「主体性」を導きだすアプローチ⑧
(待つ事を大切に)
主体性を尊重すると時間がかかるようになります。
私達のようにさっと判断し、さっと体を動かせたのは過去の状態です。
今は、脳や体に障害をかかえ、正しい判断ができなかったり、気持ちが動かなかったり、体の動きも悪くなって私達専門職の力を必要としている状態なのです。
動き出しや動きが遅い、判断が遅いは当然の事で、時間がかかるようになります。
予定通りやるべきケアを、やりたい時にできるという「職員主導」とは異なるという事を理解しなければなりません。
「判断」「決定」「行動」は時間がかかってあたりまえ。
忙しい仕事ですが、相手に「時間を渡す」「待つ」覚悟が必要となります。
これとても大切です!
そしてその事をチーム全体で共有し、遅れていく業務や残ってしまった介助等を、残りのスタッフが「引き継いでいく」という連携が大切になります。
そうでなければ主体性を尊重し、相手の行動を待った結果遅くなり、残った仕事をこなすまでは「帰れない」「帰りにくい」ことになります。
サービス残業が増えたり、仕事上がりが遅くなるというのは誰だって嫌なものです。
それが嫌だから「自分がさっさと動く」という流れになる事自体が「主体性」を奪ってしまう事の原因のひとつだと思うのです。
「主体性を尊重する」=「時間がずれる・仕事が残る」=「残りのスタッフが引き受ける」
という流れを皆でシェアしていきたいものですね。
そのために大切なことは・・・
残りのスタッフさんの方から「後がまかして。上がってくださいね。お疲れ様!」と気持ちよく声をかけてあげる事です。
これを言ってもらえるだけで、8時間戦ってきた職員さんは、スムーズに定時で上がれる事になりますので。
今一度、チーム内で話し合ってみませんか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
8日は名古屋駅のウインク愛知にて「介護の日」認知症フォーラムが開催されました。
そのプログラムの中で、僭越ながら「小規模多機能の魅力」を発表させて頂きました。
(一番後ろ右側はウチの職員です)
胃が痛くなるほど、緊張~~でしたが、結果はどうだったか・・笑
介護を語り広げていくのは使命だと思ってますので、呼んで頂ければどこにでも飛んでいきますよ☆
素敵な先生達による講演の後には、お決まり懇親会です☆
愛知・岐阜・三重の素敵な業界の仲間達と、有意義な時間を過ごさせて頂き感謝です。
夜勤の挑み
深夜1時半
用事があって3階の事務所に向かうと、長い廊下の突き当たりには・・
小規模スタッフの宮松さんの姿が。
それも書類作成用の机を、わざわざ廊下突き当たりに移動して番をしていました。
滝子の廊下は長く、各居室や宿泊室はこの廊下に面しています。
夜間の利用者や入居者は、部屋の中で寝ているので、部屋の中の様子が分かりずらくなっています。
1時間ごとの巡視でも、不安があるのが夜勤の辛いところです。
居室内の様子を察知するために「音」に敏感になることが必要です。
加えて、廊下に出てこられたらすぐざま付き添う等のフォローも必要な方がみえます。
そのようなことに対応するための、宮松さんの夜勤中の布陣なのでしょう。
記録等を行いながら、緊張感をもちながらドンと廊下に睨みをきかせる姿勢・・
自分の事業所のスタッフとはいえ、素晴らしい姿勢だと感銘を受けました。
これは、「利用者の夜間帯の安心安全を守る!」という強い意志の表れですね。
人は慣れの中で、特に1人しかいない夜間帯の時間についつい気の緩みがでるというもの。
自分も廊下注意を払いながらとはいえ、今このブログを事務所の畳の上に寝転びながら打っている始末ですから(汗)
歳を重ね、体力的には厳しくなっているにも関わらず、夜勤の仕事に徹する姿は素晴らしいものがあると思います。
夜勤をやるスタッフさんの間で一度夜勤中の布陣を確認しつつ、今回のいい刺激を紹介せねばと思った夜勤中の出来事でした。
次に1階にも足を運ぶと・・
侵入者(井)を知らせるセンサーの音に、間髪入れずに確認動作に入ったのは山本君でした。
ガツガツ記録をつけながら、「この後はリビングの清掃です」と。
若いスタッフも、年配のスタッフも、「人の命を支えている」という、夜勤中の挑みの姿はなかなか頼もしいものです。
今後も夜勤のたび、あちこちのフロアを巡回してみよっと。
と、滝子の他スタッフにプレッシャーを与えてみました(笑)
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「見られ方」を変える
ある入居者さんが歩くと、後姿を見て「今日は濡れてないね」と他の入居者さんからチェックが入ります。
その入居者さんはいつも「失禁」していて、ズボンが濡れている「イメージ」がついてしまっているのでしょう。
それも「記憶障害」があるはずの認知症の方々の記憶に残る程、過去に繰り返しそのような事実があったという事です。
その言葉を耳にするたびに、
ご本人さんに「申し訳ない」
という気持ちでいっぱいになります。
脳が壊れれば、「とんちんかん」な行動が出るのは当然の事です。
それを「補い」、他者から「おかしな人」にみられないように立ち振る舞いするのも私達の仕事です。
「とんちんかんな事をする人」を
「とんちんかんな事をする人のまま」では仕事ができていないという事になります。
「とんちんかんな事をする人」を
介護職がくっつく事で「普通の人の姿」に近づけるのが仕事です。
なるべく他者から、後ろ指を指されないようにする仕事です。
施設内においても、地域に出ている時にもです。
それを目指すために、個々の行動様式を学び、予測力を働かせ、おかしな事になる前に先まわりして段取りしたり、おかしな事が起こったら、他者の注意を職員が引いたり、話題を転換したりなど、手をうっていく必要があります。
職員の立ち回り次第で、目の前の認知症という状態にある方々の生きる姿が変わります。
変わるはずです。
他者からの見られ方を意識した立ち回りを心がけたいものですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
●お知らせです。
「和田行男が出演する番組」が、本日(11月6日)から放送が始まります。
全十回シリーズで、同じものが二回放送されます。
●番組名
「楽ラクワンポイント介護 認知症編」
*下記の一回目と二回目は同じ内容です。
Eテレ
■一回目放送時間
21時55分から5分の番組
■一回目放送日
毎週金曜日
11月06日13日20日27日
12月04日11日18日25日
あと二回ありますが放送日は未定
◎二回目放送時間
15時25分から5分の番組
◎二回目放送日
一回目金曜日から四日遅れの火曜日
11月10日17日24日
12月01日08日15日22日29日あと二回は未定
よかったら見て下さいね。
流れ
月末月初の数日間の間に、救急車が2回来ました。
急変により、心臓マサージをしながら。
転倒により、頭部止血をしながら。
「とんちんかん道中生活支援物語」
といった、慢性的な流れが主流の介護施設のはずが、
さながら「救急救命24時」
のような、劇的な動きのある今日この頃。
良くも悪くも「流れ」というものがあるのが世の常。
今の滝子には、激動の流れが押し寄せています。
しかしバタバタして浮き足立ってしまっては、良くない流れを招いてしまうというもの。
「大丈夫」
「大丈夫」
「なんとかなる」
「なんとかする」
どーんと構えてやり過ごしたいものです。
こんな時に大事なのは、
「平常心」
それに加え、専門職としての対処法としては・・
危険回避のための「予測力」を働かせる。
緊急事態発生時に備えた「対応力」を磨く。
そして、チームの力を結集するしかないですね☆
利用者・入居者の暮らしのために、今月を乗り切っていきたいと思います。
滝子の職員さん。
一致団結で切り開いていきましょう!!
そして、一緒に時代を切り開く「仲間」募集中!!!
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
日々、変わらない暮らしを続けている入居者さん達。
「普通」って大切ですね☆
暖かい街
昨日、道路にたたずむ女性の姿がありました。
「誰かを待っているのかな?」
最初はそう思いましたが、その視線の先には・・・
グループホームの入居者さんの姿が。
(200m程先で、見えにくいですが)
近所のタバコ屋さんが、タバコを一人で購入しに来た入居者さんが無事に帰れるか見届けてくれていたのでした。
この様子には感動しました。
そういえば、以前にもこんな光景が・・
(入居者の1人歩きに、寄り添う地域住民 それも小走りで)
多くの要介護者が、地域に出まくる介護施設「滝子通一丁目福祉施設」に対して、
「あぶない」
「やめて」
「何やっているの?」
という話になってもおかしくないと思うのです。
ところが、多くの地域住民は協力的であります。
それは直接コミュニケーションによっても感じるところですし、写真のように気づかない場面で、利用者・入居者を見守ってくれている事からもそう感じるのです。
本当に暖かい地域です。
今後も
「見える介護」
「見せる介護」
を通じて
「地域の中で生きる要介護者の姿」
を支えていくとともに
「地域のために活動できる施設」
「地域に還せる施設」
を心がけ・目指していきたいと思います
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
時々「主体性」のスイッチが入るM氏
それも素晴らしい勢いで。(笑)
クラブの端から端まで拭いてまわられました。
その場合、転倒に備えてずっとストーカーしながらですが、とことん「主体性」を発揮して頂きます。
「自分がやれる事をやる姿」って素敵ですね。
「主体性」を導きだすアプローチ⑦
( 言葉を選んで )
職員が何らかの作業・行動を利用者さんに促す時に、ついつい「○○手伝って頂けますか?」と声をかけがちです。
「イヤ!」
「何でそんな事しなきゃいけないの?」
「あなたがやってよ」
等々の 反応が怖い とそのような声かけになってしまうのかも知れません。
しかしこれでは「頼む側」「頼まれた側」になってしまい、主体性があるとは言いがたくなってしまうと思いませんか?
確かに「○○しませんか?」と相手の決定権を尊重した声かけは大切です。
しかしこの声かけで問題なのは「手伝う」という言葉です。
誰の手伝いか? と考えると「職員の手伝い」という事になってしまいます。
職員がやるべき「ご飯を作る・片付ける手伝い」
職員がやるべき「洗濯を干す・取り込む・たたむ手伝い」
職員がやるべき「掃除をする手伝い」
職員がやるべき「買い物に行く手伝い」等々の感覚に相手はなってしまうのではないかと思うのです。
そういった意味で「誰の手伝いか?」を考えると、「職員の手伝い」となってしまいます。
これでは「主体的な生活」「自立した生活」ではなく、「職員の手伝いをして生かされている・生きている生活」といた感覚になってしまうのかもしれません。
基本に立ち返り「誰のための生活行為」を考えると、「自分の力を使って自分が生きていく」ための生活行為であります。
ただそれが、認知症や要介護状態で、できなくなっているとすれば、「利用者が利用者の力を使ってできるように手伝う」のが職員の仕事となります。
その場合の声かけを考えると、「○○やりませんか?手伝いますよ」「○○しましょうか?手伝いますよ」と手伝うという言葉の位置が逆(後)になる、もしくはつけなくてもいいのではと思います。
「手伝う」を付ける付けないで難しいのは、「共同作業」の部分ですね。
「他人の服をたたむ」とか、「自分が使っていない食器を拭く」とか、「自分の分が入っているといっても自分以外の大多数の人のおかずを作る」場合なのどは、「手伝って」のフレーズが入って当然だと思いますので、そこは使い分ける必要があると思います。
しかしそれも、主体的にやる事の流れや空気感が出て当たり前になってくると、つけなくてもいい場面、つけなくてもいい人が出てきますので、「人」「場面」によって言葉を選ぶ・使い分ける必要が出てきます。
「主体性」とは職員の働きかけや、仕掛けや、立ち居地や、声かけを総動員し、それをチーム全体でアプローチして、少しずつ引き出されていくものではないでしょうか。
「応援する」という思い・姿勢を忘れずに。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
でも、実際作業が多すぎ!
これは「一緒にやりませんか?」ですね。笑
仲間を思い合う
先日、新しく完成した本社にて勉強会が行われました。
今回の講師は「和田行男」です。
お題は、
「尊厳が保持されている」と胸を張れることを書き出す
というものでした。
介護保険の基本方針にある「尊厳の保持」に絡めた、シンプルにして奥が深い、究極のテーマのひとつですね。
要介護者本人の視点からみると、実際は尊厳の保持があまりできていないこの介護業界。
当然「波の女」においても、できていない事は多くあります。
この仕事の特性・仕組みとして、尊厳の保持を100%保障する事は実際できないというのが事実です。
しかしそこで大切なことは、そこに向かって意識し・努力し続ける個人や組織であり続けれるか?
という事だと思うのです。
「尊厳」:とうとくおごそかなこと。 気高く犯しがたいこと。
尊い:高い価値を持っていて容易に近づけない
厳か:改まった態度で、近寄りにくい
つまり、「他人が踏み込んではいけない心や体の神聖な領域」というようなものでしょうか。
「尊厳の保持」に向かって、考え、悩み、取り組み続けたいものです。
と、まじめな話はここまで。
勉強会の後には食事会へ移行し、あれやこれやと有意義な時間を過ごしました。
そして途中で「サプライズ」?笑
少し前に自分の誕生日があったので、そこに絡めて・・
(ちなみにロウソクの「45」は購入者の間違いです 笑)
本当に素敵な仲間達ですね☆。
この連中となら、もっと高みを目指していけるハズです。
ありがとうございます。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ちなみに、全職員から還暦を迎えた和田さんへの贈り物は・・
子供の部分を併せ持つ?
子供のまま大人になった? 笑
和田さんにはぴったりと思える、「おもちゃ」です。
「一件落着」
「とんちんかん」の程度が大きい利用者さんと、「しっかり気味?」の利用者さんとの間でよくトラブルがおきます。
先日の事です。
「何やってるの!」の声がする方を向くと、椅子に座っている利用者さんの膝の上に、とんちんかん度合いの高い利用者さんが座ろうとしていたのです。
当然仲裁に入り、椅子の方へ案内し、もとの場所に座って頂くのですが、それで一件落着とはなりません。
一件落着とは「懸案 の事項や課題が解決すること」であり、形だけ整えたり、引き離すだけでは「おもしろくない感情」が残っている訳で、その感情までひっくるめて解決する事が必要だと思うのです。
しっかり気味の利用者さんはその事をしばらく引きずり、機嫌が悪くなってしまいがちです。
そんな流れの後、皆さんでしたらどうしますか?
予測力を活かし先回りを心がけていても、一瞬で突発的に「事」が起きてしまいます。
現場にいて感じるのは、「事」が起こった後の「後始末」をしっかりしない場面をよく見かけます。
「よくある事」「防げない事」
として、慣れの中でスルーしないようにしたいものです。
他者との関係性を築く力も、衰えていきがちな認知症という状態にある方々。
それを分かっている事が大切ですし、分かった上でそこを「補う」という視点や行動が大切なのだと思うのです。
先ほどの質問の回答一例です・・
自分が座られそうになっていた方の膝の上に、「座るフリ」「少し座ってみる」をしてみました。
そして「いい感触ですね!」
とボケてみたのです。
その一言で負の感情は逆転し、笑いが起こり一件落着となりました。
「事」が起こり、その場を整えたようにみえても、「負の感情」が残っている場合、その収拾の方法の一つに、「笑い」「心地よさ」というたぐいの感情を上に乗っけるという手があります。
「負の感情が残ったまま放置しておかない」という事です。
注視されているとんちんかん度の高い方から、自分の方に「矛先をどう向けるか」という視点やアプローチも大切です。
「事」が起こると、その場には「負の感情」が飛び交います。
そのまま手立てを行わず、ほかっておけば、その感情が積み重なり、より関係性が崩れていきます。
「人と人を繋いでいく」のも私達の仕事です。
「能力に応じて」手立てを打つのが私達の役目なのですから。
色々工夫して、場にあった対応力を向上してみませんか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
本日はリーダー研修の担当講義を行う日でした。
与えられた講義の目的は果たせたのでしょうか!?
「一件落着」とはいえませんが、
自分の気持ち的には「一件終了」で次に進めそうです。笑
素敵な受講生の方々と、有意義な時間を過ごせて良かったです♪
素敵な☆グループワークの資料もたくさんできました。
民生委員さん
本日の6時15分くらいの、尾張地区の朝日です。
空気が入れ替わり、風が強く冷たくなった今日の朝です。
さて、本日の朝の小規模多機能 クラブ滝子の利用者さんのお宅に訪問している時に+お迎え時に「ピンポン」と誰か来訪された方がありました。
「民生委員です~ 様子を見に来ました」とのこと。
地域の身近な相談相手である民生委員さん。
皆さんご存知ですか?
みなさんの地区にも担当される方がいらっしゃります。
入居型の介護施設で働いていると、あまり接点はないかも知れませんが、在宅系の介護サービスさんだと、利用者の自宅地域の担当者との接点がある事があるかも知れませんね。
ちなみに「民生委員」は、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員さんの事です。
社会福祉の増進のために、地域住民の立場から生活や福祉全般に関する相談・援助活動を行っており、創設90年以上の歴史を持つ制度です。
また、全ての民生委員は児童福祉法によって「児童委員」も兼ねており、妊娠中の心配ごとや子育ての不安に関する様々な相談に応じたり、支援をしています。
核家族化が進み、地域社会のつながりが薄くなっている今日、子育てや介護の悩みを抱える人や、障害のある方・高齢者などが孤立し、必要な支援を受けられないケースがあります。
そこで、民生委員・児童委員が地域住民の身近な相談相手となり、支援を必要とする住民と行政や専門機関をつなぐパイプ役を務めます。
とあります。
繋がりを持っておくと、色々役にたったり安心できたりする事もあります。
愚痴だって聞いてくれますので、苦しい時は気持ちのレスパイトになったりします。
地区の担当が分からない時は、区長、町長等の地区の代表者さんに聞くか、役所でも教えてもらえます。
一度チェックを!
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
バランス力が衰えてきている利用者さんが、床のゴミを拾おうとされました。
能力の見極めをしながら、必要に応じて手助けしようと構えていると・・・
頭を壁にくっつけ、バランスをとられていました。
お見事!
「主体性」を導きだすアプローチ⑥
- できないフリ
利用者からみると、色々な生活行為を判断力や行動力のある職員が「やってよ」「やるべきでしょ」となるのは当然です。
そこを無理強いして「やらせて」しまうのは、自立支援でも主体性を導き出すでもなく、状況によっては虐待ぽっくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
さて、よく起こりがちなこの構図をどのように突破するといいのでしょうか。
例えばですが、あえて「知らないフリ」「できないフリ」「とぼけてみる」といった言動を示してみてはどうでしょうか。
それを食事作りの場面で活用すると、「これどうやってやるのですか?」「こうですか?」と言いながら、わざと下手な切り方をしてみると、利用者は見かねて「貸して。こうやるのよ」と立ち居地が逆転します。
そしてそれを継続的にする事で「役に立てる自分」「やれる自分」の体感が繰り返され、その先にやるのが当たり前となり、「主体性」に繋がっていくのではと思うのです。
「利用者の世話をする職員」の構図から「職員の世話をする利用者」への転換ですね。
「できないフリ」「知らないフリ」を演じる事により、職員の立ち居地、存在感を、利用者と同等か下になるように振舞って、利用者の能力を引っ張り出してみてはいかがでしょうか。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ちなみに本日は、私の○○回目の誕生日です。
これに関しては「知らないフリ」をする必要はありませんよ(笑)