認知症対応型情報発信カフェ・・②
(11月4日のブログの続きです)
まだまだ関わり半ばですが、途中経過を。
少しの間話しをさせて頂くと、必要なものを一緒に探してほしいという事になり、自宅へお邪魔させて頂きました。
しかしその日のうちに、必要なものは探し出せません。
関係者にも連絡もつきません。
とりあえず、その日にできる事は「食」の確保ぐらいで、またまたジェネレーションさんに助けて頂きました。
それも「ツケ」で。
このような対応をして頂ける所があるのは本当にありがたいことです。
もちろん信頼関係があっての場合ですが。
その翌日以後、ちょくちょく仕事を抜け出したり、休憩中にこの方と接点を持つようになり、少しずつ全体像が見えてきています。
現在地域包括と連携を図りながら、まずは不透明なお金の流れを明確にし、生活の安定を目指しているところです。
血圧も高めなので通院や服薬が必要でしょうし、要介護認定も受けておいた方がいいでしょう。
でも、いろいろな段取りを行いながらも大切にしたいのは、「あなたがいて良かった」という存在を目指したいものです。
また、機会がありましたらフォローの様子をお伝えさせて頂きたいと思います。
地域に対し、このような動きができるのは、私が一時的に抜けても現場で踏ん張ってくれているスタッフの存在あってのことです。
一個人としての単独行動ではなく、波の女全体として、社会や地域住民に対する貢献・恩返しの行動を今後も続けていきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ぽかぽか日和
本日の名古屋は風も雲もなく、気持ちのいい天気でした。
買い物に行く前に・・
買い物が終わった帰りに・・
ついつい陽だまりや、秋の空や、木々の色づきを見に、寄り道したくなるようなぽかぽか日和でした♪
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
そうそう。
「仕事終わったので、寄ってみました」と以前退職した元同僚が尋ねてきました。
こんな関係も素敵ですね☆
熱意
滝子も開設して2年8ヶ月が過ぎようとしています。
この時期の課題は、慣れやマンネリ化、基本がおろそかになりがちなことでしょうか。
人はなかなかモチベーションを維持していくのが難しい生き物なのかも知れません。
少し前になりますが、こんなことがありました。
滝子の職員になりたいと、わざわざ遠方から面接にこられた方がみえました。
「プロフェッショナル」を見て来られたのですが、施設見学を行った結果・・・
土下座で「どうしてもここで働きたいです!!!!」と頭を下げられたのでした。
今時珍しい。。。
でも、こんな「熱意」が今の組織にとって必要なのかも知れません。
「熱意」はなかなか育てることが難しいものですものね。
自分も刺激を受け、熱意を持って介護に当たり続けたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
今日は愛知県認知症介護実践リーダー研修の皆さんと久しぶりに顔を合わせました。
こちらも熱意を持たれた方々ばかりで、いい刺激を頂きました。
ありがとうございました。
人間だもの ②
人間だもの①の続きです。
その日の夜勤者が「これは髪の毛いけるかも?」の一言もありいざ、勝負!!!!
鏡、ハサミ、ゴミ箱を用意。
ご本人さんに鏡を見て頂き、「髪の毛長いねぇ~」とアプローチ。
ご本人さんも「あーほんとやな」と。
ハサミを差出し「ここ長いで切ろうか」と言うと
本人「そうやな」と言いハサミを持ち、自分で切った!!!!!!!!
まだまだ!!!勝負は終わっていない。
片方が切れても、反対側も切れなければバランスが悪くなり他者からの非難の声が出てしまう。
※今は左右長さが違っても「おしゃれ」ですがね。
すぐさま「反対も揃えななぁ」と指をさすと、また鏡を見て
自分で切った!!!
途中からは、僕に「やって」と本人さんからハサミをバトンタッチされたので
偽美容師 舟橋がカットさせていただきました。
本人さんが鏡を持ち、しっかりチェックされていました。
お店で切れなくても
自分でできる力、まだまだたくさん!!
Nさん、学ばせて頂きました。
ありがとうございました!!
グループホーム1階 舟橋 琢磨
夜の手さぐり
虫の音が、わずかに聞こえる程度で秋も深まり、冬到来がもうじき・・・。
先日久しぶりに夜勤に入り、利用者さんの夜の様子にお付き合いさせていただきました。
先月、退院されたAさん。
まだ、生活が本調子ではありません。
2日間寝ずに、3日目に寝るという状態が続いています。
自宅から寝ないまま、クラブの宿泊へ・・・。
夕食後からリビングでウトウトされはじめ、私の心の中は葛藤が始まります。
布団で休んだ方が、身体が休まるんだけどな・・・。
でもこれが、きっかけでパッチリ目覚める可能性も高い。
21時が過ぎ、22時が過ぎ・・・。
やっぱり、お布団に誘う!!と心に決め
『Aさ~ん』
「なんじゃ?」
目を開けられました。
『お布団に入って休みましょうか?』
「そうやな~。」
『寝る前の目薬がありますので。』
と声掛けをし、目薬をさし、お布団へ。
布団へ着くなり、
「わしの目を取ってくれ。」
???
ゴミか何か入ったのかな?
『目を見させてもらっていいですか?』
「見てくれ。」
何も入っていません。
「わしの目を取ってくれ。」
「目がおかしい。曇った。」
目が覚めて、緑内障の進行により目が見えなくなっているという現状がわからなくなっているのだと察知しました。
「わしの左目は、(視力)1、5なのに、目を取ってくれ。」
「この目を治さないと承知しないぞ!」
と続きます。
治さないとと仰る。
「あ~眼圧が降りていく~。」
【緑内障】を治療している記憶が戻ってきたということかな?
『明日朝イチに眼科の先生にみて貰いましょう。』という声掛けを繰り返すなかで切迫感が薄れて行きました。
「何時にみてもらえる?」
『朝の8時に出発しましょうか?』
「ほやな~。」
『寝坊しないようにそろそろ休みましょうか?』
「朝イチの飛行機で行くんだもんな」
「さぁ~寝よう寝よう。」
と横になられました。
一安心したのもつかの間
「腹減った!なんかパンでもあるか?」
と起き上がりパンを召し上がられました。
認知症の状態にあり、緑内障の進行により視力を殆ど失っているAさん。
不安に駆られるのは想像以上のことだと思います。
その大きな不安を少しでも取り除けることが私達にできれば。
御本人にヒットする「あの手、この手の引き出し」にアンテナをたて夜勤に挑みました。
また、Aさんのご家族の負担も軽くできたら・・・。
結果、この夜はリビングで寝た、2時間程の睡眠が一番まとまった睡眠でしたが、私達の引き出しを広げてくれるのも、じっくりかかわることのできる夜勤の醍醐味でもあると思っています。
色んなことを教えて下さるAさんやみなさん。
夜勤にお付き合いなんて、おこがましいですよね。
今夜のことを、次に活かすぞー!!!
滝子通一丁目福祉施設 副施設長 佐藤恵美子
『お知らせ』をアップしておりますので、是非ご覧ください。
人間だもの ①
認知症という状態になっても、「人」ですから、髪の毛だって伸びます。
髪の毛を切るか、切らないか。
切るならどのくらい切るのか。
髪の毛の長さだって自分で決めたい。
ショート、ミディアム、毛先を揃えるなど。
でも、認知症という状態になると、髪の毛を切る事が難しくなってくる方も中には見えます。
前回はお店で切ることができても、次もお店で切れるという保証はありません。
今回もお店に行くものの、すぐに立ち上がろうとされ、お店からでられてしまいます。
髪の毛を切ることが出来ません…。
できるだけお店(専門職)で切れるといいのですけど。
日にち、タイミング、職員、体調等考え、何度かアプローチをするもうまくいきませんでした。
そうなると、髪の毛はどんどん伸びていきます。
くせ毛により、爆発したような髪の毛になってしまいます。
それでも外へ出られます。
通行人から見れば「あの人おかしないな」と思われてもおかしくない状態です。
そろそろ限界かな。
ご本人さんも時々邪魔そうにする姿もみられます。
施設長に相談をすると「鏡みながら、自分で切らないかな」と。
そんな話が出てからしばらくして・・・
ある日の遅出退勤時、事務所で記録物などの記入をしていると、Nさん自身からこちらに身をゆだねる様な穏やかな表情で事務所入り口の前にイスを持ってきて座られました。
「これはいけるんじゃないか!?」と何か僕の心を後押ししてくれるような感じがしました。
長くなりましたので、続きはまた後日!!
どうぞ、お楽しみに。
グループホーム 舟橋 琢磨
11月11日
昨日は11月11日
ポッキーの日にまだまだ負けていますが、「介護の日」でした。
その日に合わせて地域、社会の介護意識などの到達点を確認されようとされた訳ではないでしょうが、グループホームのNさんが、外出したまま戻ってこなくなりました。
職員・ご家族・警察による捜索や、はいかい高齢者おかえり支援事業の協力あって約1時間半後に発見の連絡が入り無事に解決。
発見の経緯は、あちらこちらの通行人に手を繋ごうとされていたNさんを見て、「迷子かな?」と感じた30歳代の男性が声をかけ、手を繋ぎ、もよりの交番に一緒に行って頂けたとのこと。
いや~本当にありがたいし、心強い。
素敵な方々が社会の中に増えてきていると実感できました。
警察も迅速に対応・捜索を始めて頂けましたし、警察犬の投入準備も進めて頂けて、本当に心強い。
迎えが到着するまで、交番内で話しをして頂けたおかげで、Nさんは穏やかな表情で待たれていました。 本当にありがとうございます!
社会の介護に対する意識が感じられた出来事でした。
帰り際に「じゃね おばあちゃん」と声をかけられていました。
素敵な方とご一緒できてよかったですね。
ホームに戻ってからも穏やかでした。
もちろん再発防止に努めなければなりませんが・・・
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
最初から捜索に加わっていた役員「和田行男」にだけ発見連絡をし忘れたオチつきでした。「まだみつかりません」と必死に探されている連絡メールを見て、「しまった!!!」 失礼しました。
36と64
こんにちは、クラブ滝子の山本です。
朝夕が日々寒くなってきています、皆様風邪はひかれていませんか?
寒くなると布団から出にくくなるので嫌だなぁーと思いつつ、紅葉がぐっと綺麗になる頃なので、利用者さんとどこに行こうかとワクワクします!
先日、送迎の帰り道に車のラジオから流れてきた言葉に、素敵だなぁと感じたので、ブログを書きました!
人間、泣く時はシクシク泣きます。人間、笑うときはハハハ!と笑います。
人生で泣くと笑う、どちらが多いでしょうか?
人生を100とすると、泣くは4×9=36、笑うは8×8=64です。
数にすると足して100!
人生笑うことのほうが多い、そんな幸せな人生でありたいですよね。
なんたかオヤジギャグみたいだなーと思いながらも、ラジオにほっこりしました。
クラブでは、十人十色の利用者さんが集まって食事のメニューを決め、買い物に行き、ご飯を作り、片付け、お茶を飲んで、一緒に出かけます。
皆さん生まれた環境も、育った環境も、考え方も、料理の仕方も、好きなものもバラバラです。
ましてや、脳の病気に対しての理解などはとても難しく、それはそれは…毎日が戦場(スタッフにも、利用者さんにも)です。
かなりキツい言葉が飛び交うこともあります。
けれど、その言葉をいかにして笑いに替えるかを、今試行錯誤しています。
クソババア!と言葉が出れば、全員がババアだったと笑えるように。
靴下を手に付ける方がいれば、一緒に手につけて踊ってみたり。
ザルを持ち歩く方がいれば、ドジョウすくいをやってみたり。
服を重ね着する方がいれば、利用者さんの服を拝借してファッションショーにしてみたり。
叫ぶ方がいれば、一緒に叫んでやまびこの真似をしてみたり。
皆さんでバカみたいー!と笑いあえるように、一瞬でもクラブで過ごす時間が楽しいと思ってもらえればいいと、毎日バカばかりやっています。
64の笑う時を少しでも感じてもらえる、クラブ滝子でありたいなぁと思います。
小規模多機能・クラブ滝子 山本裕子
「人として生きる姿」を支える
先週のある日。
外出から戻ると、ひっきりなしに出たり入ったりされているNさん。
20時近くで、外は雨模様。
傘をささずに・・・
パジャマ姿で・・・
時々裸足で出られていました。
これでは申し訳ない。
「人として生きる姿」を追求する波の女にとって、大きな課題であります。
フロアのスタッフは2人。
1人は入浴介助。
もう1人は就寝介助や、トイレ誘導に、転倒リスクある方の見守り等。
外に出られる野村さんに、付いて行く支援までなかなか手が回らない時間帯。
少ない職員で多くの方々を介護・支援する私達は「優先順位」や「予測力」が大切です。
この場合の優先順位はどうなのか?
天気は良く、昼着で履物をはいて出られているのであれば、ご自身で戻って来る力を有するNさんのペースで動いてもらってもいいのだと思います。
ご家族との間でも合意できておりますし。
しかし、雨が降る暗い夜道を、傘もささず裸足で歩く事をそのまま見ている訳にもいきません。
せめて上着をはおり、履物をはき、傘を渡す支援は最低必要なのだと思います。
そこに行き着けていない視点・支援を身につけるのが私達の課題ですね。
「仕方ない」「どうしようもない」で片付けられないのが私達の仕事です。
「人が生きる姿を追求する」と謳っているのですから。
そして環境面の工夫。
傘や履物が置いてあれば、持ち出し使用する能力はまだ残っているので、つけない事情がある時用に、傘10本、履物10足を100円均一で購入し、2ヶ所の出入り口に置きまくるとか。
そもそも、ホーム内に留まれるようなアプローチを行うのが最優先ですが。
「人として生きる姿」を支えるという事は本当に大変な事です。
まだまだ工夫に努力を重ね、実践力を身につけないといけないですね。
そして「なんとかしよう」とする姿勢を持ち続けることですね。
皆で考えていきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
自分に寄せるか 自分が寄るか
最近の日々の中で思うことをシェアしたいと思います。
認知症、とりわけ対応が難しいとされる方に対して、
自分に寄せるか自分が寄るかということです。
たとえば食事の際に箸ではなく菜箸で食べてしまっている。
もしくは手で食べてしまっている。
この時介護職員はどうふるまうべきか。
多くの場合職員がそれ菜箸だよ、
お箸これ使ってくださいと渡したりします。
ただし最近は他の利用者の方が何か言わない、
もしくは不快な素振りを見せない限り
なるべくそれはそのまま注意して見守ることもいいのではないかと思います。
介護職員の仕事として、とんちんかん行為を是正し
できるだけ社会の一般常識の中にとどめようとすることも
大切な仕事かもしれませんが、
認知症の状態にある方に対しては、
症状がある一線を越えてしまうと
それが留めるのではなく押し込めるになってしまうと感じています。
そしてそこまで症状が進んでしまった場合は、
そのような行為を大らかにまず認めること、
職員ではなく利用者同士の反応や働きかけ、本人の行動の変化を待つことも
大切なことではないかと感じています。
認知症が受け入れられる社会にするためには2つの方法があります。
認知症の方がリハビリを続けなんとか社会での常識を保ちながら生きていくこと。
大事なことだと思います。
ただもう一つ、社会の方が認知症の方に擦り寄り
できる限り常識を押し広げて見守り支えるということ。
もしくはそのような場所を社会の中につくること。
自分が正しいと思うことを人に働きかけることは簡単です。
しかし自分が納得できなくともその人の状態、思いに寄り添い
理解し自分が寄っていくことも同じくらい大切だと思います。
そして後者の方が自分の意志の問題であり、
認知症の進行を止める、もしくは逆行させるという
とんでもない難題よりはるかに簡単なことではないかと最近思います。
認知症のとんちんかんな行動を指摘している時(ついついしてしまうものですよね)
時には自分は砂漠に水を撒いているような気になります。
しかしその指摘に変えて自分が何かのきっかけをつくり
他の利用者さんが指摘してくれたり、
皆さんが笑って受け流してくれたりすると
それは確かに次につながる力を感じることができます。
自分の世界を知ること。その対岸にあるものを捉えること。
最近ぼちぼち秋の夕暮を眺めながら
空の向こうにある素敵なオレンジ色の正体は何かとぼんやり考えたりします。
(ビールを飲んで気持ちよくなっているから?)
こちらはビールを飲んでも真剣ですねー
小規模多機能・クラブ滝子 町上貴也