろう」「分かろう」とする姿勢が対利用者にたいしても、職員にたいしても大切なのだと思うのです。
知らない、分からないからこそ、そこに興味・関心を寄せ、ちゃんと関わりをもっていこうとする姿勢。
そこに介護の仕事や、職員関係構築の原点があるのだと思います。
自分でも、自分の事なんてよく分からない訳ですので、他人の事なんて簡単に分かりっこありませんよね。
色々な事情や、背景や、意味があって現状があるのだと思います。
ましてや利用者、入居者は「認知症」という状態で、自分で自分をコントロールしにくい状態にある訳ですので。
表面的な事に振り回されず、惑わされず、物事の本質を見極め、知ろうとしたいものですね。
そしていい関係、互いに理解・協力し合える関係を作れたらいいですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ちなみに、ハロウィンは、仮装派でなく、「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」派です。笑
分からない方は調べて下さいね。
素敵な視点
「地域交流会」という取り組みで、月に1回、地域住民の方々が施設の中に来られる機会があります。
その内容のネタ(作品作り等)を持ってきて頂けるのが、利用者家族とその友人達で、ボランティアとして活動して頂いています。
地域住民と利用者・入居者のつなぎ役になって頂いております。
施設運営に携わって頂き、本当にありがたいし、感謝しています。
さて、今月の作品も素敵なのですが、何という名前だったか・・・
はて? 物覚えが悪いというか、忘れっぽいというか・・・
「こけ玉?」のような名前だったと思います。すみません!
今回はその活動の後に、「運営推進会議」を続けて開催させて頂きました。
ボランティアの家族、友人にも続けて参加して頂いたのですが、運営推進会議の中の報告や、利用者・入居者の活動報告を見て聞いて、こう言われました。
「いつも参加している方々が、こんなにも色々な事ができるとは知りませんでした。
今まではやってあげるという感覚でしたが、今後はできる事はもっとやって頂こうと思います」と。
素敵な視点とコメントですね。
専門職も負けずに「有する能力に応じる」事を意識していかねばと思いました。
今後とも、よろしくお願い致します!!
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
アッという間に10月も終わりかけていますね。
今年もあと2ケ月。。。
12月には新規施設のオープンを控えております。
その関係で、常勤さん2、3名募集中です!。
どなたか一緒に働きませんか。。。
仲間とともに
本日は、「認知症介護実践リーダー研修」にご一緒させて頂きました。
素敵な仲間たちと、模擬徘徊訓練の企画立案のグループワークを行いました。
全国各地で盛んに行われている取り組みですが、内容は似たり寄ったりの所が多いように思います。
(*主観です。自分が知らないだけで、おもしろい取り組みをしている所もきっとありますよね)
固定観念にとらわれず、各グループで色々なアイディアを盛り込んで模造紙に書き出して頂きましたので、
全14グループの企画・アイディアをUPさせて頂きます。
きっと、将来に繋がるアイディアが詰まっていると思います。
素敵でしょ☆
実行できるとおもしろいアイディア満載です☆
有意義な時間ありがとうございました。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
帰りの「たそがれ時」も素敵でしたよ。
声かけって
入居者の支援を行うに、私たち支援者は入居者の方に、選択肢を持てる声掛けをするように
「○○して頂けますか?」
「○○はどうですか?」
と声を掛けています。
しかし、よくよく声掛けを聞いていると、誰にも同じように声を掛けていることに気付くことはないでしょうか。
「○○して頂けますか?」の声掛けは、「○○1」と「○○2」、そして「やらなくてもいい」という選択は出来ても、それ以外の選択はどうなのかなと、私は考えてしまいます。
声掛けで入居者の主体的行動が出来るようにしているかにみえますが、実はその少ない選択肢を選ぶだけの声掛けになっているようにも感じてしまいます。
入居者の中には、「結局やらされているんだ」と思う方も居るでしょう。
「自分からやらなくては」と思える環境作りや、環境の設定が大事なように感じます。
ある日、朝食後に食事も終わり片付けも終わり、「ゆっくりしようか」という時間がありました。
職員さんは、ある程度ゆっくりした時間を見計らい、洗濯物をテーブルの上に、「洗濯物が渇いたね」と独り言を言いながらテーブルの上にどっさり。
ある方は寝ていたり、ある方は新聞を見ていたりされている中、ある入居者の方が、何も言わずに、洗濯物をたたみ始めました。
するとその行動をみていた入居者が、何も言わずに手を伸ばし洗濯物をたたみ始めました。
そのことが隣の入居者の方も自分で気づき、たたむという行動に移っていきました。
入居者同士で「洗濯物があるわよ」などの関係性を築く行動が生まれていたりもします。
最後にはどうしても、何をしてよいかわからない方には、選択肢もある声掛けをさせていただきました。
この状況の「やらされている」は、テーブルの上に乾いた洗濯物があることで「やらされている」ということがあるのかもしれませんが、職員の声掛けでやらされているという事はないのではないでしょうか。
「自分からやる」という行動へ移れることができる方への声掛けは必要ないことであり、誰も同じように声を掛けないことや、もう少し声掛けを工夫をして、本当に「自分からやりたい」「自らやる」という行動を引き出す声掛けをしたり、環境の設定(仕掛け)が大事に思えます。
目から入る情報を上手く使い、自分から行動できる環境設定を今後も増やしていきたいですね。
そのためにも、あるべき物が、その場所にしっかりと片付けられていることも大変重要になることも、大事な環境設定にもなりますしね。
滝子通一丁目福祉施設 グループホーム担当責任者 岡田拓也