睡眠環境(後編)
(26日の続き)
入眠環境の一つとしては、夕方以降にコーヒー、お茶、お酒を摂取していると、利尿作用によって夜間頻尿が起こりやすくなります。
脱水症状との兼ね合いもありますが、調整してみるのもいいかもしれません。
あと、五感で感じる環境面の工夫。
ちょっと睡眠に向かう環境をイメージしてみて下さい。
暖色系の少し薄暗い照明(間接照明等の活用)
ゆったりとした音楽(川や波の音、ゆったりとしたクラシック等)
少し温めの室温と、ほどよい湿度
アロマやお香などの本人にとって心地よい香り
そんな室内環境の中で、
軽い読書
ぬるめのお湯で手足浴
ホットミルクを少々
関わり方として、
ゆっくりと穏やかな表情で関わる
トーンを落とした、ゆったりとした口調で話す
ゆっくり動く
やさしくタッチしたりさすったり
時折「あくび」を混ぜてみる
どうでしょう? 眠たくなるイメージがわきませんか?(笑)
そして安心して本人に合った睡眠できる寝具。
「ふかふか」か「ずっしり」とか、「枕の高低や硬さ」は本人好みがありますが。
どちらにしても、日干しされたお日様に香りがする乾燥された寝具は気持いいものです。
「トイレに行くまでに間に合わない」といった強迫観念が強い方は、夜間のみベッドサイドにポータブル設置で「安心感」をもってもらうのもいいかも知れません。
そして、「眠たくなってから寝る」が基本。
「無理に寝ようとする・寝かせる必要」はないと思います。
ちなみに朝、目が覚めたら「日光を目から取り入れる」「新鮮な空気を取り込み感じる」
などで、体内時計をスイッチオン! がまたその夜の睡眠に繋がる大切なアプローチとなります。
(興味がある方は、「セロトニン」「メラトニン」を調べてみて下さい)
いかがでしょうか?
まだまだ色々なアプローチはあると思いますので、皆で調べる・話し合いを大切にして頂けたらと思います。
「睡眠」は、体調や病気や障害以外では、「生活習慣」「日中の動き」「入眠や睡眠環境」を整える事が大切だと思うのです。
寝る間際まで賑やかで明るい環境の基で過ごす
バタバタセカセカと走り、話す職員により誘導
「さあ寝ましょう!」
では寝れないものです(笑)
職員の対応も含めた環境面の工夫は、介護職の大切な仕事ですね。
安らぎのある豊かな睡眠環境を心がけたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
睡眠環境(前篇)
昨日のグループホームの会議で「夜間頻尿で睡眠不足」という課題があがりました。
夜間頻尿には原因があり、夜間多尿や機能的膀胱容量の減少、そして睡眠障害などがあります。
年をとり、心臓や腎臓の働きが低下すると、夜間に尿量が多くなるそうです。
そして眠りが浅く、ちょっとしたことで目を覚ましてしまいがちです。
本人も「トイレに行きたくて起きるのか」「目が覚めるからトイレに行くのか」どちらか分からなくなっているかも知れません。
本人も周りも、なかなか辛い状況ですね。
身体の機能的な事や障害面は主治医との連携が大切です。
日頃の状態を伝え、薬等の調整が必要となります。
それ以外では「睡眠環境」を考える事が現場では大切です。
「生活習慣の改善」「入眠環境」「睡眠環境」をどう整えるかですね。
現場で意見が出たのは、「昼間の活動量を上げよう」でした。
基本中の基本ですね。
昼間する事なくウトウト。
それで夜の睡眠が少なくなるのはごもっともです。
活動量を上げるための声かけ方法も含め、皆で共有・アプローチが必要です。
生活習慣の改善として、起床・就寝時間・食事の時間をある程度整える事が大切です。
不規則ですと、体の方がいつ排尿すればよいのか混乱してしまいがちです。
ですので不規則にならないようにする事に加え、活動のある生活習慣を確保する事。
「自分が生きる・暮らす上での必要な事を、自分でできるように」が、介護では基本だと思うのです。
まずはそんな生活リズムの見直しを行えたらいいですね。
長くなりそうなので、「後編」へ。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
寝る前のひと時・・
コーヒーを飲まれようとしています。
寝れる方は寝れるかも知れませんが・・・・
自分は寝れなくなってしまいます(笑)
凝り固まった
ご利用者、ご入居者、ご家族、地域の皆さま、そしてブログを呼んでくださっている皆様のおかげで、4年目を迎えることができました。
本当にありがとうございます。少しでも皆々様に、お還しできるように頑張りますので、これからも宜しくお願い致します。
3年という年月を共にさせて頂くなか、年齢を重ねること、持病が悪化すること、認知症が進行することなどにより、介護を要する時間が増えてきました。
日頃、『有する能力に応じること』『出来る所は、自分のチカラが発揮できるように』と、考えて実行してきました。
しかし、御本人の為にしているハズが、御本人にとってズレが生じていることがあります。
例えば、一般浴(家庭にある浴槽と同様)と
リフト浴(椅子に座ったまま、吊り上げ浴槽に入れる)です。
Aさんは、3年前の利用開始時、一般浴槽への出入りの際、掴まる手摺が分かるように声掛け、手で確認して頂くと、浴槽をまたぐことができていました。
2年後のある時から、浴槽に入ると、浴槽の中で立ち上がることが出来なくなってきました。
職員間で、話し合い浴槽内に低めの椅子を置くことで、立ち上がることがスムーズにできました。
Aさんが、お風呂に入れるように環境の整え方も職員間で、統一しました。
少しずつ、浴槽への跨ぐ際に、足を上げる支えが必要になったり、立ったままでは不安定なので、座った状態で跨げるように介助してきました。
そうして先日、久しぶりにAさんのお風呂の際に介助させていただきました。
手摺に掴まるけれども、手を放すことができず、浴槽をまたぐこともままなりません。
座った状態で跨げるようにしましたが、何か力んでしまっています。
丁度、新入社員Bさんも同席しており、Bさんから
『Aさん、不安が募っているみたいですよね。』と。
その時、ハッとさせられました。
『お風呂に入って貰いたい。』という私の思いでしたが、『浴槽に入ってリラックスできるように』に着眼してしまい、その前後にあるAさんの不安を取り除くことも重要であることを置き去りにていました。
恥ずかしい限りです。
一つの動作に表情や、身体への力み方など確認しながら、不安や恐怖心があるようならば、取り除くためにどうしたら改良を重ねていくことが大切でした。
リフト浴を試したところ、終始リラックスされていたと聞きました。
その後も何回か、リフト浴を使用し、一般浴とは格段に本人の表情も良く、不安が解消されてきています。
私の頭のなかで、リフト浴は最後の砦と思い込んでいるところがあり、何とか出来ていることに、凝り固まっていたと反省しております。
御本人にとって、御家族にとって、介護者にとって、、、。
やわらか~く、やわらか~く。御本人と、御本人を支える仲間(御家族・地域の方・職員・専門職等々)と共に探究!!していきます!!
滝子通一丁目福祉施設 副施設長 佐藤 恵美子
生活に関わるということ
先日、1Fで4月の職員会議が行われました。
そのなかである入居者の夜間頻尿が議題に上がりました。
その方の普段の様子は
21時すぎに「おやすみ~」と言われ、自分のお部屋へ行かれます。
そして現在23時.。
ここまででトイレへ行かれること、5回。
波はあるものの、トイレに行かれることで夜間の睡眠が十分ではないようで
日中、うたた寝してしまうことも…
そうなると、昼間の活動量が減少し、夜間の睡眠がとりづらくなってしまい、また昼間に疲れが残ってしまい、さらに活動量が減少してしまっているような状況です。
歳を重ねると、膀胱の容量が減少したり、眠れなくなったりなどで
頻尿になりやすい傾向になります。
薬もでていますが、なかなか抑えることは難しいようです。
打つ手がなく、このまま負のスパイラルを続けることは避けたいところ!!
よくありますが、トイレの回数が多い。その状態だけを見て、頻尿で眠れてないと思ってしまいがちです。自分自身もそのように考えてしまいがちです。
頻尿が原因で夜眠れてない。ただ、それだけに着目してしまいます。
なぜ眠れないのか、なぜトイレで目が覚めてしまうのか、
夜に眠れていないことは他にも要因があるのでは…?
日中の過ごし方であったり、就寝場所の環境であったり、その方の排泄への不安などの心情はどうであるか。
その方の1日の生活に関わっているからこそ、見えてくるものがあるのではないかと。
なにかできないか?と思い、
20℃を超える日も増え始めたここ最近。
近くの喫茶店へ通い始めました。
足腰を使い、活動量も増え、なんとか夜にぐっすり休んで頂きたいところ。
生活に関わっている介護職だからこそ、広い視野をもち、ひとつの症状や状態をみれるようになっていきたいです。
12時を過ぎました
少しずつ、変化がある日もあるようですが…
写真2
継続は力なりを信じて、頑張ります(^^;)
滝子通福祉施設1F 藤田 賢也
なみのおとこ
こんにちは。
今月より、小規模多機能・クラブ滝子にて働かせて頂いております和田健二といいます。
約1年前まで波の女のグループホームに所属しており、一身上の都合にて退職し、そして今回再びお世話になることになりました。
こんな私を受け入れて下さったご入居者・ご利用者、そして職員の皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、一所懸命頑張る所存です。
約1年間、他社で培った経験を活かし、波の女へ恩返しができればこの上ありません。
今年度、波の女はまた新しいことに挑んでいく予定です。
その中で、また折に触れてご報告させて頂ければと思います。
以上、何の取り柄もない「並の男」ではありますが、どうぞよろしくお願い致します!
お互い様?
近所に貼りだされていました。
「助けられたり」
施設職員や利用者・入居者はいつもいつも地域の方々に助けられています。
行方不明になりかけの方を見て教えてくれたり・・
差し入れをして頂いたり・・
挨拶や声をかけてくれたり・・
分からずに自宅のものを持ってきても理解してくれたり・・
分からずに自宅に入っても丁寧に対応して頂いたり・・
その他あれやらこれやら・・
本当にありがたいことです。
では「助けたり」
・・・・
・・・・
・・・・
????
となっていませんか?
・・・???を具体的に行動にできるようにしていく事が私達に求められています。
特に地域密着型サービス事業所としては大事なところですね。
個々で何ができるか。
何を描けるか。
一度皆でしっかり考えていきたいものです。
ご近所づきあい。
住みよい街づくり。
生活支援には欠かせない社会環境ですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
こっちで、声をかけて頂き。
あっちで声をかけて頂き。
認知症という状態になっても・・
要介護状態になっても・・
地域の中で暮らしていけるって大切ですよね。
ありがたい事です。
粘り強く
パジャマ姿で「さようなら~」 と自宅から職員を見送る小規模多機能・クラブ滝子の独居の利用者さん。
ただいま、朝の10時。
朝8時半頃自宅に伺い、朝食、薬、ゴミ出し、冷蔵庫チェック、環境整備等々を行います。
その後「さぁ着替えて、クラブ滝子に行きましょうか?」と声をかけるも・・・
「頭フラフラで・・今日は寝ときます」 といつものセリフ。
少し粘ってみたり、言い回しを変えてみたり、話題を変えて気分を変えようとあの手この手でアプローチするも、出る気になられませんでした。
そんな場合はいったん引きます。
「また後で、来ますね~」
それで写真のシーン。
10時前に2回目の送迎でお迎えにあがりました。
でも、外出する気になれず、再び退散。
その日はむりやり外出する必要もないので、クラブ滝子の通いは休み扱いとなりました。
そんな時は室温等環境セッティングを行い、水分を摂って頂き、昼食の段取りを行い去ります。
しかし、夕食の薬を飲んで頂かないといけないので、また夕方に訪問をかけます。
自宅の暮らしを支えるというのは、結構手間がかかります。
独居の場合、事業所ペース・都合で事を進めるのも難しい場合がありますし、そうしたくないという事もあります。
通い、泊まり、訪問を臨機応変に組み込む・組み換える。
必要に応じて必要な分関わる。
小規模ならではの粘り強い支援により、自宅での暮らしを支えていきたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
きじ・・・なんとかの煮付け。
高級魚との事。
とてもおいしいかったです。
和田行男が長崎五島列島で釣ってきて、副施設長佐藤が調理して職員にと振舞って頂きました。
後五島列島の話は「けあサポ」の和田の直近のブログで紹介されています。
どう捉えるか
部屋でごそごそされていた方が、なにやら箱の中に収納されていたので、後で見させて頂いたところ・・
尿がついたズボンとスリッパが入っていました。
コミュニケーションを図るのが少し難しい状態で方ですが、羞恥心はしっかり持ってみえます。
体のセンサー、判断・思考力、環境把握能力等々を駆使し、なんとか自分で処理をされようとされていたのでしょう。
人としてとても大切な感覚であり、その気持ち・行動を汲み取った対応が問われるのが私達の仕事です。
「また、失敗して・・」
「こんなところに隠して・・」
ではなく
「出ないよりかは出てよかった」
「尿から体の状態を把握する情報が察知できる」
「しっかり羞恥心が残ってみえる」
「自分でちゃんと処理され素晴らしい」
と思えるといいですね。
捉え方一つで、その後のその方への対応が変わってしまうものです。
そしてできればなるべく失敗を回避できるように関わりたいものですね。
それが専門職としての視点と動きなのだと思うのです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
色々な事が分からなくても。。。
話なんてできなくても。。。
人としての素敵な姿・瞬間はいくらでもありますよね☆
嬉しくない話
今年1~2月、虐待の有無について全国の3万5278施設に調査したところ、8988施設から回答がありました。
実態として1510施設で2012年以降の3年間に高齢者への虐待があったり、虐待の疑いがあったりしたとのこと。
調査に回答した施設の2割弱にあたります。
人手不足の施設ほど虐待が多い傾向もみられました。
(NPO法人・全国抑制廃止研究会)
(4月11日 朝日新聞デジタルより一部抜粋)
名古屋では今月、口の中に手を入れ鼻をふさぐ、下半身を撮影する等で職員逮捕のニュースが出ていました。
【虐待】保護下にある者(ヒト、動物等)に対し、長期間にわたって暴力をふるったり、日常的にいやがらせや無視をするなどの行為を行うことを言う。
力加減でいけば、強い者が弱い者に。
状況的には、第三者からみて「むごい」「かわいそう」に思えるようなこと。
(私達の目の前にいる人たち)
私達は「虐待を受けたい」とは誰もが思わないでしょう。
目の前の方々も同じと考えるのが普通です。
不本意ながら自分の意思や能力で自分を護ることが難しくなってしまったのです。
ですから、「困った」「助けて」と施設を使い始めます。
ですから、「職業人」「専門職」として関わっていきます。
「人が生きる姿」「人として生きる姿」を目指して。
契約や重要事項説明に基づきお金を払って頂きます。
契約や重要事項説明に反し、むごいことをします。
これでは、本末転倒であり犯罪です。
一部の出来事とはいえ、このような事が続く限り、社会の「介護事業」「介護職」に対する評価は上がりにくいでしょう。
評価が下がると言えば、虐待ばかりではありません。
利用を拒否したり、利用途中で中止させたり、横柄な態度で自分都合を押し付ける等々も同じですよね。
「一」は「全」
「全」は「一」
私達1人ひとりの言動は介護業態全体に繋がっています。
目の前の方や国民からお金を頂き、私達は生きています。生かされています。
お金を頂き、むごいことを返すことがどうなのか・・・
私達「介護」の使命は何なのか・・・
今一度、「自問自答」「施設で考える」機会としていきたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
とは言っても・・
介護はなかなか厳しい場面はあります。
疲れ果てて「つい」という事も分からなくはないです。
しかし100歩引いて家族なら・・という事はあっても、仕事として関わっていく私達はどうなのか・・
自分との闘いですね。
「志」を抱くこと。
「チーム風土」を整えること。
職員を大切にできる組織でありたいと思います。
「心に花を」
嬉しい話
「この施設で働こう」
就職希望の方はそう決心する前に、その会社について色々調べたり考えたりするものです。
今月から入社された職員さんは、こんな理由も入社の決め手となったようです。
近所(施設の)に知り合いがいて、「あそこはいい所よ」と言って頂けたとの事。
その近所の方とは・・
これまでに何回も入居中のお年寄りと接点があるお宅でした。
その接点とは・・
無断で自宅に上がり込む。
家の前に置いてある自転車を施設へ持って帰ってくる。
そんなことばかり・・(汗)
その都度謝罪に伺っていますが、「大丈夫ですよ」と理解を示して頂けていました。
しかし「本当にそうなのか?」
近所の地域住民が、施設に対し、入居者に対し、どのように思ってみえるのか気になるところです。
ところが、入社の決め手の一つとして、そのお宅の方の話が絡んでいたので、とても嬉しかったです。
人は褒められたり、認められると誰だって嬉しいものです。
それも直接より、間接的にその話が自分のところへ舞い込むとより嬉しさは倍増するものです。
更に、その話もも入社のきっかけとなったということであればさらに嬉しさはその倍となり、嬉しくありがたい思いでいっぱいです。
これは日頃の入居者の地域内での活動、職員からの積極的な地域住民への挨拶等々の賜物であると思います。
「認知症という状態になっても地域の中で普通に生きる事を支える」
近隣住民、地域住民との交流や相互理解・協力あっての「波の女」
今後も、「地域」を意識した生活支援に挑みたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ー「誰かを認める」「誰かを褒める」事を効果的にするための法則ー
間接的に相手に伝わるよう、本人の周りの身近な人にその方の事を話していく。
よかったら試してみて下さい。