勝手な思い込み
クラブ滝子の久綱です。
「有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにする」
と言葉にするのは簡単ですが、
実際にやろうとすると、とても難しいと思います。
コミュニケーション(共有)が図りづらくなってきている、
利用者のAさんの入浴支援時は毎回「やった!」と
「間違えたな」があり、勉強になります。
入浴中は夏でも「寒い寒い」と連呼されるAさん。
もちろん冬場は浴暖をつけても「寒い寒い」とおっしゃられます。
なので、浴槽から出られるとすぐに服を着てもらった方が
良いと思っているのと、ご自分ではバスタオルで身体を
きちんと拭くことができないだろうという
勝手な思い込みをしていたため、
私が身体を拭くことを代行していました。
しかし、先日は椅子にかけてあるバスタオルを
ご自分から取られ、とても丁寧に身体を拭かれました。
そして、いつも「寒い寒い」とおっしゃられるはずが、
その日はおっしゃられませんでした。
なぜ、ご自分からバスタオルを取られたのか、
「寒い寒い」とおっしゃられなかったのか、
とても考えさせられました。
それと同時にバスタオルを認識する能力、
身体を拭く能力があるのに、その能力を
奪おうとしていた自分の専門職としての反省点に気づきました。
もともと出来ていたことが認知症の影響によって
出来ないこともあれば、声かけや視覚への働きかけなど
いろいろ工夫をすることによって、出来ることもあります。
勝手に出来ないと思い込んでいないか?
と反省し、専門職としての仕事ができるように
していきたいと改めて感じた入浴支援でした。
小規模多機能クラブ滝子 久綱
☆新年度☆
コロナウィルス関係で、物々しい雰囲気の中、
新年度がスタートしましたね☆
介護施設の利用者さんにとっては、
買物等の活動を一時的に自粛していますので、
ちょっと閉鎖的になりがちなこの頃ですが、
行ける方は、散歩や車での花見など、
出来る範囲で活動を続けています。
どこの施設も行われていますが、
滝子でも、季節感を感じてもらえるようにと、
壁飾りや桜の枝を正規ルートで入手して、
施設内においても雰囲気を出しています。
季節は確実に進んでいますが、
コロナウィルスが収束し、体感的な
暮らしにおいても活動的な「春」が
訪れるのを待っています~♪
新しい年度のスタートという事で、
一緒に働いてくれるスタッフも、
大募集中です!!
待っていますよ~
仲間になって頂ける方、
お気軽に相談、見学、お問合せ下さいませ。
担当 井(い) 施設携帯 070-6410-8388
研修で得た事
今回投稿しますのは、グループホーム勤務古賀俊樹です。
今年の1月から「認知症介護実践者研修」を受けています。
1月中旬から2月中旬まで座学と演習、
その後3月24日まで施設での実習でした。
施設内実習のテーマは「入浴が出来る機会を増やすこと!」
を目標に試行錯誤取り組みました。
先月、投稿しましたmさんのその後です。
他の入居者様と比べて、入浴の機会が少ない方です。
mさんは、どのタイミングで入浴出来るのか?
1ケ月の実習に向けて、今回のテーマを職員さんに報告し、
協力依頼と情報収集をしました。
他職員さんから成功体験や
「このタイミングで入浴が出来ましたよ!」
と情報を頂きました。
私自身、入浴支援がいまくいかない時もあるので、ありがたいです。
「お風呂ですよ」と口頭で伝えてもなかなか入浴が難しい方です。
いろんな情報を基に、私なりに上手くいったのは、
調理作りや他の入居者様と掃除を行ったタイミングで、
その流れで脱衣室まで誘導行い、浴槽を見て頂き、
湯が沸いていること伝えると、洋服を脱がれ、入浴できた事です。
そのことも嬉しかったのですが、一番嬉しかったのが
20時頃リビングに来られ、お茶を飲まれながら雑談をしていた時の事です。
その時は調理レシピの本を見ていましたが、
「これ、おいしそうだね」とにこやかな表情されるなど、
いい雰囲気がありました。
その流れで21時頃、「今日、寒いね」とお風呂場の方を眺めながら、
お風呂の湯を溜め、入浴の声掛けを行ってみました。
湯が溜まって10分後、脱衣室まで誘導させて頂き、
湯が湧いていること伝えました。
「昨日お風呂入った」と渋い表情されるmさん。
他に何かないのか・・・
次に頭の中で思いついたのが
「新しい着替えもあるのでよかったらどうぞ」と伝えると・・・
「あんたが言うなら入るわ」と入浴して頂けたのです。
気持ち良さそうに入浴され、「ありがとう」と言って頂きました。
嬉しかったです。
入浴後はしばらくお茶をのまれながら、リビングで
にこやかに過ごされ、その後は居室で休まれ、
お風呂が気持ちよかったのか朝までぐっすり休まれていました。
mさんについて、1ケ月間施設での実習、
「入浴の機会を増やすこと!」を目標に行いましが、
いろんなアプローチの仕方や入浴のタイミングなど、
学ぶことが多く勉強になった1ケ月でした。
4月からグループホームの計画作成担当者を行う予定ですが、
今回の経験を大事に、何事にも一生懸命取り組んで励んでいきたいとおもっています。
今回の研修で、mさんのご家族の皆様や職員に協力して頂き、
ありがとうございました。
グループホーム職員 古賀 俊樹
可能性
今月から新しい利用者さんがクラブ滝子
(小規模多機能)に登録されました。
60台前半なのですが、認知症(アルツハイマー病)を
発症され、要介護の認定がおりた方です。
確かに短期記憶障害はありますが、
言われなければ分からないですし、
なにより体はお元気な、若々しい方です。
ご自身のペースで歩いてクラブへ毎朝来られて、
健康チェックや必要な支援を行い、
帰られる時もありますし、
だいぶ年上のお姉さま方(他利用者さん達)と
交流され、昼食を食べて帰っていかれる時もあります。
「有する能力」を引き出し、やれる事をやって頂くのは
この方にとっても大切な事でありまますが、
能力が結構ありまして、生活行為中心の
(買物、調理、洗濯、掃除等)
今までの支援だけでは、足りないかな?
という事で、普段は職員が中心でやっている、
居室内の清掃をお願いしたところ・・
(有する能力がある方がみえれば、
ご自身の部屋の掃除はやって頂きますが)
ベッドやイスを移動させ、その下や縁を徹底的に
行われています。
30分ほどかけ、室内の床だけでなく、
窓のサッシや外のベランダの方まで一人で
掃除されていました。
こちらの予測以上の活躍には、
驚きと、喜び(施設がきれいになるという職員都合です)
でいっぱいです。笑
であればという事で、施設の外回りの整備も
行って頂きましたが・・
見事な力仕事と、仕上がり具合には脱帽です☆
誰だってありますが、可能性を模索するのは
楽しい仕事ですね。
さぁて、次は一緒に何をしようかな♪
いろいろと楽しみが増えてきたこの頃です。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ドライブ日和☆
朝から天気の良かった先日。
「こんな天気に閉じこもっているのはもったいない!」
という事で、外出をする事にしました。
とはいいましても、このご時世。。。
外食や人込みに出かけるのはご法度です。
ならば・・という事で、
ウィルスのない場所へ行く事にしました。
その場所は・・・定番の「海」
という事で、高速を走り、50㎞先の海岸を目指しました。
到着後、海岸に座り、施設より持参のコーヒーを飲み、
海風に吹かれ、お日様を浴びてきました。
みなさん、いい気晴らしになったようで、
「また来たい!」「来ようね!」と話されていました。
こんな環境の中でも、閉じこもらないよう、
工夫していきたいと思います☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
レシピ本
こんにちは。
小規模多機能 久綱です。
献立決めの時に、利用者さんたちが食べたい物を
選んでいただくためにレシピ本を使っています。
皆さん普段はおかずを選ばれますが、
デザートが書かれているところを開かれ、
職員に「これ何?美味しそうだね。」
と、杏仁豆腐を指しながらおっしゃる方がいました。
その時に感じた事が2つあります。
1つ目は、おかずを決める事に意識がいき、
デザートを選んでいただく意識がなかったこと。
2つ目は、知らない食べ物でも食べたい!
と思うことがあること。
1つ目については、普段果物はあったとしても
デザートがメニューに入っていることが稀であるため、
私自身にデザートを選んでいただくという意識がありませんでした。
普段からやっていないことは意識がいかないという
自分の弱点が現われた事例だと思い、成長のチャンスです。
2つ目については、食べ慣れていないものでも
食べたいと思っていただけることを知れたので、
いろいろと食べたいものを引き出していきたいです。
さっそく材料を買いに行くためにスーパーへ行きましたが、
杏仁豆腐を作るために必要な物で手に入らない物があり、
手作りは断念しました。
物は違いますが、見た目が似ているフルーチェを購入し、
利用者さんたちで作っていただきました。
反省点としては、忘れてしまうかもしれないのですが、
「その時の思い」も大切にするために、
出来上がった杏仁豆腐も購入しておくと良かったと反省しました。
次の買い物の機会には、「その時の思い」と「その場の事」も
織りなしながら、アプローチしてみようと思います。
小規模多機能クラブ滝子 久綱
「お散歩」されど「お散歩」
コロナウィルス感染予防のために、
利用者、入居者による買物等の外出を控えていますが、
だからといって閉じこもっていてばかりはねぇ・・
という事で、ご近所散策を行っているこの頃です。
「波の女」は、グループホーム、小規模多機能、
デイサービス、薬局の事業を行っておりますが、
介護保険の理念に基づき、「有する能力に応じる」
「生活支援」をどんな状況であっても、実行できる
ように努めております。
と、聞こえのいい事書きましたが、
まだまだできていなかったりしている事も
多いのも事実ですが。。。汗
が、方向性と姿勢は持ち続けていきたいです☆
できる事を奪われ、閉じ込もった環境は
「生活」と呼べないと思います。
生活、暮らし、ができるように「応援」していくのが
仕事ですので、こんな情勢下においても、
「閉じこもる」という選択肢はありません。
感染リスクを考慮しながらも、社会と繋がって生きる姿の
ひとつの姿が、「散歩」だと考えています。
もちろん、散歩を通じて、体と心の状態を維持する
事は、ストレス軽減、免疫力アップに通じるところ
ですので、感染予防をしているという側面もあります。
街の中には宝物がたくさん☆
早く収束に向かってほしいところですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
夜勤明けの楽しみ☆
クラブ滝子の久綱です。
最近、夜勤明けのシフトが楽しく、
ワクワクして勤務に入っています。
何がそんなに楽しいのか?
それは、どのような朝の組み立てをしようかと1人で考え、
実行することができることです。
(もちろん利用者さんの体調などによって、予定変更することはあります)
例えば「美味しいコーヒーが飲みたいね」という声があれば、
差し入れでいただいた某コーヒーショップのコーヒーを淹れて
皆で召しあがったりします。
個人的には熟した果物と牛乳がある時には、
フルーツジュースを作っていただくのが好きです。
理由は、皆で果物を切ったりするなど、
コーヒーを淹れるよりも皆で楽しめることが多いからです。
このようなことは夜勤明けでなくても取り組むことは可能ですが、
日中はいろいろな予定が入ったりしているため
私1人での考えでは動けません。
「利用者さんと向き合う時間がない」と思うよりも、
いかに利用者さんと向き合う時間を作るのかを
考えることによって時間は作れる!
と以前の私に喝を入れたいです(笑)
クラブ滝子 久綱
ちょうど本日夜勤明けだった、この記事担当久綱の
朝の組み立てに加わった井です。
帰った後にこの原稿もらったのですが、
彼は有言実行でした。
たまたま朝撮った写真がこちら。
朝食後コーヒを淹れてました☆
いやぁ 皆どんどん成長していきますね。
嬉しい限りです♪
ちなみに最初記事のタイトルみて、
「夜勤明けで帰った後に何があるのかなぁ?」と
遊び?活動?の方をイメージしてしまった
不謹慎?な自分がいました。笑
皆、真面目に頑張っています!
応援よろしくです。
伝染?
ちょっと久しぶりにお迎えに行った利用者さんが、
「とられちゃった」
「なくなっちゃった」
という話をされました。
今まで、そのようなたぐいの話をするような方
ではないと思っていましたので、
個人的に「おやっ?」となりました。
「何があったのか?」
「何か変化したのか?」
「きっかけがあるのか?」
いろいろ考えてみると、
「もしかしたら・・」
と推察の範疇ではありますが、
心当たりの一つが浮かびました。
最近、発言力、行動力のある別の利用者さんがみえるのですが、
その方が「とられたのよ」「なくなたのよ」と
近くにいる利用者さん達によく話をされています。
この迎えに行った方も、話をされる側の一人でした。
実際、周りの他の利用者さん達も、影響を受け、
「盗られるから自分で持ってた方がいいわよ」
(少し離れたところにある、荷物置き場に置かず)
等々、少し隠れながら、ひそひそ、ぼそぼそ話をされている場面を、
見かけるようになっていました。
きっと、このお迎えに行った方も
その影響を受けてしまっているのだと想像します。
もちろん、認知症の進行により、自分自身の不安が
内面から出た可能性も、ない訳ではないと思いますが。。。
いずれにしましても、毎日「盗られた」「なくなった」を
繰り返し言われる環境下では、自分も不安に
なってしまう事は、認知症という状態にある方は
ありがちだと思います。
記憶障害もなんのその。
嫌な出来事や、不安な気持ちは、
ちゃんと記憶にとどまり、なかなか消えない状態になって
しまうのだと思います。
そして、周りにどんどん伝染していっているようです。
もちろん、そこに手を打ってはいますが、
嫌な記憶や不安な記憶は、なかなか消去できないし、
上書きもできないものです。
しかし、記憶障害があっても、記憶に残せる部分があると
分かっている以上、よい記憶の上書きができるよう、
アプローチし続けていかなければなりません。
いい事はすぐ忘れ
嫌な事はずっと残る
これは認知症があろうがなかろうが、
人の常ではあるので、
結構手こずると思いますが、
良くも悪くも、伝染していくものだと思うので、
良い出来事や、心地いい事や、
嬉しい事や、できたできるといった達成感や、
その他もろもろのプラスのエネルギーの
風が吹くように、していかねばと思います。
互いに影響し合える素敵な能力を
いい方向に向けていくのも僕らの仕事ですよね。
いい仕事をせねばです!
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
質問
「この部屋の中で、事故の危険性があるところはどこだと思う?」
スタッフに投げかけてみました。
「うーん。 ここですかね? あそこかな?」
「うん。 それもあるよね」
「今回伝えたかったのは、ここです」
「ベッドの縁、介助時に座って頂く所の
布団やマットがズレズレだよね」
「これだと、座った時に滑り落ちる可能性があるから、
ベッドサイド、マット、布団、シーツ、縁は
きちっと一直線に揃えると、介助して座って
もらいやすいし、滑り落ちの可能性も下げれるよね」
ベッドより布団のサイズが大きかったりする
場合がありますが、ズレやすいものですし、
布団の縁が安全かどうかは、日頃からの
意識とチェックをしておく必要があります。
「伝える」
方が簡単で早いですが、
「質問」
によって、「考える」「気付く」「理解する」
方が、スタッフさんにとっては大切な機会になります。
「質問」を織り交ぜながら、
スタッフと一緒に成長していけると
いいなと思っています。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治