生活圏域

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昨日、利用者さんとスーパーで買い物をしていたところ・・

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「久しぶり」

「元気だった?」

あちらこちらで次々と声をかけられるAさん。

Aさんから「あれ?久しぶりだね」と声をかける場面も。

 

23日のブログの中で登場した、お茶の入れ方が曖昧になってきている方なのですが、

そんな豊かな人間関係をみていると、「有する能力」に働きかける事も大切ですが、

「社会との繋がり」「人との繋がり」の支援にも力を注がないといけない事に気づかされます。

人は自分の力を使って生きる生き物ですが、それだけで生きている訳ではありません。

 

一人ひとりにとっての、生活圏域内の地域資源を活用するという事は、その方を知っていくきっかけや

情報が見つかる可能性がありますので、これからも積極的に情報を取りにいきたいと思います。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

明日は新しい施設「雁道二丁目福祉施設」の上棟式で餅まき、菓子まきを行います。

どんな地域の方との出会いがあるか楽しみです♪

詳細は「お知らせ」をご覧下さい。

 

 

 

2016年03月27日 Category:スタッフ日誌

交流

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本日は月に一度の「地域交流」の日でした。

 

小規模多機能型居宅介護の収入の一部には、名古屋市独自の設定があります。

月に一度施設、施設内に地域の方々を招き交流すると頂ける「加算」というものです。

 

地域との交流を「施設に持ち込む」という感覚はもとよりありませんでしたが、

そこはそこ。笑

 

地域との交流は、地域の中(外)において行うべきものですよね。

それも、施設の利用者・入居者、職員と、地域住民との間で。

「人」と「人」との交わり

日々の積み重ね

その先で成り立つものだと思っています。

 

まぁ、理想?目標?はおいておいて、現実的には基準を満たさないと頂けないものですので、真面目に毎月行っています。

 

本日の参加メンバーは、近隣住民と、利用者や入居者さん達です。

折り紙を使っての作品つくりと、グラノーラやマシュマロを使った菓子作りを行いました。

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講師は利用者家族や地域の方です。

本当にありがたいことです。

 

支え、支えられ

交わり続けたいと思います

それが「人」が「人」として生きていくために必要なステージだと思うのです。

今後も毎月、不思議な地域交流を続けていきますので見ていてくださいね。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

2016年03月25日 Category:スタッフ日誌

されど一杯

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利用者さんが「熱いお茶が飲みたい」と言われました。

そこで「はいどうぞ」と職員側で入れて出すのは簡単なことです。

 

しかし、介護の専門職としては、

「有する能力に応じる」

「自分でできた・できる」

を応援する仕事ですので、ここでひと手間かけます。

 

歩いて道具を揃える能力はない方ですので、道具は職員側で揃えます。

茶筒、急須、湯のみ、ポットをテーブルにおきます。

「これでお茶をいれれますか?」

とお伝えしたところ・・

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茶筒の蓋を開けたものの、その先どうしていいか分からない様子です

昔はできたのでしょうけど、自宅でも、施設でもあまりその機会がないので

どうしたらいいか分からなくなってしまっているのかもしれません。

 

言葉で補います。

「この蓋にお茶の葉っぱを入れてください」

そして「急須にそのお茶っぱを入れて下さい」と動作に合わせ、お伝えします。

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その後、茶筒の蓋をどうしていいか分からないようなので、声をかけます

「この筒に蓋をして下さい」

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蓋はできたものの、その後の動作が止まりました。

次に手振りに加え、声をかけます。

「このポットのここを押すとお湯が出ます」

「急須に注いでください」

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その動作が完了したら、続いて

「急須に蓋をして、湯のみに注いで下さい」とお伝えします

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それでやっと熱いお茶を飲むことができました。

 

「はいどうぞ」

「ありがとう」

 

こんなやり取りは人と人との関係性としては悪くはない事です。

そのやり取りに、この仕事の「やりがい」を感じる職員がいるのも事実です。

しかし、依存度は高くなります

その繰り返し、その先に

腕の間接の動きや筋力が落ちていきます

手順が分からなくなったり、考える能力も落ちていきます

「できる自分」を感じる機会もなくなります

職員によって「生かされている自分」を感じるのかもしれません

そんな暮らしなら「死んだ方がまし」と思うようになるかもしれません

 

専門職として、「能力を下げるお手伝い役」になるのはどうなのか?

と、色々な場面で自問自答していかなければと思うのです。

もちろん、常にそのようなアプローチができるほど人や時間がある訳でないのも現場の事実です。

しかし、必ず能力の引き出せる・活用できる場面はあるはずです。

お茶入れの場面は2分程度だったと思います。

 

「何でもしてあげる対象」ではなく

自分達介護職がくっついたことで

「自分の力でできる・できた」

「生活の取り戻し」

ができるようにしたいものです

 

たかがお茶一杯

されどお茶一杯

 

小さな「できた」も大切にしていきたいものです

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

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本日は施設内研修がありました。

中堅職員に一部「講師役」をレクチャーした上でお願いしてみました。

「やれた自分・できた自分」を感じれたどうかは分かりませんが、

その積み重ねの先に「できる自分」を感じれるようになると信じています。

2016年03月23日 Category:スタッフ日誌

介入

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認知症の関係で、見えているものや理解できる力が時間や日によって変動される方がみえます。

 

本日は、リビングが自分の家に思えたらしく、

「人(自分)の家で何やってるんだ!」

「出て行け!!」

「警察行くぞ!!!」

と大きな声で興奮されだした方がみえました。

 

「説得」は無意味です。

「事実」をお伝えしたってダメです。

「納得」できる環境(話・人・物)を作るしかありません。

「本人」の世界に周りが合わせるということです。

 

という事で他の利用者さん達は、急遽リビングから大移動(一部の方)しました。

急遽「応接室」をこしらえ、退屈しのぎと気分転換に動画を流しました。

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皆画像を見て、それなりにその場になじんでいたのですが、

職員さん達がどう動くか見ていると・・

 

何回にも分けて、コミュニケーションを図りながらお茶を振舞う職員さん、

他の職員さん達も、「放置にならないように気をつけないといけないよね」

声をかけあっていました。

いいセンスを持っている職員さん達がいて良かったです。

 

TVにその場を任せてしまうことがありがちなこの業界。

別にTVがついていてもいいのですが、そこに職員が介入し続ける事に、職員の「存在価値」があるのだと思います。

TV等に存在価値を奪われないように心がけたいものですね。

 

人と人とが織り成す風景・会話が開花すると素敵ですよね。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

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名古屋もいよいよ咲き出しましたよ☆

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暖かくなってきたので、活動量UPですね。

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でも休日診療所は「インフルエンザ」の症状の方々で溢れていました。

 

気をつけながら、外出しましょうね☆

2016年03月21日 Category:スタッフ日誌

挑み

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「どうアプローチしたらいいのでしょう?」

現場スタッフが悩んでいました。

 

排泄や入浴の介助が難しく、ともすると嫌がられているのを職員2人がかりで、

着替えの介助を行う利用者さんへの関わりの件です。

 

排泄の失敗があっても、「そのままでいい」と本人は言われます。

もちろんそのような状態になっている事が分からないという事もあるでしょう。

当然、認知症という状態にあり、正しい判断がしにくくなっていらっしゃります。

しかし、ご本人にとって不利益がある場合には、そのままという訳にはいかず、

その場をなんとか凌いでいるのが現状です。

 

そこに疑問・違和感を持ち、本来といいますか普通は「こうあるべきでは?」と考え、

「ご本人のペース・ご本人の納得で入浴行為や、排泄の着替えをできないか?」

ということを目指したいと考えるスタッフからの相談です。

 

最初から「難しい」「今までの介助方法しかない」と考えてしまえば、そこまでの仕事となってしまいます。

本人視点、本人のために、

「何とかしたい」「何とかしなくては」

と思えばこその苦難ですね。

そして失敗に失敗を重ね、「次こそは・・」とモチベーションを維持していけるのも、専門職のスキルの一つです。

その思いやセンスは、この仕事ではとても大切だと思います。

 

という事で相談してきた職員の思いに応えるために助言、セッティング、支援を行いますが・・

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「何するんですかぁ!」

「やめて下さい!」

「お願いだから仲良くしようや」

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いつもよりは少しいいものの、課題を残す形で終わりました。

もってき方や、環境設定も重要ですが、「タイミング」もかなり重要な方です。

職員都合のタイミングで介助に入るばかりでなく、「今だ」という本人のタイミングを察知し、

そこで合わせられる力量が事業所にも必要だと思います。

 

とはいえ、それにめげず「次こそは」と言っていた職員のたくましさと姿勢は素敵だなと思いました。

成功するよう、成功するまで、できるまで、職員支援を続けたいと思います。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

あっ!ぼかしはいりませんでしたね。笑

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2016年03月19日 Category:スタッフ日誌

沈丁花

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名古屋は、温かい日が続き、モクレンが咲き春の訪れを感じます。

 

先日スーパーへ向かう途中、懐かしい甘い香りが漂ってきました。

何だったかな~?と思いながら見渡すと、沈丁花(じんちょうげ)が咲いていました。

 

 

以前、小規模多機能・クラブ滝子の利用されていたAさん(男性)の自宅で、春になると庭先にたくさんの沈丁花が咲き、『この香、いいだろう。庭先にあると言い気分になるで~。』と思い入れを話して下さりました。

 

 

3年前のことですが、懐かしと同時に、『かおり』って私達の生活に密着していることを改めて感じました。

季節を感じたり、思い出があったり、食欲が出たり、心が躍ったり、安心したり。

 

当施設で『かおり』ってなんだろう・・・。『食事を作るかおり』『洗濯物を干すときの洗剤のかおり』『コーヒーのかおり』『お茶のかおり』

施設近くで咲く花のかおりが風に乗ってくる・・・。

 

 

 

『臭い』となると・・・体臭、口臭、排泄臭・・・。

日々の暮らしのなかで、『臭い』への対策は一つ一つクリアしていき、『かおり』の豊かさの視点も大切だな~と沈丁花のかおり、Aさんから学んだので還して行こう~!

 

滝子通一丁目福祉施設 副施設長 佐藤 恵美子

 

 

2016年03月17日 Category:スタッフ日誌

原点

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「まだみぬ介護者へ」  和田行男・作

私はすべてを失ったわけではありません
どんなことでも まず問いかけてみてください
何でも まず私の意思を確認してみください
食べる 食べない 行く 行かない 暑い 暑くない?
どうしたのって 聞いてみてください
訳のわからないことを言うかもしれまあせんが 私は病気です
痴呆状態にあるのです 進行性の難病といってもいいでしょう
察してください ようく見てください

私はすべてを失ったわけではありません
まだまだ若いものに負けないこともたくさんあります あると思います
でも 若い頃と同じようにはできないでしょう
あせらせないで じっと見ていてください
見ていて 少しだけ手を貸してください
人間の機能や能力は使わないと使えなくなると 若い頃に聞きました
生きるためにたたかう力はまだまだ・・・・・

私はすべてを失ったわけではありません
外だって自由に出たがるでしょう 雲や星が好きです
外に自由に出られるようにしていてくれさえすれば 自分ででかけます
でもきっと目的地には着けないでしょう 戻れなくなるでしょう
そっとついてきてくれると嬉しいです
とまどったり 不安げになったら そっと傍に来て
どうしたのって声をかけてください
きっとあなたのことが天使様に見えるでしょう

私のことを笑ってくれていいですよ
きっとおかしなことを言ったり おかしな恰好をすることでしょう
でもお願いです 陰で笑ったり 自分一人だけで 仲間同士だけで笑わないで
私にも笑っている訳を教えてください
きっと私も笑いの仲間に入り いっしょにおかしむでしょう
だって おかしいことはおかしいと 私にもわかるから

私はすべてを失ったわけではありません
私のことを痴呆老人なんて呼ばないでください
私の名前は 和田サンです
私のことをわがままなんて言わないでください
私はあなたと同じ人間です
ただ 痴呆という難しい状態になっただけです
私の努力では 止められないんです

2016年03月15日 Category:波の女からのメッセージ

繋がり

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毎日クラブ滝子へ通い

毎日夕方に買い物同行し、

自宅へ送らせて頂く、来月で96歳のAさん。

独居で頑張ってみえます。

 

毎日休みなく朝から夕方までクラブで過ごしているので、地域生活とはかけ離れていきそうなものですが・・

 

毎日地域資源(スーパー)を活用することで、駐車場整理の方、スーパーのレジの方等と顔見知りになられています。

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本日もレジでの支払いの様子を見ていると、

「お財布の中の小銭見てあげるね」

と財布の中の事まで気にかけてもらっています。

 

他にも、住んでいるマンションの関係者、民生委員、新聞集金担当、近所の郵便局で出金支援する権利擁護の方、木目込みの先生もやられているのでお弟子さんが来られてたり等、結構自宅において色々な関わりがあるものだと気づかされます。

最近では帰りになると、誰か一緒に住んでいる身内の方がいる話をよく話されます。

頭の中で存在している方なのか・・

一緒にいる誰かが見えるのか・・

まぁ、それは置いておいて。笑

 

生活とは、地域資源や人との繋がりで成り立っているのだと教えて頂いています。

グループホームに空きが出たので、そろそろ小規模多機能からグループホーム入居という流れもありかと考えていますが、結構豊かな繋がりの中で暮らしてみえるので、

「もう少しこのまま・・」

と、自宅を絡めての暮らしを応援したいと思っています。

 

小規模多機能という在宅での暮らしを支えるサービスは、結構粘り強く色々な支援ができるサービスなので、限界点が高くなりがちだと思います。

その分、施設への入居のタイミングの見極めが難しくなるという事もあります。

 

もう少しご本人と地域と繋がりのある人々を中心に置いて、今後の事を考えていかねばと、悩みの日々が続きそうです。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

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今日は「名古屋シティマラソン」「名古屋ウィメンズマラソン」がありました。

地域生活分断はもとより、通所や訪問サービス分断?泣かせ?な交通規制、通行止めの嵐でした~

2016年03月13日 Category:スタッフ日誌

3.11

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3.11

震災から5年。

昨年は雪が積もっていた所が多かった東海地方でしたが、今年は晴れ間が広がりました。

しかし空気はピシっと冷たく、気が引き締まる感じの1日でした。

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「今日」という日が迎えられる事に感謝です。

「今日」という日を迎えたいのに、迎えれなかった方々の分も、

「今日」という日に感謝し、一生懸命生きる事を大切にしたいものです。

それが「今」を生き、「明日」を迎える者の勤めだと思うのです。

 

被災者とその関係者

そして頭の中で起こった災害とも呼べる認知症という状態の方々のために

何ができるのか

何をすべきなのか

今一度考えていきたいと思います

 

震災で被害にあわれた方々に対し、謹んで哀悼の意を表します。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2016年03月11日 Category:スタッフ日誌

医学の進歩

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本日、核医学検査(RI)というところで行われる利用者さんの検査に付き添いました。

「核医学って・・」

 

難しそうですが簡単?に説明すると、

血液の中に害のないレベルの放射性物質を入れ(注射)、

3時間以上過ぎてから、脳の中のどこにどのくらいたまったかを、

放射線を捕らえて画像にする装置(SPECT装置)を使って撮影します。

 

注射し、3時間以上時間を空け、30分横になって撮影

(始めの注射も、撮影も指定の時間厳守です)

 

ダット・スキャン(DAT)という検査です。

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これで、脳の中の神経の働き具合が見て取れます。

今回はこの検査により、アルツハイマー型認知症か、レビー小体型認知症かを鑑別しようというものです。

 

ちなみにお値段は1本 56,636円です。

たった2mlで5万円以上する超高級な医薬品です。

保険はききます。

とはいっても8100円お支払いされていましたが・・

 

すごいですね~

医学、科学はどんどん進みますね。

 

そこに「人の手」「関わり」がくっつく「医療」や「介護」が追いついていかなと大変な事になってしまいます。

 

早期発見、早期診断だけどんどん進む。

しかし治す薬がない現状。

認知症になって治療を受けようとすると、拘束。

認知症により、介護を受けようとすると、虐待。

一部にせよ、これがこの国の現在の到達点です。

 

診断確定の先の、医療や介護の「対応力」や「質」が伴わないと「お先真っ暗」の期間が前倒しで早く分かってしまうというのは、本人にとっても辛い話です。

 

認知症の確定診断がついた=もうだめだ・・

ではなく、

認知症の確定診断がついた=介護を受けながらなんとか生きていくか・・

と思える関わり・支えができる業界になっていかないといけないと思うのです。

 

最期まで尊厳があり、生活を送る一人の人として生きていける社会を目指して。

皆でこの国の将来、自分や家族の将来を自分達の手で創造していきましょう。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

2016年03月09日 Category:スタッフ日誌