最後の砦
ここ数日、小規模利用希望の方の体験利用を進めています。
もちろん希望といっても、ご本人ではなく、苦悩する家族、サービス調整をするケアマネさんの希望です。
今回もなかなか素敵な方でして、一筋縄ではいきそうにありません(笑)
初回は顔合わせのみ。
2回目は事業所へこられたものの15分でお帰りです。ここには書けませんが、他利用者に対し色々と言われ・・・
3回目も書けませんが、ご自宅にて色々と大変なことになりまして・・・
4回目の今日は、事業所で2時間滞在。他のスタッフも関わりました。 前回の記憶あまり残ってなくて良かったです。
皆の前で得意の素敵な歌声を披露して頂けました。
たった2時間。されど2時間。
自分で希望している訳ではないので、「行きます。過ごします。」とはなかなかいかないものです。
ご自分でタクシー拾って帰ることもできてしまいますので、「帰ります」とい言われると、それ以上引き止めにくい方でもあります。
また明日、違うアプローチでもう少し長く過ごせないか、昼食を食べれないかという事に挑みたいと思います。
本来であればご本人のペースでいきたいところですが・・・
ただ、近隣の方の手前、早急になんとかしないと、そこに住み続けるのは難しくなりそうで、波の女が受けれれなかったら、病院の可能性も高くなってきています。 そうなれば今とは違い、「人として生きる姿」から相当離れた姿になってしまうでしょう。
言わば「最後の砦」という立ち位置でして、プレッシャーもありますが、とにかくなんとかしないといけないという使命感や、介護業界の意地と誇りにかけて、挑んでいくしかありません。
「他では受入れてもらえなくて・・・」
波の女はそういう方の相談が結構ありますし、実際なんとかしてきたこともあります。
今回も「なんとかしたい」・・・といいますか、ご本人と会い、ご本人を目の前にすると、「なんとかする」しかないと思えてくるのです。
お会いして数回目で「あなたなしでは生きていけない」(今日だけだと思いますが(笑))と言って頂けるまで信頼を寄せて頂けたのは良かったのですが、これでは依存的でもあるので、ここから「私はやることがある。できることがある」というご自身の力を使って生きる姿へ導いていく必要があります。
環境を整え、支援者がうまく立ち回れば、まだまだ自宅での暮らしができる可能性を秘めていらっしゃるこの方への支援に、総力戦で挑んでいきたいと思います。
ご声援下さいませ。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
認知症に備える
先週、古巣である江南市の地域の方々の集まりに呼んで頂き、お話をさせて頂いきました。
テーマは「認知症予防」という内容でした。
熱気あふれるお母様?おばあ様?方々対象ですので、楽しみ反面緊張の時間です。
さて、今回の内容はリクエスト頂いたものだったのですが、なかなか難しい。
そもそも、「認知症予防」とはどのように考えればいいのか?
予防とは、「想定される悪化に対して事前に備えておくこと」とあり、更に備えるとは 「ある事態が起こったときにうろたえないように、また、これから先に起こる事態に対応できるように準備しておく。心構えをしておく」と辞書にある。
ということからすれば、お話する内容はある程度決まってくるのだと思いました。
「認知症にならないための備え」ではなく「認知症になった時のためにどう備えるか」ということになるのではないでしょうか。
実際、「認知症にならない」ようにすることは無理であると思います。
確かに、リスクを下げる事や、発症率を抑えるためのアプローチはあれやこれやと、様々な研究や取り組みのデータから分かってきていることはたくさんあります。
脳血管性の予防においては、血管にダメージを与えないような具体的なアプローチを行えばリスクを下げることはある程度できるでしょう。
でも、どれだけいいと言われていることをしたとしても「なる時はなる」可能性を持っているということです。
特にアルツハイマー型においては、どうすれば「なる」かが分かっていない今日では、「ならない」方法はなかなか見つけられないでしょう。
実際、認知症になることを目指した波の女役員和田行男でさえ、脳血管性認知症になる可能性を上げることはできても、アルツハイマー型認知症になることはできないと断念したとのことです。(笑)
そのようなことからすれば、「なった時のために準備をしておく」という内容が今回の話の柱になると思いました。
「なる」リスクを下げるアプローチ + 「なった」時の準備ということです。
今回の話の流れは、
・認知症とは何か(正しい知識)
・認知症になっても人として生きる姿の紹介(安心感を感じて頂く)
・早期発見のポイント
・早期受診の大切さ
・リスクを下げる取り組み
等々を住民向けに分かりやすくお話させて頂きました。
そして最後に「今からでいいから連れ合い・家族を大切にしよう!!」で締めくくりました。
だって、自分がなってしまったら、施設に追いやってしまうことを決めるのはその人達ですから。
「今日から旦那やお嫁さんに優しくしましょう」で大笑いでした。
でも、冗談ではなくて実際そうだと思うのです。
認知症になっても住み慣れた自宅で、わがまま言いいながら過ごしたいものです。
そのためにも大切にすべきは身内の方々でしょう。
そして、「近所の方々と仲良くしましょう」も大切です。
近所の方々に変な目で見られたくないですし、迷惑をかけれれないと思うのはご家族ですから。
ということで「人間関係を整えておく」が最大の備えだと思います。
最後に・・誰もがなりたくないと思っています。願っています。だから努力する人もいます。
でも、なってしまう時はなってしまうのです。
一番苦しんでいるのは本人です。
それを忘れないようにしたいものですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
近所の助け合い
昨日、滝子通一丁目福祉施設に駆け込みがありました。
「おばあちゃんが転んでケガをしてるからみてあげて」と、よくホームの前を通る方が助けを求めて来られたのです。
近所のご自宅に伺うと顔面や腕に擦り傷や出血が・・・
家の方はどこかへ出かけられているようです。
救急車を呼ぶことを考えましたが、ケガの状況を把握し、不明瞭ながらも話される内容から事情を察し、応急手当を行い近所の病院へ行って頂くことにしました。少しするとご主人も戻られ、後を託すことができました。
近所の方々から頼られることは、ありがたいことです。
私達、地域密着の事業所は、地域の方々に何ができるのか・・何をしていくべきなのか・・
厚生労働省「認知症施策検討プロジェクトチーム」において、平成24年6月18日(月)に「今後の認知症施策の方向性について」が公表され、「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」が策定されています。
この中に、「地域での生活を支える介護サービスの構築」ということで、「グループホームの事業所が、その知識・経験・人材等を生かして、在宅で生活する認知症の人やその家族への相談や支援を行うことを推進する」とあります。
この施策の通りの活動を目指すというよりは、お互いの助け合いという視点では当たり前のようにも思える今回の出来事。
転倒のおばあちゃんを発見、ホームに声をかけて頂いた近所の方は、「迷惑かけました」とえらい恐縮されていました。
あたたかい方です。このような方が近所にいることは心強いことです。
人として、近隣住民として、普段の挨拶から始まって、何かあったら声を掛け合い、助け合える関係を進めていきたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「見られている」を意識
「あの人怒っとる」
ぼそっと、野村さんがつぶやいた。
本日出勤時に野村さんと玄関前でバッタリ会い、そのまま一緒に3F小規模多機能のフロアでお茶をしていたのですが、スタッフの顔を見てそう言ったのです。
確かに難しい顔をしていました。(怒ってはいないようです)
そのスタッフは、周りを見ながら頭の中であれこれ考えたり、どう動くか組み立てているようです・・・
認知症になると、記憶や判断力は以前と比べて衰えていく事はありますが、逆に他人の感情を察知する力は結構有していると思います。
言葉の丁寧さよりも、どのように考えているか・思っているかという方が相手に伝わっていくのではないかということです。
入居者・利用者さんはよーく見ています。
スタッフの言動、他者の動きを。
そしてそこから内面までも察知して、敵味方、必要不必要、損得、いい悪い、言う言わない等々を判断されているのでしょう。
相手の感情を察知する力。。。
それは記憶等があやふやになっていく不安的な暮らしの中で、自分が生きていくために、自分を守るために必要な力なのではないでしょうか。
自分達が見ているよりも、見られている事を意識した心持ち、振る舞いを心がけねばなりませんね。
今日の小規模は「映画鑑賞」を少しと・・・
小規模看護師「菅原」君に対し、トーク特訓を行いました。
私に関わる皆さんへ
わたしはどうしてここにいるんですか?
いつからいるんですか?
どうやってここまで来たんですか?
わたしはどこかわからないところでいすに座っている
隣に座っているこの人いったい誰だろう
あなたはわたしのことを知っている人なの?
ここがどこかわからないから家に帰ろうと立ち上がると、若い男性から声をかけられた
その人は、「ここがあなたの家ですよ」と言うけど・・・・・ここは私の家じゃない
仕方がないから椅子に座っていたら、「ごはんどうぞ」と食事が運ばれてきた
せっかく出されたものだからゆっくり味わって食べていると、次々と食器を下げられていってしまう せかされているみたいで・・・・・食欲がなくなってしまう
わたしは自分でトイレに行けないから本当はいやだけど・・・・・オムツをつけてるの
さっきオムツの中が汚れたから換えてもらったけど、その人が他の人に汚れていたことを大きな声で言ってるの
自分でできないから仕方がないけど・・・・・恥ずかしいし・・・・・情けない
今はまだ、入りたくないのに「今日が入る日だから」と言われて、「いいよ」なんて一言も言ってないのに、わけもわからないうちに気がついたらお風呂場らしきところにつれてこられた
気がついたら、服を脱がされて自分で身体を洗うように言われたからそうやってるのに・・・・
「そこは汚いからもっとしっかり洗ってね」と言われた
私なりにやってるんだけど・・・・
私って・・・・そんなに汚いですか?
私ってそんなに変ですか?
ここがどこかわからなくて
まわりの人が知らない人ばかりで
何をすればいいかわからないとき
わたしはただやさしく声をかけてもらえたら・・・
わたしはそれだけで・・・・・とてもうれしい
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「怒り」と「喜び」
先週と今週、たまたま見ていたニュースで介護関係の話題が取り上げられていた。
見ていた方もいらっしゃると思います。
一つは神戸市の介護事業所が、要介護者の夫婦を軟禁していたというニュース。
玄関を外から施錠(バイク用のチェーンロックでドアノブを固定) 約4ケ月間、高齢者を自宅”軟禁”していたそうです。
要介護5のほぼねたきりの妻と、要介護4の徘徊癖がある夫の二人暮らしの自宅に対してだ。
毎日3回ヘルパーが訪問していたという。
ケアマネ、ヘルパー事業所共に、身体拘束や虐待の認識はなかったと言い訳をしているという。
いいわけがない。
今日のニュースでは、2010年2月当時に採用された介護福祉士が、採用後すぐの4日間で、入所者3人死亡、一人重症という事件を起こし、虐待を認め障害致死で再逮捕されたというものでありました。
本人の供述では、「体調が悪くなった人の第一発見者になって、同僚に褒められて認められたかった」「職場に対してイライラしてやった」という。
言葉にならない・・・憤りを覚えます 怒
最近の介護業界で取り上げられる話題は、世間の方々にとってどのように思われているのか・・・
必死に仕事をしている介護関係者の顔に、泥を塗るようなことをされるのはたまったものではない。
といいつつ、自分の事業所は絶対に大丈夫と、どれだけの事業所が言い切れるのか。
介護は現場で行われており、一人一人の最前線の介護スタッフが関わっている訳で、スタッフ一人の時間や場所がいくらでもある以上、いつどこで何が起こるか分からないのも事実であります。
常に、入居者・利用者の状態に合わせ、職場風土や職員の様子も見ていくことと、そのような事が発生する前に「介護倫理」や「虐待」について学ぶことや、「ストレスマネジメント」について取り組むことが問われているのだと感じました。
家族や市民の、チェックの目が厳しくなるのは、ある意味大切なことであると思いますが、人権や生命を傷つけられる当事者にとってはたまったものではありませんので、微妙なところです。
そんな最中、近々グループホームに入居される方の面接に行ってきたのですが、そこでは嬉しいことが・・・
ご本人の息子さん達が、滝子の施設の近所にお住まいなのですが、「いつも入居者・利用者と買い物に出るスタッフが、よく挨拶をしてくれたので、お母さんをお願いするのは絶対にここがいい」と言って頂けたことだ。
こんな素敵な申し込みのされ方は、とても嬉しく、ありがたい事であります。
これは施設全体のスタッフが、毎日毎日行ってきた事の結果であり、おおいに讃えたいと思います。
手前味噌で申し訳ありませんが言わせて頂きます。
滝子の職員は素晴らしい!
施設の中でも外でも、元気で気持ちのいい挨拶は基本中の基本で大切なことですね☆
ついでに・・お知らせにもUPしましたが、そんな素敵な「仲間」の追加募集をしています。
一緒に高い志をもって頂ける方、滝子に集まれ!!
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
糖尿病と甘い物
こんにちは、お久しぶりです。クラブ滝子の看護師の竹内です。
梅雨ですが晴天・暑い日が続いていますね。
最近は毎日、温度計と利用者さんの服とにらめっこをしています。
脱水・熱中症が叫ばれる時期が今年もやってまいりました。
滝子通一丁目福祉施設、2年目の夏もやはり、脱水症・熱中症予防が目標です。
話は大きく変わりますが、高齢者の中で多い病気の内の一つ「糖尿病」。
クラブ滝子の利用者さん13名の内、2名の方がこの病気です。
その1人の方、Tさんは糖尿病の食前薬、食後薬を1日3回服用されており、血糖値は高いね、とお医者さんから言われ続けています。
そのTさんが先日90歳のお誕生日を迎えられました。
誕生日に何かやりたい事はありますか?と職員が聞くと、Tさんは「もう90なんだから、これといってなんにもないよ。ここに置いてもらえるだけで充分幸せ」と言った後に「あんみつが食べたいなぁ」とぼそりと呟かれました。
誕生日当日、もちろん近くの喫茶店に他利用者さんも一緒にあんみつを食べにいきました。
仲の良いNさん、Mさんと同じ席に座り和気藹々。
あんみつが来て「いただきまーす」となった時、横に座ったNさんが「私あんこ嫌いなの」とTさんのお皿にあんこをのせました。
喫茶店のママの計らいで、糖尿病の方のあんこは半分程に減らしてもらっているのですが、Nさんのあんこをもらい、Tさんのあんこは通常の1,5倍に。
「わー!嬉しい」と喜ぶTさん。もちろん、おいしくすべてペロリと食べられました。
「おいしかったぁ!ありがとう」そう言って喫茶店を後にしました。
糖尿病の方の甘い物は、看護師としては気にしなければならない事項だと思います。
甘い物を食べ続ければ当然血糖値も上がり、合併症のリスクが増えていく一方です。
目が見えなくなるかもしれない、身体の一部が壊死(細胞が死んでしまう事)するかもしれない、腎臓が悪くなって透析になるかもしれない…様々なリスクがありますが。
「私はね、子どももいないし、長生きしてもしょうがない。好きなもの食べて好きなだけ笑って怒って、コロっと逝きたいわぁ」
そう言ったTさんの顔が忘れられません。
看護師として、利用者さんの体調管理は私の仕事です。
そして、人として「目の前にいる方の、大切な最期の時間に関わる」のも私の仕事です。
「看護師としての自分」と「人としての自分」の矛盾、その答えをどうみつけるか、私の常の課題です。
長い文章、読んで頂いてありがとうございました。

皆で食べる甘いものはやっぱりおいしいですよね♪
また食べに行きましょう♪
Published by 小規模多機能・クラブ滝子 竹内
認知症、高齢者の15%「462万人」に
65歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計15%で、2012年時点で462万人にのぼることが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。 軽度認知障害(MCI)と呼ばれる「予備群」も約400万人いることも初めてわかりました。
これは恐ろしい数字です。
調査は、09~12年度、専門医などがいて診断環境が整っている8市町で選んだ高齢者5386人分の調査データを使い、国立社会保障・人口問題研究所による高齢者人口(12年)に有病率を当てはめて推計したものであります。
1985年に行われた前回の全国調査は、本人と家族への聞き取りデータだけ使っていたそうですが、今回は画像診断も併用して国際基準に従って専門医が診断したとのことです。
と6月1日の朝日おデジタル新聞のニュースで報じられました。
とても「深刻」な問題である。
高齢者の数が増える割合よりも、発症率が高いということはどういうことなのか?
伝染病でもあるまいし、発症の割合が増え続けるということは、「環境因子」の影響による要素が大きいのではないかと想像します。
「核家族化、バラバラ家族化で人間関係が薄くなる」「便利な世の中で体を動かす機会が減る」「食事に偏りが多く、肥満やバランスが悪くなる」「文明の進歩が早く対応しきれない(脳がついていけない)」等々
弊社の理念である「自分のことは自分で」「互いに助け合って」「社会とつながって」というスタイルを維持すれば発症率は減るような気がするのですが・・・どうでしょうか?
家族や地域との人間関係を大切にしながら、社会の中で役割(伝承や創造)を担いながら生きていけばいいのかも知れませんね。
真剣に国民全体で考える時だと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
季節の変わり目
こんにちは。GH1階職員の山本です。
6月は梅雨の時期ですね。
みなさんもご存じの方が多いと思われますが、入居者Nさんはなぜか季節の変わり目が近づくと外へ出続けて散歩をしてしまうのです。
職員が声を掛けても振り向いてくれない事もあります。
Nさんの落ち着きが無くなり、表情は険しくなるばかりです。
そんな中、つい先日、Nさんが外へ散歩に行こうと施設の玄関から出てきたのです。
その時に着ていたのが、暑そうなセーター。
しかし、次の日に着ていたのが、涼しそうな半袖でした。(笑) これは、職員がNさんに対して更衣を促しているのか。
それとも、Nさん自らが自分で脱いで着替えているのか。
果たして、どちらなのでしょうかね。どちらの確率が多いのでしょうかね。(笑)
季節の変わり目に関係しているのかは分かりませんが、暖かくなってきた5月に入ってからNさんの入浴支援にも多く携わってきました。
5月に入ってからは拒否をされながらも洗髪の支援ができるようになっていました。
しかし、5月が終わるにつれて最近では、季節の変わり目なのか、洗髪の支援が難しくなってきたのです。
今では、洗髪の支援が出来たり、出来なかったりが続いています。 やっぱり、季節の変わり目なのでしょうかね。(笑)
Nさんの行動で季節の変わり目がきたなと思ってしまうGH1階職員山本でした。
入浴後、さっぱりしたNさん。少し表情が恐くなってしまったNさんでした。(笑)

Published by グループホーム1F 山本
「大逆転」のススメ Vol.11
頭は「連れてきてもらった」、でも体は「自分で来た」
中略~意図的に全員で外出するときも、ひとりや少人数で外出するときも、職員と一緒にバスや電車など公共交通機関で外出するようにした。
しかし、その理由は、そのほうが「普通の外出らしい」からということではない。
確かに車で行くのは楽でいい。
ドア・ツー・ドアで快適でもある。
荷物を背負わなくてもいいし、何かあったときに対応もしやすい。
でも、車での移動は、車中にいる婆さんと職員の関係しか存在しないし、「連れていってもらう」ということ自体、身体的にも精神的にも受動的になりやすい。
行きたいと思ったところへ行くのは能動的行動である。
自動販売機で切符を買い、自動改札機を脅えながらくぐり抜け、何十段もある駅の階段を上り下りし、自分の足で歩み、重い荷物を背負い、さまざま障害を乗り越え、多くの人々に接し、空気を感じながららの外出。
いくら職員が付き添っていても、頼れるものは自分でしかなく、まさに戦場である。
「こんないいところへ連れてきてもらってうれしい」
言葉こそ精神的には受身だが、身体的にはまぎれもなく「自分で来た」という体感のある主体的な外出である。
電車やバスを使って外出することは特別なことではなく、人並みの姿である。
「大逆転の痴呆ケア」 和田行男著 中央法規出版 P54~55より一部抜粋
5月最終の好天日、滝子の施設では突然外出することとなった。
小規模多機能型居宅介護より6名の利用者と2名のスタッフ。
グループホーム1階より3名の入居者と1名のスタッフ。
グループホーム2階より4名の入居者と2名のスタッフ。
総勢18名(車椅子対応3名含む)の外出部隊である。
市バスを使って「鶴舞公園」のあじさい祭りへ行くことになったのですが、一度に乗り込むのは時間もかかるし、一般の方々もみえ、乗り切れないとうことで2台の市バスに分かれて向かった。
和田の言う、体感のある主体的で能動的な行為を意識しての外出である。
多くの市民の方との接点、おひさまや木や風など、街の様々な環境を自らの体で感じて頂く大切な時間となりました。
1、2、3階の利用者や入居者間の助け合い、声のかけあいも多く見られました。
往復2時間半程の外出でありましたが、施設へ帰り着くとある利用者がぼそっと言われました。
「しんどかったけど、ここ(施設)でごそごぞするより、今日みたいな方が楽しいわね」と。
それも息を切らしながら。
自分の体を使い、公共交通機関を使っての外出。
まさに人並みの姿である。
ちなみに利用者の1名は・・・・
「今日はご苦労さま。気をつけてお帰り下さい」と言われ、施設近くのバス停で降りることができませんでした。
多くの市民の方々も乗ってみえたので、即座に対応。
担当スタッフをつけ、お金を渡し、「降りれるようになるまでのんびり行ってこやぁ」と。
結果、終点まで行かれました(笑)
外出はハラハラ・ドキドキ・キラキラ☆の連続である。
「あら 綺麗なちょうちょ。 踏まれないようにどこかに移さなきゃ」
Published by 滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治


















