向かい合う

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小規模多機能・クラブ滝子の利用者と向かい合う、向き合うスタッフ町上。

 

私達の仕事の「姿勢」でとても大切な姿です。

「介護」は楽しいことや、やりがいもあります。

しかし、苦しい事、辛い事、大変な事、難しい事の方が多いものです。

それは「介護」に限らず、多くの人間関係に言える事でしょう。

 

そんな時に、逃げ出さず、放り出すに、向き合うという姿勢はとても大切な事だと思うのです。

 

苦しみ・困りごとを教えて下さい

苦しみ・困りごとと分けて下さい

微力ながら力にならせて下さい

 

そんな姿勢を持ち続けていきたいものです。

 

でも時には向かい合って詰めすぎると、お互い疲れ果ててしまう事もあるでしょう・・

そんな時は横に座り、肩を寄せ合い、同じ風景を見ながら、楽な気持ちで同じ感覚を共有してみるのがいいと思います。

 

「向かい合う」から「寄り添い合う」

 

介護、人間関係は、姿勢や立ち位置で見え方、感覚が変わってくるものではないでしょうか。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

写真手前は、新しい畳に替えた後のものです。

リニューアルした「クラブ滝子」へどうぞ!

 

 

 

2015年06月19日 Category:スタッフ日誌

「認知症」と「道路交通法」(後)

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(前回の続き)

 

今回の改正による当事者へのフォローはどうなっているのか、最寄の警察署と、その後にアクセスする窓口に聞いてみました。

 

(質問)

「疑いあり」と通告し、受診してもらった結果「認知症」と診断された後の手続き、フォローはどのようになりますか?

(回答)

「検査の結果、疑いがある場合は、専用の診断書用紙を渡しますので、医師に診断してもらい、提出して頂きます。

その結果、「認知症」ありと診断された場合、運転免許試験場(警視庁及び、各県の道府県警察本部(委任)管轄)の中に「適正相談」という所があり、基本的にそこで保留や取り消しの判断をする事になります。」

 

(質問)

「保留や停止となると生活様式が変わりますし、診断結果に不安や混乱が生じると思うのですが、そこをフォローしてくれる所を紹介して頂いたりしてくれるのですか?」

(回答)

「認知症の対処についてはよく分かっていないのですが・・」

「認知症コールセンターなら案内できるので、そちらに聞いてもらえますでしょうか」

 

 

との回答でした。

やはり、道路交通法上の免許の保留や停止、取り消しの事務的な手続きのみで、当人や家族のその後の事についてはフォロー体制ができていないようです。

 

確かにコールセンターに電話すれば相談に乗ってもらえます。

しかし、利用できる時間帯が限られていますし、平日でも休みがあったりします。

どちらかと言えば、地域事情に精通している「地域包括支援センター」にダイレクトに繋いでもらえた方が、車を使えなくなるというケースではなにかと助言やサポート体制を確立しやすいのではと推測します。

 

単に「あぶないから取り消し」という事務的な流れだけではなく、認知症という状態にある方へのフォロー体制も含めて取り組んでいく必要性があると思うのですが・・

いかがでしょうか?

 

気づかないうちに、生活に支障をきたしてくるのが「認知症」の特徴です。

車を使えなくなる事で、支障をきたす事が一気に増え、加速していく事も考えられます。

混乱やストレスにより進行が進んだり、家族の苦悩や不安も高くなっていきます。

 

まだまだ、認知症に対する支援体制や意識の広がりが足りない中で、診断の確定ばかりが進んでいくのは危険だと思うのです。

そんな中ですので、専門職である介護施設や介護職の奮闘が必要なのではないでしょうか。

地域や関係機関と繋がり、「認知症になっても大丈夫」と言える時代、地域を目指していきたいものです。

 

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 自覚症状があまりなく、検査を受ける機会が先延ばしになりがちな「認知症」診断。

免許をお持ちの方に限りますが、家族が病院受診を進めにくいときには、更新月でなくても「免許更新手続き」があるという口実で窓口へ行ける仕組みを確立し、検査を受けれる仕組みにできると早期発見に繋がるのではと思いますが。

どうでしょう?笑

 

そもそも60歳以上くらいから始めるべきだと思いますが・・

 

 

 

 

2015年06月17日 Category:スタッフ日誌

「認知症」と「道路交通法」(前)

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75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際の検査で「認知症の疑いがある」と判定された場合、「医師の診断を義務づける」ことを盛り込んだ改正道路交通法が衆議院本会議で可決され、成立したとのこと。

 

免許更新時の行われる認知機能検査(講習予備検査)では、以下の項目について検査を受けます。
時間の見当識(検査時における年月日、曜日及び時間を回答する)
手がかり再生(イラストを記憶し、一定の時間をおいて回答する)
時計描画(時計の文字盤及び、指定された時刻を指す針を描く)

約30分程度で検査を行い、その場で書面にて結果が通知されます。

この検査で「認知症の疑いがある」と判定された場合、医師の診断が義務づけられました。

診断書で認知症と判断されたり、診断書を提出しなかったり場合は、免許の取り消しや停止となります。


検査で「問題なし」とされた人でも、逆走など認知症と疑われる交通違反を起こした場合は臨時の検査を受けることになるそうです。



今回の改正は、事故を減らすために必要な事です。

ご本人にとっても、社会にとっても大切なことです。

でも何か足りないような気がします。

 

まず「危ない方の運転をやめさせる」が中心になっているのではないでしょうか。

その次に、車がない暮らしの課題ばかりが新聞やニュースでクローズアップされています。

一部の専門機関や団体が、その課題にどう対応すべきかという研究を行い、報告書やリーフレットを出していますが、認知度が低い状態です。

 

免許の更新を機に、「認知症」の診断、申告の機会増える事になると思います。

免許を持っている方で高齢の方は3年に一度、認知症の疑いがあるかどうかの検査を受ける訳ですので。

「早期発見」はとても大切なことです。

 

 

しかしその先の道筋が整えられているかどうかが、本人や家族にはとても大切な事です。

どこに相談したり、協力を依頼したりすればいいのか等の「どこ」「だれ」「どのように」といった具体的な道筋が示されないままに「疑いがあります」「認知症です」と言われてしまう当事者の事が置き去りにされたままの「安全確保手法」が先行していないでしょうか?

その後「ご本人がどう生きていくか」「どのような支援体制があるのか」が並列で語られていかなければいけないのだと思うのです。

そこがあまり前面に出ないままに、診断確定が進み、該当者は「免許取り消し」者が増えていく事がないようにしていけるといいのですが・・

 

長くなりましたので、次回(2日後)に続きます。

いろいろ疑問、予想を持ちつつ警察窓口へ行って聞いてみた事を中心に情報UPさせて頂きます。

 

皆さんもどのような仕組みや、フォロー体制があっての今回の改正なのか調べたり、予想してみて下さいね。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

「疑いあり」となり、病院へと言われてしまう本人さん。

その気のある方が、「そうですか」と素直に病院で行くのでしょうか?

その場合、配偶者かその子等のキーパーソン的な方にも同時連絡できる仕組み確立の準備をしておいた方がいいと思うのですが・・・いかがでしょう?

2015年06月15日 Category:スタッフ日誌

よくあること

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いつも行く市場内で二手に分かれ買い物をしている最中の出来事です。

 

もう一組は順調に進んでるかな?と様子を見にいくと、3,4名のあちこちの店員さん達となにやらガヤガヤしていました。

 

「どうかされました?」

「先生~ 野菜買ったけどお財布ないから払えないのよ」

「? 手にメモと一緒に持っているのは何ですか?」

「!!!!  やだ~ 自分で持ってるなんて気づかなかったわ」

(一同大笑い)

 

この出来事で何を感じたのかと言いますと、店の方々は「ふつ~」に対応されており、認知症という状態にあり、施設を利用・入居している要介護の高齢者といった認識のもとで対応している感じが全くないのです。

 

一緒に探し、一緒に大笑い。

 

暖かい人と人の関係性が、やけに微笑ましくみえた瞬間でした。

こんな関係が社会に広がっていくといいですね☆

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2015年06月13日 Category:スタッフ日誌

「食べない」にどう応えるか

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2階グループホームに今月から入居されたUさん。

入居前の老人保健施設利用より、食事をあまり食べられようとされないとの事。

 

生活感たっぷり、主体的に動く事もOK、食べたい物も食べれる環境により、少しずつ改善するでしょう・・・

と思っていたところ、変わらず?  いや、更に食べられようとされません。

 

「まあどうなってもいいですわ」と食べる意欲、生きる意欲を失っていっしゃります。

「このままでは死んでしまう!」と危機感を持ち、チームでアプローチを続けています。

 

まずは「嗜好」の調査とアプローチ。

食べたい物、食べれるもの、飲みたいもの、飲めるもの・・

食形態や見た目、温かいもの、冷たいもの。

甘いもの、味の濃いもの。

興味を引くものあれやこれや用意。

 

次に「場所」「環境」の工夫。

ホームの食堂でだめなら、居室内でどうか。

事務所でどうか。

オーム内でだめなら外はどうか。

喫茶店ではどうか、食堂だとどうか。

食べるタイミングを変えてみてはどうか。

人間関係は影響を与えていないだろうか。

 

そして「体調」の把握。

脱水の状態はどうか。

便秘の状況はどうか。

薬の副作用はどうか。

痛みは、苦しさはどうか。

ドクター、看護師も絡めながら体調や何らかの疾患が関係していないか探ります。

検査や調整を含め体調の把握、調整を進めます。

 

それに加え「心」へのアプローチ。

興味のある話や事柄等、キーワードを探し活用します。

そこから活動へ繋げます。

釣りが好きならと、つり堀へ行ってみたり、つり新聞を用意してみたり。

ホームセンタやスーパーへ必要なものを買出しに出たり。

本能に絡め、エロ本に反応示されるかどうかも試してみたり(笑)

 

とにかく、心と体の状態を探り、いろいろな事をアプローチし続けています。

でもだいたい10個試して10個ダメ。

その繰り返しを続ける中で、10個試して1個なんらかの良い結果が得られればそれでいい。

それくらいのつもりで挑み続けないと、なかなか成果がでない事は介護ではよくあります。

 

好結果はまだ出ていませんが、現在点滴による脱水状態の改善で体調を整えながら、食べれる物が少しずつ出てきています。

それに加え、心を動かすアプローチとして、よく行われていたとの情報から「将棋」を準備し実施しているところです。

将棋をされている時の集中力と能力は目をみはるものはあります。

 

 「あれがだめならこれはどうか」

あきらめずに本人の心と体に関わり続ける。

この姿勢を維持し続けるのが専門職というもの。

なんとかしたいものです。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

 

2015年06月11日 Category:スタッフ日誌

環境が人を育てる

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昨日は、1階職員の山本君につき、OJT(オンザ・ジョブ・トレーニング)を行いました。

 

OJTとは、実際の現場の仕事ぶりを見せてもらい、どこが良くて、どこに改善点があり、どうしていくがいいかを実際に見せたり、助言したりしながら能力を伸ばしていく取り組みです。

 

滝子通一丁目福祉施設の立ち上げ時から入社し、4年目に突入の山本君。

介護知識・技術・経験なしで波の女に入社しましたが、職場の方針や風土、リーダーの仕事ぶりに影響を受けながら順調に育っていると感じました。

 

介護は知識技術が必要ですが、それより仕事に向かう「姿勢」や、人の話を聞く「態度」が大切なのだと彼を見ていて感じます。

1日の終わりに振り返りを行ったのですが、その中で次の課題を与えました。

きっとそれに向かう中で更に一皮向け、チームに好影響を与えていくのだと信じています。

 

人が育つには職場の方向性、チームの人間関係等の「環境」が大きな影響を与えます。

その風を吹かせつつ、称えあいながら、個人やチームが育っていくのをサポートする企業風土が欠かせないのだと思います。

 

 

緊張の1日だったでしょう。笑

感想を皆に報告して下さいね。

お疲れ様でした。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

 

 

2015年06月09日 Category:スタッフ日誌

「死にたい」にどう応えるか

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自宅での暮らしが色々と難しい、危ないとの事で緊急入居されたMさん。

少しずつ食事・水分がとれ、歩き出し、入居後数日間がまあまあなスタートで過ぎています。

 

ご飯の声かけをさせて頂くと、もごもごと「○○たい」「○×△■といて」と言われます。

??

 

聞き流さずに、何回か聞いてみると・・

「死にたい」

「ほかっといて」

 

と言われました・・・

 

アルツハイマー型認知症にうつ病もある方で、よくそのように話しされるとの事。

しかし久しぶりに聞いた言葉です。

 

目の前の方々のためにと仕事をしている私達。

その方の意志を尊重しいきたいものです。

その立場の私達は 「死にたい」「ほっといて」と言われて、「分かりました」と言える訳でもなく、困ってしまうものだと思います。

 

その原因には「病気」がそう言わしているという事もあるでしょう。

病気の側面には、「医療」「薬」等の関わりが必要でしょう。

 

別の視点では、私達がそう言わせてしまっているのかも知れません。

 「死にたい」はご本人の主体的な言葉に聞こえます。

しかしその言葉を置き換えると、

「こんな暮らしなら生きていても仕方ない」

「生きている意味を感じられない」

「死んだほうがまし」

と、私達の関わりや支援不足、環境設定に原因があるのではと置き換える事が必要になります。

 

家ではそのような言葉が出ても仕方ないのかもしれません。

しかし施設を利用され始めた以上、この言葉を真摯に捉えていく姿勢が問われるのだと思います。

「聞き流す」でもなく、「ごまかす」でもなく「困る」でもなく。

 

自分で生きていく力を失いかけていくと、専門職の私達に出会います。

その私達までもが困ってしまい、目を背けてしまう訳にはいきません。

 

「辛いですよね」

「お気持ちを少しでも分かる努力をさせて頂きます」

といった共感を示す態度と、生きていると実感(体感)できる暮らしを一緒に探す努力をし続けなければいけないのだと思います。

 

それには時間がかかると思います。

些細なことからでも「できた」と感じて頂ける事はないか?

自分の力で「やれた」を感じて頂けることはないか?

そして同じような境遇にある他者との関係性を繋ぎ、自分は1人ではないんだと感じて頂けないか?

自分が必要なものを外へ調達しに行き、社会の中で暮らしていると感じて頂けないか?

 

そんな事の繰り返しや、それを支えようとする専門職集団に出会っていく中で、変わっていくのではないかと思います。

いかがでしょうか?

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

2015年06月07日 Category:スタッフ日誌

ガサいれ?

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本日の1階は「南知多」へ海の幸を食べに皆でドライブに行きました。

 

といっても体調が良くない方がみえ、自分は付き添いで施設に残りましたが。

 

残られた入居者は横になられていますし、何をしようか・・

という事で、留守中申し訳ないのですが、今日は居室内チェックをさせて頂く事にしました。

 

居室で過ごす事がある方(結構皆さんリビングで過ごされる方が多いです)は、居室の中にその方の個性や情報が残っています。

普段はゆっくりと居室内チェックをする事があまりできません。

堂々と、部屋の中をチェックするのも変です。

ですので、買い物や外出時にご本人に分からないようにチェックさせて頂き、もとの状態に戻しておきます。

 

本日の収穫は・・

期限切れのパン

洗濯ばさみ

ブラシ

体温計のケース

トイレットペーパー

等々があちらこちらの部屋に。

その隠し?場所は、タンスやラックの奥とか、布団の下とか、居室の前のベランダとか。

色々個性が出るものです。

その方々にとっては大切なもの、ほしかったもの、とっておきたいもの、隠しておきたいものなのでしょう。

皆で使う共用品は少し部屋に残し、回収させて頂きました。

 

その作業の中で、ふと目にとまったアルバムがありました。

見せて頂くと、素敵な写真が結構残っています。

後で本人さんに聞いてみると「もう忘れたわ(笑)」と言われてましたが、5,60年前の写真だと思われます。

 

ということで、その時代の雰囲気のある写真をパシャリ☆

 

 

 いつも夜にお部屋に戻り、このアルバムを見ながら、回想されてみえます。

きっと素敵な頃の思い出にひたっているのでしょう。

そのような時間も大切に見守ってあげたいものです。

 

しかし、現実は日々目の前にあります。

過去に回帰、逃避ばかりしなくてすむような、「今」の自分を感じられる暮らしを創造、支援しなくてはならないと改めて感じました。

そしてその方の人生の重みを汲み取った、真摯な対応も必要なのだと思います。

 

皆さんの部屋の中の様子をチェックさせて頂くつもりが、自分の気持ち、立ち位置をチェックさせて頂く機会となりました。

ありがとうございます☆

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

付き添いした土屋さん(右側)エビフライに刺身等々満喫したそうな(笑)

 

 

 

 

 

2015年06月05日 Category:スタッフ日誌

ひもとき

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新しい入居者さんがみえました。

新しい暮らしの始まりです。

 

ところが食事をあまり召し上がられません。

もともと偏りはあるとのことですが、どうしたものか・・

とリーダーから相談ありました。

 

「ああすれば」「こうすれば」等々助言する事は簡単です。

 

でも、そこは意地悪な井さん。

ヒントを与えつつ、自分でアプローチ方法を導き出せるように仕向けます。

その時に使うツールの一つに「ひもときシート」というものがあります。

 

「ひもときねっと」「ひもときシート」で検索すれば、概要や使い方、ダウンロードできるようになっています。

 

認知症という状態にある方の周りにいる方が抱える「課題」を、「ひもとく」ための視点8分野を書き込めるようになっています。

 

なぜそうなっているのか?

なぜそのようなことをされるのか?

なぜそのようなことを言われるのか?

 

等々の原因を探っていくもので、いろいろな現象が起きる要素を、様々な視点に分解する様式になっており、そこから課題解決の糸口を見つけようというものです。

 

なぜ なぜ なぜ これを追求しようとする姿勢が専門職としての入り口です。

 

まぁその前に関係性作り、水分補給が必要ですけどね。

という事で「喫茶店行ってりゃあ」と、時間と機会もスタッフに渡します。

 

「生活の取り戻し」を目指して、本人もスタッフも奮闘せねばなりません。

頑張りましょう☆

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2015年06月03日 Category:スタッフ日誌

専門職として

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「認知症などで過去を思い出せないのは、記憶が失われたのではなく、残っているのに取り出せないだけーー」

そんな可能性を示すマウス実験の成果を理化学研究所のグループが発表したとのこと。

一時的に忘れている?覚えていない?状態になっていても、記憶細胞を活性化させると記憶が引き出されるということがあることから、そのような推論が出ているようです。

 

「記憶」は残らなくても、「感情」は残る。

これは認知症という状態にある方に対して、以前から介護業界で言われていることです。

 

認知症という状態にあって、記憶に障害を持たれていても、「記憶に残す」ことや、そこに絡めて「感情が残る」ことが分かっていれば、普段からの関わりの中で、そこを意識した声かけや態度を示すことが必要です。

それが専門職としての大切なスキルだと思います。

 

忘れてしまうかもしれない

思い出せないかもしれない

 

だから色々な場面で、「適当」や「ごまかし」「嘘」でその場をしのいでもいいように思えるかも知れません。

しかし、実際には引っ張り出しにくいとはいえ、記憶に残っていたり、感情を持てるということです。

記憶のあるなしで対応を変える事自体おかしな話です。

その一瞬一瞬の関わりの際に、誠意を持った真摯な態度で接する事が必要ということです。

 

「信用できる人か」「頼れる人か」「一緒に歩んでくれる人か」「自分の味方か」

「信用できない人か」「頼れない人か」「一緒に歩んでくれない人か」「自分の敵か」

 

そんな相手側からの見極めは、日頃の関わりの中の「記憶」「感情」の積み重ねの中で作られていくものだと思います。

ですので、私達の「態度」や「言葉」、「思い」は、相手にとってプラスであることが問われます。

それが専門職としてのスキルの一つだと思います。

 

今、うまく関わりができていないと感じてる方へ。

「記憶」「感情」に残っていくとすれば、これからでも関わり方、意識を変えれば「変わる」可能性があるということです。

自分が変われば、自分から変われれば、相手との関係も「変わる」「変われる」ものなのではないでしょうか。

根拠を知り、意識を変えるーー ちょっと挑んでみませんか?

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

 

 

 

2015年06月01日 Category:スタッフ日誌