問い (前)
先日、小規模多機能型居宅介護(クラブ滝子)の利用者さんへのアプローチで、このようなことがありました。
午前中の食材買い出し(皆で食べる昼食の材料)に参加された時の事です。
スーパーに行ったついでに、その日の夜ご飯用の弁当を本人に選択してもらい購入してもらいました。
クラブ滝子利用中は冷蔵庫で保管し、夜自宅に帰った時にレンジで温めて食べて頂いたとの事。
ブログを見て頂いている方に問わせて頂きます。
この利用者へのアプローチをどのように思われますでしょうか?
(後編に続きます)
別の話ですが、こんな記事が目につきました。
「保育士目指す学生に返済不要の修学資金」
(河北新報 8月11日(木)11時58分配信より一部抜粋)
宮城県は、保育士を目指す学生に修学資金を貸し付ける制度を早ければ9月中にスタートさせる。
卒業後、県内の保育施設に5年間勤務すれば返済を免除。
待機児童解消策の一環で、慢性的に不足する保育士の人材確保につなげるのが狙い。
対象は保育士資格の取得を目指す県内在住か県出身の専門学校生、短大生、大学生。2年間、月5万円を上限に貸与する方針で、入学金20万円、卒業時の就職準備金20万円も貸し付ける。
1人当たり最大160万円を借りることができる。
財源に国の補助金を活用し、2016年度一般会計当初予算に3年分の関連予算約2億5000万円を盛り込んだ。
宮城労働局によると、県内の保育士関係職の有効求人倍率は1.52倍(6月)で人材不足が続く。
県子育て支援課は「保育士の確保にとどまらず、経済的理由で保育士になる夢を諦める学生がいなくなるよう支援したい」と話した。
県は保育士と同様に人材確保が急務の介護福祉士についても、資格取得を目指す学生向けに制度を創設する準備を進めている。
と記事にあがっていました。
僕らの仕事ぶりが一番肝心だと思いますが、行政も真剣に動きだしているところが出てきているのはとても励みになりますね。
ぜひ時間とお金がかかる介護福祉士だけでなく、介護職員初任者研修にも間口を広げて頂きたいところです。
その動きが他県、全国に影響を及ぼす事になるといいですね。
今後の動きに注目です。
といいますか、そのような提案を各県に対し、各種団体や企業がアプローチする必要があると思います。
いかがでしょうか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「おそれずに」
名乗らなくてはと思うと、気が引けて言えなくなっちゃうこともあると思うのです・・
今日は匿名希望を希望します!
入居者さん同士の関わりに関わって、日々頭の体操に励んでいる職員です。
生活の色々な場面で、泣き笑い・そして数々の衝突が毎日繰り広げられています。
実は以前の職場でも、その前のところでも、入居者さん同士の激しいバトルは日常茶飯事でした。
(私が嵐をよんでいるのか?!)
どの職場でも共通していえるのは、施設に閉じ込めておくことを、あたり前としないところです。
どの職場でもいえるのは、入居者さんが、ごはんをつくったり、買い物に出たり、掃除や洗濯をしたりと、普通に生活できるように色々工夫をしているところです。
畑や大工仕事、洗車や事務作業なんかもその入居者さんの有する能力に合わせ
又、私はこういうことは苦手だったけど、職員の能力にも合わせながら
普通の生活にある様々な場面を、なるべく失わないように工夫しているところだと
思います。
考えてみると、施設でメニューを決め、出来上がった食事が目の前にでてきたら、調理の様々な過程で起きる人との意気投合や、人との違いを感じることもなく、当然衝突する場面も少ないだろうなあと思うのです。
人との同じや、違いを感じることができなければ、身体的なことだけでなく、自分を形成する色々なものが、失われる気がして、やっぱり怖いなあと思います。
今目の前で起こっている数々の衝突は(もちろん課題も山積ですが)入居者さん達が、ある程度自分の力で、そしてある程度主体的に人の中で、生きている。
まずは、その証しだと信じています。
多少の傷は恐れず、もっともっと同意や相違について活発に意見を交わせるよう私達職員も見習いたいと思うし、それができたら、きっと重みだけでなく面白みも感じながら職員から専門職員に成長できるかなと思うのです。
少々行き詰まりを感じる最近ですが、まずは隣の人に「ねえ、このことどう思う?」っておそれずに、話しかけてみたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 職員
アプローチの工夫
「味噌汁の味付けお願いできませんか?」
「そんなもんやらへん(利用者)」
日ごろから場面によっては、調理もされている方ですが、ここではNo
さてどうするか・・・
味噌のかたまりを放り込んで、
「このままほかっとけばできるかな?」
と独り言風に言ってその場を離れました。
30秒後・・
(やった! 笑)
人はその時の流れや、空気感、環境(他社との関係)により、気持ちや行動が変化する生き物です。
「お願いして、やってもらう」場面も多くあるものの、その「頼む側」「頼まれた側」という関係の一歩先にある、「主体的」な言動を引き出す事を意識するのも大切な仕事です。
そんな、どうしたら「やろか」「やらないかんな」と、主体的な気持ちや行動を引き出し、繰り返していくかが自立支援では大切な要素となると思います。
紹介させてもらった、「中途半端な状態」を作り、人の気持ちを引っ張り出すのも手の一つです。
その後、ご飯を頂く際に、
「自分の分の味噌汁よそって(つぐ)ください」
と伝えると、
「嫌だわ。おにいさんやってよ」
となりました。
小規模多機能の利用者さんですので、昼間は人が多く、関係のある方が隣で調理をしているので、自分もその空気感の中で調理をされたりしています。
しかし夕方になると、自宅に戻られる方々が減り、環境が変化します。
そうんると主体性を引っ張り出しにくくなったりします。
それでもどうしたら・・・
となると、次の手が必要です。
目の前に他のおかずがない状態でお願いしてしまったので、
「嫌だわ」
となりましたので、おかずを配った(自分で選んで持って行ってもらう)後に、
「好きなだけ味噌汁をどうぞ」
とお伝えすると、スムーズに行動されていました。
これは食べる準備の一連の「流れ」を活用したことで、
「嫌だわ」
から
「やろう」
と自然に気持ちが変化し、行動できたのだと思います。
細かいことですが、この「自分のことを自分でやる」といった体感的行為の日ごろからの積み重ねが、その先の主体的な行動につながるものだと思います。
流れか環境や持っていきかたを工夫して、「自分の事を自分で」できるように応援していきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
立ち位置
廊下に座り込んでパートさんの子供さん達とたわむれる利用者さんの姿がありました。
畳のスペースで床に座っているのは違和感ありませんが、リビングや廊下で座っていると違和感があります。
違和感を感じるというのは、こちら側の視点ですね。
ご本人にとっては「子供の目線」に自分が降りて、相手しなくちゃということだけだと思うのです。
自分は廊下に座って子供の相手をしたことがありませんでした。
さすが年長者ですね。
「相手と同じ目線になるように」という大切な事を、改めて教えて頂いているように感じました。
ついつい自分の立ち位置や目線で関わったり、ものを言ったりしてしまう事があるのだと思います。
そんな自分目線でなく、利用者・入居者、家族、職員、地域の方、その他の方々と同じ目線で物事を見たり聞いたり、関わったりできるように心がけたいものですね。
相手の立ち位置を考え、同じ目線になるように意識し関わる。
それがこの仕事にとってはとても大切な立ち位置なのではないでしょうか。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
モラル
「法定速度を守ります」とステッカーが貼ってありながら、高速道路を140㎞で走行するトラック。
朝のバス専用レーンに入ってくる車にパッシングをしまくり、ハイビームで警告を与えながら走る市バス。
出勤の間だけでも、「モラルはどうなっているのか?」と思う場面は多くあります。
【モラル】

よくあること
グループホームの2階では「女性対男性」という構図でよく口論となっています。
「男は何もしないくせに、ご飯だけはしっかり食べる!」
女性側の言い分です。
実際は、男性といえどもやれる事はやっています
簡単な調理
食器を下げる
洗濯を干したり・たたんだり
男性側はこれでも「やっている」「やれている自分」を感じているのではないでしょうか?
しかし女性側からすると、「そのくらいでやったつもりにならないで!」
一から十まで全部やっている女性側からすると「本当に男は役にたたないくせに威張る!」
そんな感じでいつも言われ続けたりしています。
そんなやりとりが続く日々に、職員もストレスを感じたりしていることでしょう。
でも、よ~く考えると、そのような構図は一般家庭のどこの夫婦にも「ある」ことだと思います。
ですよね!?笑
要は「男の思考と行動」と「女の思考と行動」の違いからくる、価値観相違が土台にあり、
認知症という状態にある方々は、そのズレの認識が正しくなかったり、オーバーに表現されてしまっているだけのような気がします。
この現象でまずいのは、職員のストレスが増え、疲れてしまうということでしょうか。
認知症の方々の間で起こっている特殊な状態として捉えるのではなく、どこの家庭、男女間でもおこっている「よくある事」として、深刻にうけとめすぎないようにしないといけないように思います。
それよりも大切なのは、途中は止められないにしても、最後には「笑いで吹き飛ばす」、「笑って終わる」くらいの、どんと構える心持でいくくらいの方がいいと思います。
「あ~また始まった!(嫌味、言いがかり等)どうしよう・・」と捉えるのか
「よくあるふつうのこと。みなさんほどほどにね」と捉えるのか
どっちで捉えるのかは、自分次第であります。
男と女は自分の身の回りの関係でも、ホーム内でも難しいのが普通です。
男と女の、「脳の特性」「脳の動き」の違いを勉強すると、男女間のトラブルが客観的に理解できるのかもしれないですね。
認知症の介護といっても、「よくあること」の延長線上にある事が多いので、そんな情報収集してみるといいと思います。
いかがでしょうか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
自分の話ですが、男と女の脳の特性の違いによるトラブルが絶えませんが・・笑
輝ける時間
昼間はウトウト
皆が寝始めた頃に目がキラキラ
快活におしゃべりをされるIさん
別の階にも同じような入居者さんがみえます
この業界では、このような状態を「昼夜逆転」とよく表現しています
私たちの仕事において、この現象はあまり良い状態ではないとよく言われます
しかし、本当に悪い事ばかりなのでしょうか?
夜遅い時間に、リビングで過ごす入居者はこう言いました
「昼間は人が多いけど、この時間は誰もおらんからな・・」
しばらく、活き活きと色々な話をされ続けていました。
誰もいない時間帯だからこそ、一対一で話ができますし、その結果、自分の存在を感じやすいのかもしれません。
これが自宅で家族があれば、昼夜逆転は生活に影響を及ぼします。
家族の疲労はたまっていくでしょう
しかし24時間体制で対応できるよう、施設に詰めているのが入居型介護施設ですのでそこはそこ。
昼夜逆転の改善のアプローも大切だとは思いますが、そんな一般論を吹き飛ばすほど、素敵な輝いている主人公としての姿を見ているような気がして、こちら側もとても嬉しくなったりします。
その方にとって、ただ起きているという状態はよくないと思いますが、そこに関わりが発生し、誰と何かをしている状態を作れば、「昼夜逆転だ!」なんて言われる筋合いはないように思います。
「昼夜逆転」
昼とは何時から何時のことでしょう?
夜とは何時から何時のことでしょう?
(気象庁の天気予報等では、18時頃から翌日の6時頃までを指す)
世間一般の夜遅くの時間帯のことですが、
夜勤をしている方が結構います
夜遊びをして朝方から寝る人もいます
ゲームや趣味にはまり、夜更かしする人もいます
なんだか寝れない夜もあります
時間帯で考えれば、ほとんどすべての人は21時、22時、それ以上に起きていると思います。
つまり皆、夜更かし人であるとも言えるのではないでしょうか。
これも昼夜気味なのだと思います。
僕らが、その日その時の事情や状態で夜遅くまでおきていて、昼間に寝ていたり、ウトウしていたりする事があると思いますが、それは「ふつうの暮らし」の一部なのだと思います。
僕らは、自分達の常識・価値観に捕らわれず、目の前の方にとってどうなのか?という事を中心に添えて考え感じていく事が大切なのだと思います。
昼夜逆転気味も、私たちの意識・関わり次第では、素敵な輝ける時間になるのだと思います。
その先で、生活のリズムを整えていきたいですね。
昼夜逆転だ!とレッテルを貼る前に、その方にとって素敵で有意義な夜の時間になるように関わる事を意識したいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
雁道二丁目福祉施設(仮)建築レポート3
~ 完成にどんどん近づくを通り越し、おかげさまで完成しちゃったよ 編 ~
平成28年7月22日 夕方 出来上がった雁道二丁目福祉施設(仮)でくつろぐ施設長。
思わず床に座って寛ぎたくなる空間です。
風の通りも良く、心地よいので思わず寝ころびたくなるような場所ですよ(デイにむけては勿論机、いすを入れます!)
途中経過の報告せぬまま、もう出来上がってしまいました。ざっと振り返りを・・・
4月
「ここ、総ヒノキの豪華な施設だって」と町の方の声を聴き、絶句する私。
一部はヒノキですけど、、、一部です。
垂れ幕の効果出過ぎ!
5月
現場で資材の仕様や、作りをこまめに打合せし、限られた予算の中でも最大限に良い環境を作るべくあれこれ思案。
↑
5月 どんどん形がハッキリしてきました
↑
6月末 リフト浴が設置され、キッチンも完成
7月 概ね完成した建物の最終確認
7月21日
建物がオーナーさんに引き渡されました
7月21日 床にワックスをかけます。
外構工事はこれからですが、ここに集う人、この地域の人の目に楽しい外観を目指して、こちらは現在も打合せ中。
普段から施設長とはよく話はしているのですが、この空間の力もあるのか、今日は久しぶりにゆったりと大事な仕事の相談をあれこれできた気がします。
「落ち着く雰囲気」があるのかな。
当初予定していた8月の開設は、職員さんの採用が進まず断念しています。
ホントに残念ですし、自分のチカラ不足が情けないのですが、秋には何とか体制を整えて、開設にこぎつけたいと考えています。
引き続き、職員さん募集中ですので、ご興味のある方はまずは施設長に連絡を下さいませ。
これまで、近隣にお住まいの方を始め多くの方のご理解とご協力により、事故もなく無事に建物の完成に至った事、改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。
株式会社波の女 代表取締役社長 加藤千恵
音
滝子の施設はTVをあまり活用していません。
グループホームには置いてもありません。
意図的にそうしているのです。
介護施設にTVがあると、TV番組を見ていたりTVの前にいる利用者・入居者の姿に安心感を覚えてしまう可能性がるのだと思います。
その結果、TVに任せてしまい、職員との関わりが減ってはいけないという意図で設置しないようにしています。
TV番組に変わり、職員が意識して語りかけ、関わりにいけたらいいですね。
その代わりに「ラジオ」や「音楽CD」を流す「ラジカセ」は各階設置して活用しています。
一日を通し、場面場面でラジオ番組や、色々な音楽を流していますが、ちょっと気になっています。
それはある意味TVと同じで「流しっぱなし」になっており、「意図的」に活用できているのか?という事です。
その時間、シーン、雰囲気、メンバーに合っているか?
音の大きさは、場面場面で適切な音量か?
「何でもいいから、静かすぎないように音を出していけばいいや」となっていないか?
音も環境の一部です。
ご本人にどんな影響が及んでいるのか?という事も時々考え・感じてみるといいのかもしれません。
なかには、音楽(歌)に引っ張られて、食事の手が止まってしまう方もいます。
CDの歌をリピートしっぱなしにすると、「頭がおかしくなってくるわ」と言われる方もみえます。
何も言われない方の中には、音が耳障りに感じてみえる方もいるかもしれません。
食器をガチャガチャ片づけたり、洗う音はどうなのか?
音楽や音が、人の脳に働きかける影響はとても大きいと聞いたことがあります。
場面場面で、意図をもった適切な音楽や音とボリュームを、介護の場面に組み込んでいけたらいいですね。
反面、一日中ラジオや音楽CDが流れっぱなしもどうかと感じています。
時々意図的に音や音楽を切って、「静」の雰囲気や脳への働きはどうかを感じ・考えてみるのも大切なのではないでしょうか。
今一度、自分のフロアや自宅の中での「音」「音楽」を意識してみて、どのような影響や気分に絡んでいるのか、気にしてみてはいかがでしょうか?
「音」は暮らしにとって、気分にとって、とても大切な要素であり、それを意図的に活用していくのも「生活支援」の醍醐味だと思います。
目を閉じて、利用者・入居者が感じている世界・暮らしの「音」を意識してみてはいかがでしょうか。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
外出
今月前半にグループホームの一部の方々が岐阜県のお千代保稲荷へ行きました。
(関連記事 7月7日ブログ)
この外出は、皆で共有している昼食費を使用しての食事をとっています。
行った人は「食堂で食べたいものを食べている」のですが、この日行かなかった人は通常通り食事を作って食べています。
もちろんバランスをとるために、残っている方々には出前等も検討しましたが、どうするか聞いたところ「あったものでいい」となったようです。
この外出の機会(行った人と行かなかった人に分かれた)、はこれで終了でいいか?
という事が、共同生活上の判断の難しいところですね。
この共有している食費を使っての外食の機会には続きが必要です。
皆が同じ所へ行き、同じ物を食べて」という、間違った平等観は必要ないと思いますが、
皆に「どこか行きたい所はあるか?食べたいものがあるか?」を聞いていないという事が課題です。
私たちの仕事の敵は「区別」「差別」という、こちらの都合による価値観や判断基準が伴うのが良くありません。
個人のお金を使っての個人的な外出、外食なら皆に同じ機会がなくてもいいかもしれません。
ですが今回は皆で使う共用の食費で外食しています。
行く行かないに関わらず、全員にその機会、情報提供がなされるのが共同生活上におけるアプローチなのではと考えています。
今回、全員に聞いていない主な理由は、運転手の数、車の乗車人数と、付き添えるスタッフの数などの制約があり、希望されても「全員では行けない」という状態が分かっていました。
ですのでそのような物理的な理由がある場合は、別の日に同じような機会を設ければいいと思うのです。
という事で、行けていない残りの3名の内、2名がお出かけ外食に行きました。
今回は、前回行けていなかった残り3名中2名の参加です。
ここでまた出た課題は、3名の方は外出時は皆「車椅子が必要」という事です。
当グループホームでは日中の職員数は2名なので、買い物にしても外出にしても付き添える職員は各階一人しかいません。
一人で3台の車椅子は押せません!
このような場合は違う階へお誘いをかけ、行く方が出れば、行く職員が増え、車椅子を押す人が増える事になります。
結果的には、違う階の方との合同外出になりました。
では、なぜ今回は3名中2名で、一人残っているのか?という事があると思います。
それは、当施設で使用している車(ワゴン車)には、「車椅子が2台しか積めない」という物理的環境があるからです。
残りの一人も近いうちにご本人に合う、希望される所へ行きたいと思います。
自助具が「杖」の段階では、車を使っての外出は「乗車定員」で動けます。
それが「シルバーカー」「車椅子」の方々が多い介護施設ですと、そうはいきません。
外出時に使用する「自助具」のスペースは結構必要となります。
色々な要素があり、簡単にはいかないのが、高齢者の外出です。
でもそう感じさせないように回りから見えているとすれば、それはいい仕事ができているという事でしょう。
外出には緻密な予測や段取りが必要になります。
全体では、時間や道路の行程、現地の情報、トイレ場所の確認、予算、バイタル測定機器、車の座席配置予定や積載物品、タイヤの状態や燃料の確認・・
個人では、小遣い・着替え・パット類や薬・保険証、飲み薬やその他個人に必要な物
そんな事を頭でしっかり描けるか、書面化するか。
さっと出かける事もあるのですが、実は積み重ねた経験や、緻密な予測い基づいて行動しています。
けっこう手間暇かかりますが、それでも必要や希望に応じて、非日常生活である機会を時々設けていきたいと思います。
皆さん、ほんとに活き活きしています。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治