「主役は職員?」
なんとなく自分ばっかりが喋ってる・動いてる、そんな心境にかられることありませんか?目の前の人を楽しませたい・喜ばせたい・雰囲気を変えたい等いろんな意図をもって職員が喋ったり動いたりしているわけですが、一日を振り返ると、僕は「自分ばっかりだったな」と感じることがあります。
「職員ばっかり」が目の前のお年寄りの「楽」を生み、喜ばれ又感謝されます。しかし介護の仕事の本質はそこにはなく、お年寄りの「楽」が時に「主体性」を失わせ、「できなくなること」を増やす要因となってしまいます。
今やってる自分(職員)の行動が、お年寄りができる「自分のこと」ではないか?
今喋ってる自分(職員)の言動が、お年寄り同士が喋れる場の妨げになってないか?
等...
当たり前のように職員が何でもやる空気感がお年寄りの「やってくれて当たり前感」を助長させ、それに応じることは、できなくするための応援につながることを肝に銘じ、どうすればこの人自身が自分ででできるか?といったことに目を向け考えていきたいと思います。
平成28年6月15日
後藤 欣大
朝
名古屋も梅雨入りをし雨降りやジメジメした湿度の高い季節がやってきました。
小規模多機能・クラブ滝子での勤務が、半年ぶりな佐藤です。
スタッフの顔ぶれが少し変わっていたり、利用者さんの様子が少し変化していたり、半年分の浦島太郎です。
Aさんは、クラブ滝子の開設当初から利用されています。
認知症の進行もあり、意思疎通が難しい時間が多くあります。
半年ぶりの夜勤。
夜勤に入る前にリーダーから、
「Aさん、朝の様子がその日その日、時々で違うんですよね~。」
きっと、違いには何かがあるのだろうと考えながら・・・。
Aさんにとって気持ちの良い朝を迎えるためにはどうしたら良いか・・・。
課題の一つとなりました。
リーダー「僕の時は、夜間、2時間おき位にオムツ交換して、気持良い状態にして、朝アプローチするとだいたい機嫌よく起きられますよ。」
とアドバイスを貰って、実行しました。
そして朝になり
お部屋の電気をつけ、「Aさん、おはようございます~。」と囁いてAさんの目覚めるタイミングを待ちました。
30分ほどしたところで目を開け、うつろな表情です。
「おはようございます。」
「よく眠れましたか。」
「寒くなかったですか。」
「今日の天気良いですよ~。」
「朝ごはんは、パンが良いかな~、ご飯が良いかな~。」
「温かいコーヒー飲みますか。」
などなど、一言づつ、声をかけて本人の反応をみます。
反応は、うつろで返答はなく、頷くこともなく、表情一つ変えられず・・・。
他利用者さんの起床支援に入りながら
Aさんに無理やり起きて貰うのは、如何なものか・・・でも朝の時間が・・・と自分の中で葛藤が起きます。
・・・。
でも、気持よく起きることができるAさんを信じて繰り返します。
さらに30分くらいたった頃
Aさんが声掛けに頷いてくれました。
「起きますか?」
「起きようか。」
洋服へ着替えることができました。
Aさんのチカラで洋服を着ることができました。
着替えたところで、自らまた横になって休まれました。
早番スタッフに、Aさんの朝の状態どうでした?と確認すると、「悪くなかったですよ。」と。
「本人の気持ちが動いたときに合わせていくと、だいたい大丈夫だよ。」と教え頂きました。
時間の都合、スタッフの都合で本人の気持ちが動く前にアプローチ、介助を始めがちで本人も混乱するのは当たり前です。
認知症が進行しても、「何もわからなくなった人。何もできなくなった人。」ではなく、「生活を送ることに難しいことが多くなる。」けど、
かかわる私達の仕事次第で気持ちの良い朝を迎えることができることを再確認させて頂きました。
『本人の気持ちが動くから身体が動く』ってことは、人の生きる姿そのもの!
Aさんの朝について、話合える仲間がいることを、心の底から誇りに思います。
チームとして、一歩先へいけるように!!!
滝子通一丁目福祉施設 副施設長 佐藤恵美子
夜中のラッシュ
夜中に時々みる光景です
トイレは3ケ所なのですが、なぜか同じタイミングで皆一斉にトイレに出て来られることがあります。
時に「待ち」になることも。笑
もちろん奥のトイレも使用されています。
時に夜中のトイレ移動のための廊下は、1日の中でも賑やかな空間となります。
見守り、付き添いの優先順位付けが難しい時もありますが(汗)
そおぃえば、コンビニでもスーパーでも、レジがすいている時はすいていて、
自分が行こうと思えば、他人もレジへ向かい、並ぶ事がありますよね。
ガソリン給油も一緒。
すいている時に行けばいいのに、そのタイミングでは行かず、
行こうと思った時にはすでに並んでいる。
人って波長というか、惹かれあう生き物なのでしょうね。笑
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
先を行く人
Bさんの行動に、イライラ・カリカリするAさん。目先と感情先を切り替えていただこうと、Aさんに職員の相談事を持ちかけてみました。
「最近ね、うちの母さんがね、年齢も年齢だし、身体が思うようにならなくなってきて、とっても落ち込んでいるんだよね」と少し話を盛って伝えると
むかし民生委員さんをしていたAさんは、何度も何度も本当に首をひねる動作をしながら
「そしたらこう伝えてあげて」と4つ5つのメッセージを母と私に下さいました。
Aさん「今はね、老人期の第一歩なんだから、頑張らなきゃ!」
「それから、これから第二の人生が始まるんだから、楽しんで行かなきゃ」
等々
その頃にはBさんへのイライラ・カリカリは消え、私はといえば・・・
・老人期か~。ふ~ん。
・第二の人生っていろんな時にきくけど、(70代の)え、今かー!?
深い感謝とともに少し可笑しみながら聞いている私もおりました。
ある日実家の母にAさんから頂いたメッセージを伝えると、「老人期」と聞いて奮起が芽を出すか、少なくとも苦笑いくらいはあるだろうという私の予想に反し、母からは
「その人に、ありがとうって、伝えておいてね」と静かな即答でした
その時、なんとなく感じたこと。それは
私も知ることのない母の心境を、きっとAさんは解っていたんだとうなあ、ということです。
成長を続けながら生き、老いを感じながら生き続ける。そのことにおいて間違いなく、私達の目の前にいる人達は、先を行く人達ですよね。どんなに理解しようとしても、先行く者にしか解らないことって、やっぱりたくさんあるんだろうなーと思います。
解ったつもりにならず、おごらず「ついていきます」という心の持ち方をしたいです。
私たちは「目の前にいる人達を先頭に、社会と向き合っていることを忘れない専門職」でいたいです →
PS・
92歳までの10年間、祖父の1人暮らしを支えつづけた母も。
成長し続けながら生き、老いながら生き続ける祖父に少しでも添おうと尽くし最期まで祖父が祖父として生きることの力。それらをポコポコと産み出していたことに私も多くを教えてもらいました。
世の中のあっちこっちに転がっている学びに、気づけるようにありたいです。
H28.6.8
グループホーム滝子通1丁目 2階
駒木根 純子
自分のこととして
5月に入社し、3回目の先輩職員についての夜勤を終えた職員さんが、勤務後に涙したという話を聞きました。
勤務後の出来事だったそうですが、入居者同士のトラブルにうまく関われなかったとのこと。
心配して夜に連絡をしてみると・・
「自分の関わり不足でトラブルを招いてしましました」
「できない自分が悔しいし、入居者さん達に申し訳ないです」
「でも、次に生かせるよう頑張りたいと思います」
と気持ちを明かしてくれました。
起こったよくない出来事に対し、
「認知症だから仕方ない」
と病気や他人のせいにするのではなく、
「自分の力不足」「自分のこと」として捉えることができるセンスは、とても素敵で大切な事だと思います。
食事や入浴、排泄などの介護も、それ相応の知識や技術が必要で難しいですが、
認知症の方同士の関係性の調整もなかなか一筋縄ではいきません。
その事に対し、「自分の力不足」が原因とは、なかなか考えないもののような気がします。
そう考えられるセンスや姿勢は、その職員に磨きをかけるでしょうし、
素敵な職員さんになっていくと想像します。
自分もいい刺激を頂きながら、「初心」や彼女のような「捉え方」をずっと持ち続けていきたいと感じた瞬間で、なんだか「はっ」とした瞬間でした。
職員さんは、施設の大切な財産です。
この方のように、職員さんが育っていくのは楽しみですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
子連れOK
紙芝居をみる子供と母親
求人誌に情報をのせたのですが、2週間ほどの間に「できる範囲で仕事がしたい!」と応募されてくる方が4,5名みえました。
きっかけは「波の女で」という訳ではなく、「働ける条件に合いそう」という理由です。
なかなか応募しても反応がない介護業界ですが、非常勤(パートさん)に関しては施設側が間口を広げ、柔軟なニーズに応えられるようにすれば、社会の中にはまだまだ働き手がたくさんいるのだと感じています。
「未経験OK」
「短時間OK」
「週2,3回OK」
よく目にするキャッチフレーズですが、
「子連れOK」
みたいなニュアンスを掲げたら結構応募が増えました。
まだまだ託児所付きで気軽に働ける所はなかなかないのかもしれません。
一人目の子供だけであれば、保育園、保育所に預ければ少しまとまった時間働けるかもしれません。
しかし2,3年のうちに二人目、三人目ができるとまたしばらく働けなくなってしまいます。
また、過ごす時間が短い幼稚園の場合もなかなか働く場所は少ないようです。
時間が短いといいましても、自宅、幼稚園、施設それぞれが近い場所にあると、4時間くらいの労働時間はあるようですが。
ということで、「短時間(2~4時間)で子連れOK」となると、意外とニーズにマッチする可能性があることがわかりました。(名古屋地区の場合)
当然、短時間の労働を受け入れるローテーション作りができる体制が必要です。
そして、子供が利用者と同じフロアで過ごせることがOKでないといけません。
子供の世話や見守りをしながら仕事をするという事を、他職員が理解している必要もあります。
いろいろ制約があるように感じますが、それ以上に良い効果があると期待できます。
20代から40代の、若い母親の持つパワーや雰囲気はなかなかフロアを活気づかせます。
午前中の生活支援の立ち上げを、賑やかに、活気ある雰囲気でできるのは大切です。
そこに0歳1歳2歳くらいの子供がいればよりその空間の豊かさは増すように感じています。
短時間でも、組織の活性化には必要な方々だと感じています。
まだこれからのアプローチですが、午後から夜の時間帯を、中高年でしっとりとサポートできれば、1日の流れにも合っているように思いますし、地域の中に眠っている?くすぶっている?潜在的な働き手のニーズを開拓できるのかもしれません。
働き手がない
そんな慢性的で、打開策がなかなかない現状を嘆いてばかりでは先に進めません。
いろいろなことを柔軟に受け入れたり、変化できる体制作りがこれからの施設運営には必要なのかもしれませんね。
「子供の社会勉強になる」
「友人(ママ友)に話したら、その職場見てみたい」
意外だったり、嬉しかったりするコメントも頂けています。
これからのアプローチ先の一つは、保育との絡みも大切ですね。
子供を預け、その短い間に近隣の介護施設で働く。
幼稚園や保育園と介護施設がタイアップすることにより、「子供からお年寄りのサポート」に加え、施設側には労働力、子供や年寄りを預ける側の家族には収入が入るという仕組みはおもしろいかもしれません。
「幼稚園に求人案内」を出せたり、働く母親が同じ境遇にある友人を紹介してくれたら「紹介料」。
「来週ならこの日のこの時間、子供と一緒ならいける」などのニーズに応えられるフレキシブルな対応ができる介護労働環境の構築。
そんなことも考えながら運営にあたることが必要な時代なのかもしれませんね。
介護施設のためにというより、社会の中で働きたくても働きにくい方への労働環境の提供もできたらと考えている波の女です。
よかったら訪ねてくださいね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
くすぐる
男性利用者が、入浴したズボンを洗濯したのですがシワシワ。
「アイロンかけなきゃいけないわ(男性)」
ということで、セッティングしたものの、
「やったことないからできんわ(男性)」
といいつつやっていたところ、
「違う違うそうじゃない。貸してみ(女性)」
と言ってアイロンを当ててくれはりましたよ!
ある大阪弁のスタッフが写真と共に報告してくれました。
男性利用者は女性利用者に一目を置いています。
しかし女性利用者は男性利用者を煙たがっていることがあります。
理由は「私○○さんに避けられているみたい」という、ご本人の一方的な思い込みによるもののようです。
まぁそれは、朝の送迎車の中だけで聞かれるくらいの発言ですが。
日中のフロア内での関係はまあまあ良好ですが、写真のような素敵な場面はあまりないかもしれません。
いつもは、男性利用者が乗車する前に、
「□□さん(男性)は、いつも○○さん(女性)のことを、すごく尊敬しているし頼りにしていると言っていますよ」
と間接的に女性利用者を褒める機会を作り、一方的な思い込みを払拭できないかとアプローチしています。
直接ではなく、間接的に褒める行為の効果は、嬉しさ倍増というのは、人の心を動かす上等手段ですよね。
しかし、心理的よりも写真のような体感的な関係構築術というか、場面の設定をする事の方が、効果があるものだと思います。
もちろん効果を求めてやっているたのではないと思いますが、結果として女性の心をくすぐったのでしょう。
関係性を構築し、有する能力を引っ張り出すきっかけの一つは、
「相手の心をくすぐる」
ことができる環境セッティングだったようです。
皆さんの心はどんな場面でくすぐられるのでしょうか?
そんな事も、相手の能力を引っ張り出すという仕事に活かせるのかもしれませんね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
今回のネタ提供は・・・
「このパンは渡せません~!」
利用者と格闘する大阪弁のこの男でした。
可能性(後)
(前回の続き)
「その結果は2日後に」
と発言したにも関わらず、自分自身がバタバタしていて、A氏の日中の支援の様子をあまり見る事ができませんでしたが、前回の夜勤時のアプローチや様子を少し紹介させて頂きます。
「失語」という症状にあるので、シンプルな表現やジェスチャーなどが有効ですね。
「言葉」でなく、「身振り手振り」で有する能力や動作を引き出せないか、「可能性」を予測し、アプローチしました。
朝食の一品作りの支援を行います。
まずは自分が卵を割るジェスチャーと、実際に1個2個割り、残りの5個を割って頂くようセッティングすると割ることができました。
続いて黄身を潰す作業も手振りをみせると、やって頂けました。
続いてIHはこちらで用意するも、焼く工程もされています。
焼きあがってきた卵をボールに移す作業も手振りをすると、この通り。
スクランブルエッグの出来上がり♪
続いて、ウインナーを焼いて頂くと、立ち上がって焼かれていました。
その後は皆で朝食を食べられました。
食事関係以外でも、セッティングを行ったり身振り手振りで伝えると・・
読み物をされたり・・
熱心に字を書かれたり
寝る前に足浴をされたり
朝は布団を渡し、干すジェスチャーをすると干して頂けたりもされました。
僕等は、「人として生きる姿」を取り戻すのが仕事です。
「できない」「やらなくていい」と決めつけてしまえば、そこ止まり。
できると「信じる」こと、そして「やってみる(実践)」ことで可能性は広がるのだと思います。
あなたの中の可能性も自分を信じ、他人を信じる事からひろがります。
可能性に挑むのも、私たち介護職の仕事だと思います。
今後もいろいろアプローチをして、人として生きる姿を追い求めたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
可能性(前)
【可能性】
1 物事が実現できる見込み。「成功の―が高い」
2 事実がそうである見込み。「生存している―もある」
3 潜在的な発展性。「無限の―を秘める」
4 認識論で、ある命題が論理的に矛盾を含んでいないという側面を示す様態。
「見込み」や「発展性」を示す言葉ですが、私たちは「自分の人生」において、「仕事」において、この言葉に示されている事に向かえているのでしょうか?
認知症による脳の変化と症状の中に「失語」という状態があります。
(失語:言葉が理解できなかったり、話せなかったりする状態)
小規模多機能を利用中のA氏は「失語」の状態が著名な方で、会話はほとんどなりたちません。
職員側が伝える「言葉」の理解が難しく、自分の意志を表現する「言葉」も表現しにくい状態です。
ウトウトされている場面や睡眠時間を除くと、一日中フロアの中を歩き続けられています。
しかし、過去に経験し獲得してきた行為は、今も環境設定やジェスチャーを用いて引っ張り出す事はできます。
職員がアプローチしているのは・・
リンゴの皮をむいているシーですね。
時折みかけます。
しかし、それと食べている時以外は「できない人」「わからない人」扱い?に近く、一日中フロアの中を歩いているのを所在確認しているくらいなのが現状なのではないでしょうか。
ぼくらの仕事は、脳や体の障害が進む中においても、「できる事」を引っ張り出し、取り戻し、増やしていく事にこそ専門性があるのだと思うのです。
ウロウロしているのをただ確認しながら、食事の準備、排せつの後始末、2,3日に1回の入浴介助をするくらいなら「素人」でもある程度できる事です。
僕らは「専門職」です。
アセスメントをする中で、いろいろな「可能性」にアプローチできてこそのプロだと思うのです。
そこに挑めていなかったら、「できない人」「わからない人」をただ囲い、生かしているだけの素人集団になってしまいます。
明日の1日の中で、専門職としてのアプローチがなされているのか、確認してみようと思います。
その結果は2日後に。笑
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
地元小牧市でイベントをやっていました。
「名古屋コーチン」という小牧市発祥のとても、おいしい鶏がいるのです。
その鳥の焼き鳥を購入し食べていると・・
目の前に生きている名古屋コーチンが展示されていました。
見せものにされ、目の前で自分達の仲間の肉を食べている人がいるという構図は「動物虐待」になるのでは?
この鶏に可能性はあるのだろうか?
と考えつつ食べてしまいました(笑)
私に関わるみなさんへ
わたしはどうしてここにいるんですか?
いつからいるんですか?
どうやってここまで来たんですか?
わたしはどこかわからないところでいすに座っている
隣に座っているこの人いったい誰だろう
あなたはわたしのことを知っている人なの?
椅子に座っていると、声をかけられてテレビの前に座らされた
私・・・
あんまり時代劇すきじゃないんだけどな
ここがどこかわからないから
家に帰ろうと立ち上がると
知らない人から声をかけられた
その人は、「ここがあなたの家ですよ」
と言うけど・・・・・
ここは私の家じゃない
仕方がないから椅子に座っていたら
誰が作ったかわからない
ごはんが出てきた
せっかく出されたものだから
ゆっくり味わって食べていると
次々と食器を下げられていってしまう
せかされているみたいで・・・・・
食欲がなくなってしまう
わたしは自分でトイレに行けないから
本当はいやだけど・・・・・
オムツをつけてるの
さっきオムツの中が汚れたから
換えてもらったけど
その人が他の人と
みんなが聞こえるように
汚れていたことを
大きな声で言ってるの
自分でできないから
仕方がないけど・・・・・
恥ずかしいし・・・・・
情けない
今はまだ、入りたくないのに
「今日が入る日だから」と言われて
「いいよ」なんて
一言も言ってないのに
わけもわからないうちに
気がついたらお風呂場らしきところにつれてこられた
気がついたら、服を脱がされてて
自分で身体を洗うように言われたから
そうやってるのに・・・・
「そこは汚いからもっとしっかり洗って」と言われた。
私なりにやってるんだけどな・・・・
私って・・・・そんなに汚いですか?
私ってそんなに変ですか?
ここがどこかわからなくて
まわりの人が知らない人ばかりで
何をすればいいかわからないとき
わたしはただ
やさしく声をかけてもらえたら・・・
わたしはそれだけで・・・・・
とてもうれしい
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治









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