取戻し
以前はしょっちゅう喫茶店でモーニングをされていたBさん。
現在も小規模多機能・クラブ滝子において、自宅での暮らしを応援させて頂いています。
しかし最近は、排尿のトラブル(失禁、尿臭等)が続き、着換えや入浴の必要性からクラブ滝子へ通う頻度が上がってきています。
そうなると、当然いきつけの喫茶店通いの頻度は減っています。
「このままではまずい!」
という事で、失禁に対応しながらも、地域社会生活の取戻しを目指す事がクラブ滝子の使命ですので、皆で知恵と予測力と実行力をもって取戻し作戦を実施中です☆
今日は訪問サービス実施後に、喫茶店へ行って頂きました。
喫茶のママに
「今までズボンの濡れや臭いが気になっていたかと思うけど、これからはしっかり仕事しますね」
と伝えると、
「いえいえ、うちのイスは簡単に拭けるから大丈夫よ(笑)」と。
なんという寛大なお言葉。
地域資源の理解・協力は、認知症という状態にある方にとっての生命線ですね。
ありがたやありがたや。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
変換
深夜トイレに起きたAさん。
近くに待機させてある車イスを取りに行く間もなく、
歩き始めるAさんの足どりは、ふらっふら。
どちらに傾いてもいいように。又、歩を進めやすいよう腕と腰にそっと手を添え歩行介助をさせて頂く。
それでもやはり、ふらついて、なかなか前に進むことができません。そして
思うように前進できないのは「こいつのせいだ!!」
と思ったのか、イライラしたAさんは私に
「どけー」
「身体に触るな。あっちに行けー!」
と大声で怒鳴り、支えの手を振り払おうとします。
このまま手を離せば
たぶん倒れる。
手を離さなければ、格闘の末、共倒れも・・(汗)
アタマを巡らし考えついたことをダメ元で言ってみました。
ごめん。私、足が痛くて。
「つかまらせてーーー!」
一瞬止まって私を見るAさんから反ってきた言葉は
「な~んだ。始めからそう言やぁいいのに」
呆れてはいるものの、無事につかまらせて頂き、トイレに行き戻ることができました。
本人が納得できるツボを探すこととか、困っている人を、気にかけてあげられる
そんなところに働きかけることとか、色々考えながらも
これだけは外せないと思ったポイントがひとつだけありました。
あの時のAさんとしては
「トイレに行くのに何で他人がついてくるの?」
自分のことは自分でする。できる。できている。
手助けなんかなくとも。
だったと思うのです。
せめて
実感としてだけでも
そのことを抑制しないように、という思いがありました。
「あなたの介助をさせて」
から
「私の介助をしてほしい」
に変換させた言葉によって、そのことが護られたのであれば、うれしいです。
グループホーム滝子通り一丁目福祉施設
駒木根純子
好循環
認知症が進行すると、意思疎通が難しくなる事があります。
しかしそこで諦めず、タイミングや声かけ、アプローチ等を工夫すると、
10回に1回・・
いや30回に1回かもですが・・
「うまくいく事」があります。
普段はうまくいかない、
うがい後の吐き出し・・
朝食後のトイレでの排便・・
声かけに対する適切な反応や言葉・・
その他のあれこれ・・
専門職として工夫や努力をしている成果・・
というより、ご本人の能力、心の動きがあっての事ですが、
「相手と自分の気持ちが通じる瞬間」という貴重な場面を体験・体感できる事が時々あります。
「あ! 届いた」
「心は生きているんだ」
「能力が発揮できた」
「まだまだいける★」
この瞬間瞬間の引き出しを粘り強く続けるのが、僕等の仕事ですし、
この瞬間瞬間の「やった!」を自分の中のエネルギーや、成功体験、モチベーションに繋げ、
本人に還す事がとても大切だったりします。
自分にとっても、相手にとっても、
互いに「うまくいった」という場面を目指して、試行錯誤し続けていきたいものです。
それが、僕等の仕事の醍醐味の一つだと思うのです。
僕等は「もうだめだな・・」と、他人の人生を諦めない・諦めさせない事に意義がある仕事です。
そのための「好循環の機会」を自分自身で見つけていく事を大切にしていきたいですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
有する能力の発揮
これ ↑↑ 何だか分かりますか? 笑
介護施設ならではのものです。
形状は色々ありますが、通常何万~十数万円するもので、うちくらいの規模の施設だと無い所も多いと思います。
スタッフの宮松さんが「材料費2千何百円」の予算と、休日の時間を使って作成してくれたものです☆
答えは・・
ジャジャじゃーン!! 「車椅子の体重計」です~♪
なかなかステキな仕上がりですよ。
体重の変化を把握する事は、健康管理の面で介大切な仕事の一つです。
今までは普通の体重計で、無理やり計測していました。
スタッフがお年寄りをかかえたまま計測し、自分の体重を引き算して算出していたのです。笑
これからは、職員にも利用者にもやさしい体重測定ができそうです♪
いや~
いい仕事をして頂き、嬉しい限りです。
外部の方々にも、材料費と人件費併せて、1万円で発売したいと思います~
というのは「ウソ」ですが(笑)
写真を見て、研究してみて下さいませ。
それか、宮松まで連絡頂ければ、説明させていただきます~。
(本人の了解をとっていませんが、大丈夫だと思います)
職員も「有する能力」が発揮できると素敵ですね☆
ありがたい ありがたい
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
生きる姿の共通項
小規模多機能、グループホーム、デイサービスの利用者、入居者さんの写真です。
どの写真の方が小規模やデイの利用者さん、グループホームの入居者さんか区別できますか? 笑
皆さん要介護、認知症という状態にある方々です。
介護保険上の事業所種別の違いはあれど、「有する能力に応じて・・」という介護保険の基本理念に基づいた仕事・応援をすると、
皆同じ姿に近くなると思うのです。
人が生きる姿の共通項ですね。
私たちは〇〇事業だから・・と 生きる姿の枠を、事業所の判断や裁量で固定的にしてしまうのではなく、
目の前の方々が、どのように自分の力を発揮しながら、自分達の生活を組み立てられるか・・
という事を応援できる仕事ができるといいですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
最近のニュースから
ここ1,2日で目にしたニュースから感じた事があります。
●介護福祉士養成校の定員5割切る
2016年度の入学者の割合が46%だった
●介護福祉士 出願者半減
29日に行われた受験申込者数が前年度の半分の約7万9千人に激減
「実務者研修」の義務付けが影響
●介護職者数不足
現時点での介護職者数は176.5万人
2025年には37.7万人不足するといわれている
●2016年の介護サービス事業者の倒産件数108件で最多
報酬が引き下げられ、人手不足の深刻さが主な要因だとか・・
前年は76件だった
世の中の景気や雇用環境が改善すると、他へ人が流れ人手不足に陥る傾向
それぞれバラバラに見たニュースですが、どのニュースも繋がっていきますよね・・
こんなニュースばかりで、この業界の先はどうなるのか不安になりますが、
待っていては何も改善していきそうにないですよね。
これに対する対策の一つとしてのニュース
●4月~介護職の月給を1万円相当増やす
現行の処遇改善加算を拡充
本来は2018年4月からだが、政府のニッポン1億総活躍プランに基づく臨時措置
本来は2月末に、4月からの加算書類を提出する流れですが、今回の提出期限は4月以降になる見込み
(各関係機関へ要確認のこと)
とありますが、これだけでは好転する材料にはなりませんよね。
だったら、介護関係者も市民国民も、まずは現状を「知る」事
どうしたらいいのか「考える」事
できる事から「始める」「行動する」事
そして、皆が「繋がっていく」事
未来へ繋がる道は、自分達で、目の前の事から意識して取りかかりたいものですね。
これを機に、皆で考えていきませんか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
★地域交流会★
今月の地域交流会はこんなものを作りました☆
(月に1回、地域の方、利用者入居者、ご家族等が集まり、何か催しを行っています)
ただの白玉ではなく、豆腐も練り込んであるヘルシーな一品です♪
団子作りは皆さん手馴れたものですね。
難点は、ビニール手袋をしたままの団子は作りにくい・・・
「煮るからいいのよ!」という事で、途中から素手で、ちゃっちゃか作られていました。
そして、おいしいおやつを皆で頂きました☆
もう一つの難点は、何個食べたか皆覚えられないので、
「あの人の方が多い!」
「私まだもらっていない!」
食べ物の争奪戦の調整は大変です~(汗)(笑)
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
自宅情報
クラブ滝子は自宅の暮らしを支える事業所ですので、毎日車で自宅への送り迎えがあります。
事業所近くに自宅がある方は、運転できない職員でもご自宅に訪問して、「家の中」「暮らしの様子」を垣間見る事ができます。
家が遠い方は車が必要なので、免許がない職員はなかなかご自宅へ行く機会がないのが現状です。
しかし、自宅を支える事業所の職員としては、やはり自宅の事も知っていてほしいですよね。
という訳で、免許がない職員が夜勤明けでしたが、付き添いとして行ってもらいました。
今回は、若手の高嶌さんが自宅突撃~☆
利用者さんと車中待機もあるので、全員の家の中までは行けない場合もありますが、
小規模の職員は、免許のあるなしに関わらず「自宅」のイメージ、支援ができるようにしたいと思います~。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
中マネ (事業所の中にケアマネがいる事の略)
小規模多機能クラブ・滝子で、朝お迎えに行くと、起きれず・・
他の方の送迎もあるので、後で再度お迎えに行くことに。
再度お迎えに行き、なんとか起床して頂きクラブへ来て頂くも、いつもよりよろよろ。
バイタルを測ると37度後半
咳は時折コンコンと。
風邪っぽいですですね。
日中フォローしながら様子をみましたが、夕方の帰りの時刻が近づいても、あまり良くなっていません。
97歳 独居 体調不良 明日も朝から利用予定 となると・・・
「今日泊まっていきますか?」
という事で通いサービスに加え、宿泊サービスの緊急利用となりました。
この臨機応変な対応で、通いや訪問の増減、変更、時間の延長短縮に加え、
宿泊の調整も行えるのが、小規模多機能の強みの一つです☆
調整役のケアマネージャーが小規模の「中」に配置されていますので、臨機応変に変更対応ができるのです♪
必用な事でできる事は何でも頑張りますよ~
*定員や部屋の空き、職員配置の関係により、できない事もあります
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「さすが」
巨大なホームセンターで、探し物がなかなか発見できない事があります。
先日も困ったあげく、店員に聞きました。
すると・・
「30番の奥の列においてございます」
この道のプロだなぁ~と感心しました。
陳列物の把握以外にも色々な作業ができたり、技術をお持ちだと思いますが、
なんにせよ、困っている相手に(今回は自分)「へぇ~」「さすが~」と思わせる事ができるのもプロですよね。
私たちの「プロ」さは、いったいどこで発揮されるべきでしょうか。
おむつ交換がすばやくできる事?
入浴介助がスムーズにできる事?
食事介助が何人も同時にできる事?
もちろん介護技術もプロの一部です。
でも、困っている家族や、不安に思っている地域住民に
「へぇ~」「さすが~」
と思って頂ける、「関わり方」や「応援の方法」は、
介護技術以上に自分の「介護倫理観」や「思い」「モチベーション」「センス」「努力」が必要なのでは?と思ったりします。
周りの方々に「さすが~」と思って頂ける場面をどう作り出せるか・・
それは障害や認知症があっても、「人として生きる姿」を応援できている場面だと思うのです。
そうなると、本人も家族も国民も、お金を払う意味がでてきます。
そのために、そのお金を給料としてもらう「プロ」としての立ち振る舞いや技を磨く必があるのだと思います。
「どうしたらできるようになる?」
「どうしたら、同じ失敗をしないか?」
「どうしたら・・」
と、向上できるように「自問自答」しながら、「人が生きる」を応援できるプロであり続けたいですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
プロ意識を持ち続けられるように、仕事の中での達成感や仕事の楽しさが必要だと思います。
ささいな事ですが例えば・・
普段食後の歯磨き後に、うがいをしても飲み込む方が、「ぐちゅぐちゅ ぺっ」できて「やった!」とか・・
歩けるし、いつも歩いている利用者が、車いすに慣れてしまい、「なんでやねん!」「歩いて下さいよ!」と笑える事があったり・・
色々プラスのエネルギーを維持できたり、作り出したりできる視点もプロには必要だと思ってたりしています。
余談ですが、ブログ更新に使用しているパソコンが故障してしまい、修理に出ます。
しばし、2日に1回のブログ更新がままならない時があると思います。
心配?しないで、気長にアクセス、お付き合い頂ければ幸いです。
次の更新は、22日(日)夕方の予定です。
よろしくお願い致します。