心と体と環境と
天気が良かったある日、普段は背を向けて座っている窓側を活用してみました。
「カフェ クラブ・滝子」の登場です・・・という程ものではありませんが。笑
外の景色を眺め、心地よい風に吹かれながら紅茶を飲んでいらっしゃる小規模の入居者さん。
この方、自発的な動きがほとんどないので、立ったり、歩いたり、体を動かす機会を増やしたいところです。
でも動くには「目的」が必要ですよね。
体を動かすのは「目的」ではなく、目的を達成するための「手段」であります。
普段はトイレや入浴、買い物等の固定的な生活行為の中での動きが主ですが、もう一ひねり。
今ある環境の中で、普段とは異なる活用を考えてみるのも大切だと思うのです。
できれば、ご本人の気持ちを引く要素を絡めながら。
「あら、あんなところに鳥が・・」
「あの看板は?」
等々、立ち上がって話をされています。
施設内の環境は工夫してみると面白い要素があったりします。
心を動かす・そそる環境作りは、体を動かすための目的のひとつであります。
今後も様々な環境を活用しながら、心を動かし、体を動かす機会作れたらと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
循環
施設にスイカが届きました。
聞くと、以前施設脇の公園で遊んでいた子供がケガをしたそうで、その手当てを職員がしたとのこと。
そのお礼にと、商店街の中にある八百屋さんから頂きました。
ケガをした人をみて、声をかけ処置をする。
当たり前のようで当たり前でないこのご時勢において、嬉しくなった出来事です。
仕事途中でればなおのこと。
なかなかできそうでできない事のように思います。
毎日、地域に繰り出しているからこそ、色々な場面に遭遇します。
毎日、地域の方々と交流しているからこそ、色々な助け合いの場面に出逢います。
毎日、地域の中を歩いているからこそ、地域の一員になっていきます。
そんな地域の一員として存在してくれている職員は、とても素敵だと我ながら思います。
職員も、施設利用者・入居者も地域の一員として、「物」も「お金」も「心」も循環の中で繋がっていくのですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
有終の豊かさ(後)
(前回の続き)
翌朝出勤すると、近所の方が「家の花、お供えしてあげて」と頂きました。
ありがとうございます。
通夜と称した「宴会」も無事に終え、翌日は「告別式」「出棺」となりました。
1階の入居者を中心に、2階・3階からも入居者・利用者が集まります。
「自分の人生とは何なのか」
ひとつの到達点として最期の時に、自分のために集まってくれる人がどれだけいるか・・
亡くなった後に分かる人との繋がり。
近所の住民や喫茶店の方も見送りに来れれました。
人との繋がり
社会との繋がり
この繋がりを作れた事が、最期まで「人として生きる」を支援した到達点であるともいえるでしょう。
Tさん、素敵な時間・学びをありがとう。
そしてこの先へ還していきたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
関連記事は、今週の和田行男のブログ(「けあサポ」で検索)もご覧下さいませ。
有終の豊かさ(前)
先日、グループホーム入居者さんが、静かに息を引き取られました。
僕らの仕事は、「人として生きる」事を支える仕事です。
生きている間に、どれだけ関われるかが大切です。
しかし亡くなった後の旅立ちの時にも、多くの事を学び・考える機会を頂きます。
次に活かすために。
自分が成長していくために。
その方を忘れないようにするために。
今回は初のホーム葬となりました。
といいましても、「通夜と称した宴会」でしたが(笑)
「しんみり」というよりは「にぎやかに」ご本人を偲びながら送り出したいと職員有志が集まりました。
ありがいことに近所の方々や、他の入居者のご家族も寄って頂けました。
最初少しだけ、お焼香をまじめに執り行いましたが、30分後には・・・
「お疲れ様でしたー」
「よく頑張られましたー」
と宴会の開始です。
ご本人が頑張られました。
職員も頑張りました。
誰もに平等に訪れる「最期の時」
近くにする必要もありませんが、遠ざける必要もないのではないでしょうか。
だとしたらご本人も職員も、出会い・共に生きた時間を振り返り、賑やかに送り出してあげたいものです。
故人を目の前にしながら、生前の思い出・苦労話に花が咲きます。
撮りためた写真を次々映すたびにその時の思いや話で盛り上がります。
途中でお経をあげる職員がいたり・・となんでもありです。
途中で和田や社長も参加となり、2時間の宴会が終了しました。
一生懸命支援したからこそできる、振り返りの豊かな時間。
こんな素敵な最期もありかなと思える有意義な時間でした☆
Tさん、ご冥福をお祈り申し上げます。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
旗の基へ
介護業界の変革に立ち向かう「波の女」
その証である「波の女グッズ」好評につき、継続販売中です。
「挑み」と「繋がり」の証。
今後も続々「波の女」グッズを追加予定です。
全国に波を起こしていきましょう。
ご注文の方は問い合わせフォームからどうぞ。
「波の女グッズ」販売の所は冗談です。(笑)
希望が多ければ考えてみますが。
皆さんの介護事業所にはシンボル?ロゴ?マーク?というものがあると思います。
そのマークの由来を組織の一員として知っていますでしょうか?
そのシンボルが好きでしょうか?
そのシンボルに誇りを持てるでしょうか?
組織、仲間は同じ「旗」の基に集い、同じ方向性を向いて歩いていくものです。
その「旗」の意味を知っておくことも大切ではないでしょうか。
「波の女」はご存知「和田行男」が所属している大起エンゼルヘルプと共に、介護業界に変革をもたらすために作られた会社です。
その和田行男の代名詞?である「婆さん」の文字に絡めているのがお分かりになるでしょう。
なぜ「婆さん」か。
それは本や講演会に触れて頂ければ分かります。
自分はこの会社のシンボルに誇りを持っています。
この会社の旗の基に集まった仲間が好きです。
厳しい仕事ですが、意味ある仕事なのだと思います。
現在小規模多機能・クラブ滝子の定員を増やすために職員を募集中です。
「波の女」の旗の基に集う仲間を求めています。
気になる方は、お気軽に相談や確認して下さいませ。
施設携帯(070-6410-8388) 担当井まで。
よろしくお願い致します。
視点の真似っこ
小規模多機能型居宅介護の駒木根です。先日のブログで、視点が変!というお褒めをいただきありがとうございます・・・
といいたいところなのですが、正直者なので告白いたします、過去のこと!
以前、飲み物を床にこぼして「あっちゃー」となっている利用者さんに
「こんなことでもないと、床がきれいにならんから」と言って床を拭くスタッフの姿に傍らで感銘を受けていたのは私です。
まさか・こんなところで・真似っこがバレてしまうとは!
ちなみに‘こんなことがあると床がきれいになる‘と思うのは恥ずかしいけど半分は本当で、なかなか掃除が行き届かない現状には、床にいろんな水物を、とりあえずぶちまいてしまうのも、掃除にとりかかるひとつの手かな~と真剣に思ったりもします。
トイレの失敗があってもまずは「出てよかった、おめでと~」と思えるように、絶望的と思える事柄でも考えようひとつでプラスの事柄に変えられたり、笑いにまで発展させたれたり・・・
視点や発想って、生きる力に関わる大事な部分だなあと感じます。
もし、この仕事に技術があるとすれば、それは発想の大元にある「この人にとってどうか??」をとにかくとにかく一所懸命に考えることなのかなあと思えます。
発想に乏しい私ですが、この部分の努力しだいで、専門職として成長できる可能性があることに希望をもち、続けているこの仕事。
たくさんの仲間に支援と刺激をいただきながらやっています。
「方法」の継承ではなく「考え合う」を継承するチームに出会えたことに感謝。
私も硬い頭を頑張ってやわらかくしていきたいです。
小規模多機能・クラブ滝子 駒木根
「後追い」から「先回り」へ(後編)
5月2日 (前編)の続き
人は自分の意思を行動に移します。
「あそこに行きたい」
「これをしなくちゃ」
色々な目的の中から、「優先順位の高いもの」を決定して動いていきます。
ご飯を食べている時に、トイレに行きたくなったらどうするか。
「食べること」と「用をすませること」を天秤に乗っけ、かたむいた方(優先順位の高いもの)の行動を取ることになります。
それは緊急度や重要度、興味度や状況、相手との関係等様々な要素の中で「どちらにするか」という選択肢を決定しているのだと思うのです。
ですので(前編)で書いたような、全体や個人をリード(職員本位や都合に持ってく事とは違います)する時に、選択肢を意識したアプローチを色々試みる必要があるのだと思います。
その方にとって、緊急性、重要性、興味を引くものは何なのか。
当然その方の好みや習慣、癖、思考パターン等々色々な情報が必要になります。
そしてメッセージを伝える自分との関係性も重要です。
その結果、クラブ滝子の職員がよくアプローチしているのが、
図意図的にシュレッターゴミを廊下いっぱいにちりばめて、掃除して頂く。
濡れた新聞紙を細かくちぎって、床のほこりやゴミと一緒に掃いて頂く。
こんなアプローチをよく見かけます。
もちろん「やらせる」にならないような声かけや配慮が必要ですし、最初と最期くらいは「職員も一緒にやる」ことが大切です。
その他に屋上に洗濯物を干しに行ったり、他者の送迎に絡めて車に同乗して頂いたり。
あの手この手で「鍵を掛けて行動に制限をかけないように」を目指しています。
しかし1日中掃除をしている訳にもいきません。
そんなの誰だって嫌ですしね。
という事で別のアプローチを試みてみました。
別のフロアにいる時にはよくやっていたのですが、新聞を読んで頂いたりしました。
これも渡したらすんなり読み始める訳ではないので、導入で一緒に読みながらしっかり絡んで、読み続けられるようなアプローチが必要です。
それに加え、以前に選挙活動に加わっていたとの情報がありましたので、とある議員さんの「後援会のパンフレット」を渡してみました。
すると・・
これが結構集中して真剣な眼差しで読み込まれていました。
それも結構な時間をかけて。
やはりその方々それぞれの個性・特性を知り、活用する事は大切ですね。
結局この日は新聞やパンフレットを絡めながら、座って過ごす時間が日中で2時間程かせげました。
その分、他の方への必要な支援に手を回す事がしやすくなりました。
今後、街中での街頭演説をみかけたらチラシをもらったり、選挙前に配られる候補者一覧の新聞等の素材を集め活用したいものです。
その他に他者との絡みを意図的に作ったりもしてみました。
この方、職員事務所にも良く出入りされるので、今度は事務所の中でできる事も探していきたいですね。
とまあ、その日の目標の50%くらいは達成できたのではないかと思っています。
あとはその50%をもっともっと上げていくために、他の職員と協働して色々なアプローチのバリエーションを増やしていけばいいのだと思います。
そのために、チーム全体で意識をして色々アプローチしたり、その結果を情報共有したり皆で取り組む事を大切にしていきたいですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
普通におじいちゃんの顔♪
素敵な方です。
「視点」を変える
滝子のスタッフさんはご存知ですが、自分は結構おっちょこちょいです。
気がそぞろ? 集中力がない? せっかち? 色々な要素を持っています(笑)
先日も現場に入り、「さぁて環境を整えてから・・」と思っていた矢先に・・
スポーツドリンクが1ℓくらい入っているポットに手をかけたつもりが・・
ひっかけてほとんど全部こぼしてしまいました(汗)
やってしまった感がいっぱいです。
側にいた利用者さんへの被害はなんとかまぬがれたものの、机の上、下共に大洪水。
朝一の忙しい時間帯で、他のスタッフの手も煩わしてしまう事になってしまいました。
その時に頼れる小規模のスタッフ「駒木根さん」はこう言ってくれました。
「こういう事がなけりゃ、なかなか床も綺麗にならないですよ」
そう言って笑顔で一緒に後処理をしてくれました。
うん。相手の立場や気持ちに配慮した素敵な視点のコメントですね。
これも仲間として互いに助け合うチームとしての動き、配慮ですね。
ありがとうございます☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「外は五月晴れで快晴でも、ここだけは集中豪雨が来ましたね~(笑)」
お気楽な事を言いながら後処理をしている自分です。
「後追い」から「先回り」へ(前編)
どこのフロアにも、そのフロアの介護の質に大きな影響を与える入居者・利用者さんはいるものです。
ボス格だったり
行動力があったり
「嫌だ」という意思表示を強く出せる方だったり・・
その方々に振り回されてしまうと、後追いの対処型介護になってしまいがちです。
ずっと個別対応ができる体制であれば、その方々のペース・やり方に合わる事もできるのですが、介護の現場はそうはいきません。
一人や二人の職員で3人、5人、10人と同時に多くの要介護者を支えなければなりません。
という事で本日の自分の仕事中の目標は、「小規模多機能・クラブ滝子利用中の素晴らしい能力を持っているF様をどうリードするか」でした。
この方、起きている間のほとんどはフロアから外へ出られようとされます。
外が好きですし、外で行動する目的を持たれていますので。
でも1人で外出すると迷子になってしまわれます・・
実際1週間程前にも行方不明になられてしまいました。
滝子通一丁目福祉施設は、「意思を行動に移せる」事の素敵さを尊重し、鍵をなるべくかけないという環境を作っていますので、出たいと思えばいつでも出て行けてしまいます。
できればいつでもご一緒させて頂きたいところですが、他の利用者の見守り、付き添い、介助、支援、介護等がありますので、実際はいつでもOKという訳にはいきません。
しかし、ご本人にとってはそんな事情は分かりませんので、フロアから出られるる行動をされると、ついていくしかないのが現状です。
スピーチロックにならない程度で、フロアに留まって頂くような声かけを行ったりしますが、それで留まれる訳がありません。
出口付近にいらっしゃるだけで、常に職員はその方の所在を確認する必要もあります。
そうこうしているうちに、やらなければならない事ができなくなったり、時間が遅くなったり・・
他の多くの利用者への支援・介護等の遅れの影響は大きいものです。
だったらどうするか。
「後追い」から「先回り」「先行」「リード」型への挑みが必要だと思うのです。
専門職として、全体のバランスや優先順位をうまくコントロールしないといけません。
後追い型の対処ケアになると、未達成感や追われ感により疲弊していきがちになります。
「全体への影響度合いが大きい方をどうリードするか」
この視点をチームで共有し、皆で挑んでみる事が大切だと思うのです。
もちろんリードして「外にでないようにする」を目指しているのではありません。
リードした結果、フロアにいて頂きたい時にいて頂き、職員が動ける時に一緒に外に出る。
そんなメリハリをつけたアプローチができるようになると現場の介護はおもしろくなるハズだと思っています。
結果として成功率50%くらい?だと感じていますが、そんな取り組みを次回にでも紹介させて頂きます。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
今回の話とは別の方ですが、ユーモアたっぷりの風景です。
髪につけているのは、むいているマンゴーを包んでいたもの。
不安いっぱいでしょうけど、そんな障害など吹き飛ばす勢いの素敵なセンス。
大変な中だからこそユーモアを☆
「迎え入れ」と「送り出し」
本日は施設スタッフの歓迎会・送迎会が行われました。
新しく入られた方、よろしくお願い致します。
滝子から卒業さる方、頑張ってください。
私達の仕事は人(職員)が命です。
どこまでいっても、施設の質=職員の質です。
職員が同じ方向を向いて協働し、挑んでいけるか・・
そのような視点でみていると個性的ですが、素敵な仲間達だと思います。
仕事の質はまだまだですが、そこはなんとかなるし、なんとかしていきたいものです。
婆さんず開放運動の戦士達よ。
目の前の方々のために尽力していこうではありませんか。
全国の仲間達とも繋がっていきましょう。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
会が終わり、事務所に戻ると・・
大量の「芋ようかん」が待っていました。
東京、浅草で職員のために買ってきてくれたそうですが、賞味期限が明日まで。
1箱10個入り×5箱=50本
いそいで食べてしまわないといけません。
「職員が40人くらいいるかと思ってたくさん買ってきてしまいました」とのこと。
いやいや24人しかいませんけど。(笑)
40人の職員の顔を描いているのかも知れませんね。
その気持ちはありがたいものです。