「大事な日」
どこの家庭にも施設にも「大事な日」ってあると思います。
今日は、滝子にとってその内の1日です。
”クリスマス”って訳ではありません。笑
そんな大事にしたい1日なのですが、バタバタになってしまいました。
朝からモーニングに行ってきました。
まぁ、これは普通の事ですね。
新年を迎えるために一気に3人床屋にいきました。
スッキリと新年っていいですね。
ここからは ハプニング。
午前中に入居者さんが行方不明に。
が、これまでのパターンと違ったのです。(これまで・・というのも変ですが)
「20分たっても帰ってこない(いつもは99%以上自分で帰って来られる)ので捜索します」と連絡がありました。
しかし捜索を始め、早々に警察に保護されて連絡がきて解決しました。
発見の経緯は・・・介護関係者の方がたまたま見かけた滝子の入居者さんの姿を見て「認知症の方の一人歩きか?」となり声をかけ、車に乗せて警察へ届けて頂いたとのこと。 ありがたいことです。
警察の方では服に名前、施設名が縫いこんであったのを発見し、すぐに施設へ連絡して頂けました。
迎えに行くと「名前書いてあって助かった。ありがとう」と言われてしまいました。
よかったよかった。
ん? よかったには違いないが、今日のパターンは果たして行方不明なのか?
本日、行方不明?になられた方は、時間と場所からすると、いつものひとり歩きをされていたのだと思います。
そこに面識のない専門職の方が通りかかると・・・
そりゃ「家に帰りつけない可能性が高い」「迷子になっている」と判断されて当然ですね。
で、なんとか説得して車に乗って頂き警察へ。
本当にありがたい行動だと思います。
でも本人側の視点、意志から考えてみると・・・
いつもの景色、いつもの道、いつものコース。
見覚えのある風景の中を歩いていたら、「大丈夫?」と声をかけられ、うまく話しができないとなると「警察に行こうか」となり、車に乗せられてしまって、あれまあれまといううちに・・・
「いつもの所に戻るつもりだったのに」と思ったかどうかは分かりませんけど。。。
探す側、発見側が主体となると、「保護」「引渡し」となります。
全国で取り組みが進んでいる徘徊捜索ネットワークはこのタイプ。
今回は歩いている本人が、行きたい所にたどり着ける支援が必要だったのかも知れませんね。
最終的には「保護」「引き渡し」になるにしても、「保護」の前に少し本人さんに付き添ってみたり見守りしてみて、本人が行きたい所、向かう所に行き着ける能力があるか見極めてみようとする必要があるのかも知れません。
それが認知症という状態にある方が、地域で暮らしていく上で大切な支援なのではないでしょうか。
まあそん事もあり、ピリっと気持ちを引き締めさせて頂く大切な機会を頂いた1日でした。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
とつぜん外食
「焼きそば屋」の横にも「焼きそば屋」
滝子の隣の区の商店街にあるお店です。
区役所に用事があり、ある入居者さんと出かけました。
昼になってしまったために、「外食しますか?何が食べたいですか?」と伺ったところ、「焼きそばとかでいいよ」と。
どうせならと専門でやっているところがということで、探したどりついたのが写真のお店でした。
あまり食欲をみせない方が、すごいペースで定食を完食されていました。
マンツーマンの外食もたまにはいいですね。
「食」を共にするのは関係性の基本です
普段と異なる表情、動き、言動が見られ、驚かされることも結構あります。
と言っていますが、自分も好きなのでいい提案頂きありがたかったです。
次は隣の焼きそばを食べに行こうかな。。。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
心強い味方
先日開催された運営推進会議の後、小規模多機能・クラブ滝子のご家族より素敵なメールが届いていました。
一部分だけ紹介させて頂きます。
「頑張って下さい!
波の女は、私たちの希望です。
~中略~
どんな時も
波の女を守っていくのは私たちも一緒です!!」
ありがたい言葉です。
励まされます。
力を分けて頂けます。
きっとこれまでに想像できない程の苦労や苦しみを経験されているでしょうに。
覚悟を決めれたご家族のパワーは素晴らしいものがあります。
その他にも、 小規模には素敵な家族がたくさんみえます。
大切な身内のために一生懸命連絡や段取りをして頂けるご家族。
早朝より、母の介護をしにホームへ寄ってから仕事に行かれるご家族。
本人や波の女のために忌憚のない意見を寄せて頂けるご家族。
ボランティアに来て頂けるご家族。等々・・
職員もその姿勢に学び、応えていかなければならないのだと思います。
とても素敵なご家族と共に介護にあたり、語り合える環境って素敵ですね。
共に運営にあたれる。そんな関係性を大切にしていきたいと思います。
*家族にはそれぞれ異なった事情があり、協力の押し付けをしないように心がけています。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
今回は近所の住民さんも参加されています。
ありがたいことです。
優先順位
「優先順位」
取りかかるべき物事が複数ある場合、取りかかる順番を決めること。
現場では常に優先順位付けで動く場面が次々と発生します。
スタッフの数が利用者・入居者より少ないので、どうしても「先」「後」を決めて動かないといけません。
相手が動かない・動けない場合は、職員側で予定している流れで段取りできますが、自立支援となるとそうはいきません。
優先順位に従い、やむなくその場を離れる時に必要になるのが「予測力」です。
この場に自分がいなくなって30秒後にどうなっているか。
1分後にどうなっているか。
3分後にどうなっているか。
その状況を想像できる力が必要になります、
その時に不安要素を「感じる」「予測」できる時は、先にその「不安」を可能な限り取り除いてから、優先順位が高いと判断した行動に移る必要があります。
つまり優先順位が一番と判断しても、それよりも高い優先順位が発生する時があるということです。
めまぐるしく順位が変動する中で、的確な判断・行動をとる事が要求される介護職は大変です。
しかし所詮「予測」は「予測」です。
職員の「予測」通りにいかないことも結構あります。
それは相手が自分の意志を持った「人」である以上当然のことですよね。
ですから、優先順位に基づき行動をした後に必ずやらなくてはいけないこととして、「確認」があります。
見えなかった所、空白の時間の中身やその後を見に行く訳です。
ここが今の滝子が弱い所の一つです。
「予測力」を活かし「先回りの手立て」を打ってから行動開始。
「予測の範疇で収まったのか、超えていたのか」見えなかった所を見に行く「確認」作業。
このことをしっかりしていかないと、自立支援の現場は危険度が高くなっていきます。
基本に忠実にありたいものです。
滝子通一丁目福施設 施設長 井 真治
地域の中で暮らす
「地域密着」で仕事をしていたり、「地域密着」で暮らしていたり。
人は(自分も利用者・入居者も)社会の中で生きる生き物です。
密着していく上で、地域の情報は欠かせないのだと思うのです。
その情報収集のもとになる一つが「回覧板」です。
あまり情報がない時もありますが、結構いろいろな情報が入っている時もあります。
仕事場でも、自宅でも一度「回覧板」の中身に興味を持ってみてみませんか?
大切なのは、次の方に回す時にそっと玄関前に置くのではなく、ピンポンして手渡しするのがいいですよ。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
この前の日曜日、自分の住んでいる市内で火渡りの行事がありました.
行ってきましたが、時にそんな情報が流れてたりしますよ。
一年の禊祓(みそぎはらえ)大切ですね。
再び
グループホームの一部の方々の恒例行事。
冬のイルミネーションといえは三重県「なばなの里」。
おととい行ってまりりました。
まず園内の食堂で早めの夕食。
それから光のトンネルをくぐってメイン会場へ。
今年もなかなか壮大なセットでした。
入居者さんも大喜び。
短期の記憶障害がある方が、「去年のご飯はまずくて半分残したけど、今年はおいしい」と言われました。
ふだんの日常生活の中の事はなかなか覚える事ができないのですが、やはり印象的な事はまだ記憶の箱に入れたり引き出せたりできる能力を有している事が分かりました。
その他、外出時のトイレの回数間隔が短くなっている方。
歩行能力のが低下している方。
集中力、時間が短くなっている方。
お年寄り同士の関係性(ペア)の変化。
非日常生活の行動の中で変化を感じとることができました。
外出時の職員は、入居者・利用者と同じ視点、視線で楽しむのでなく、入居者の言動に注視していなければなりません。
リスク回避は当然のこととして、様々な変化や能力を把握する大切な機会でもあります。
そんな事を見たり感じたりしながらも、入居者さんにおいては、生きる喜びを少しでも感じて頂けたのだと思います。
来年も皆で行きたいものですね。
そのために、日常的に有する能力を活用し続けなければなりませんね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
お家
小規模多機能型居宅介護は居宅での生活を長く続けられるように、「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスを組み合わせて支えています。
御本人自らが希望して、小規模多機能・クラブ滝子を利用開始となった方は今まで、、、1名です。
その他の方は様々な理由があって、クラブ滝子の利用を開始となってます。
きっと
「なんだかわかんないけど、ここに来ることになった。」
「なんだかわかんないけど、ここに来た。」
という方が大半です。
先日、利用開始から2年が過ぎたAさんが肺炎のため2週間程の入院しました。
入院による認知症の進行やADLの低下などみられ、生活を取り戻すために小規模の宿泊を10日間ほどしました。
その間に、クラブ滝子での様子をみながら、必要な福祉用具をレンタルできるように自宅の環境整備の段取りをしていきます。
2週間の入院、10日間の宿泊を経て、約1カ月ぶりに帰宅されました。
しかしまた翌日にはクラブに通われました。
その後、週の半分の夜を自宅で寝る、半分をクラブで寝るというサイクルを開始しました。
このサイクルで3週間過ぎたころ、
「ここで、泊まることがあるから、家にかえることが、楽しみでしょうがない。」と笑顔でおっしゃいました。
『家に帰ることが楽しみでしょうがない。』
とてつもなく、Aさんのパワーとともに、『家』にパワーを感じました。
色んな意味が想像できます。
自宅へお送りすると
「また明日、頼むな。さようなら。」と挨拶されます。
クラブ滝子に不満がある、満足しているという意味ではなく、
「家」という意味がどんなものか改めて考えさせられました。
介護保険法で、小規模多機能居宅介護の基本方針は
【基本方針】 要介護者について、その居宅において、又はサービスの拠点に通わせ、若しくは短期間宿泊させ、当該拠点において、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者がその有する能力に応じその居宅において自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければならない。 指定小規模多機能型居宅介護は、通いを中心として、利用者の様態や希望に応じて、随時訪問や宿泊を組み合わせてサービスを提供することにより、利用者の居宅における生活の継続を支援するものである。 |
自宅とは言わずに、居宅とする意味はなんなのだろう・・・。
居宅は、国語辞典をひらくと
その人の、日常住んでいる家、すまい。
自宅で暮らせるためには、家族や本人、環境など様々な形で支える仕組みが必要です。
「自宅での暮らしを少しでも長く続けたい」
に応えられるように、家族や医療、クラブ滝子、福祉用具レンタルや近隣との付き合いなど調整し、また自宅にて暮らすことができることを応援します。目指します。
クラブに宿泊の時間。他利用者さんは休まれましたが、「まだ、ええ?」とリビングにて。
後方にある、タッチアップ(移動手摺)
独りで歩いて行けるために重要な福祉用具です。
私も、家に帰っての時間は確かに大好きです。
外(地域社会)があるから、家がある。
家があるから外(地域社会)がある。
イコールになるようなそうでもないような・・・。
前回のプレーシャーに応えられているかは『?』です苦笑
滝子通一丁目福祉施設 副施設長 佐藤恵美子
熱田神宮へ参拝。
参拝した後のきしめん。
寒い時期あったまる~。
方向性を大切に
先日の社会福祉協議会主催の研修会の風景です。
通所介護の職員向けという事で、最初は方向性の確認から話しをさせて頂きました。
方向性とはもちろん介護保険法における基本方針の事です。
通所介護の基本方針のポイントは、
「その居宅において」という目的、
「有する能力に応じ」という私達の仕事の仕方、
「自立した日常生活を営むことができるよう」という関わりの先の目指す姿、
を伝えていきましたが、意外と置き去りといいますか、意識できていない文面が最期に出てきます。
「並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない」
「並びに」とありますので、利用者へのアプローチと同列で家族へのアプローチも大切にすべき事だと解釈しています。
「居宅において」を支えるためには、「家族」の存在がとても大きく、「家族」の理解力、対応力によって利用者の生きる姿は変わりますし、居宅での暮らしを断念するの「家族」の判断によることが多いのだと思います。
そんなこんなを入り口に研修会をスタートさせました。
熱心に耳を傾け、反応して頂ける素敵な受講者の皆様のおかげで有意義な時間と、自分も滝子で頑張らねばとモチベーションUPの機会を頂きました。 ありがとうございます。
次回は通所介護と目的を同じとする、わが滝子の居宅サービスである「小規模多機能・クラブ滝子」からのブログをUPさせて頂きたいと思います。
ご期待を!と担当者へプレッシャーを与えつつ今日はこの辺りで失礼させて頂きます。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ブログUPした後、仲間から呼び出しが・・
行ってみると出来上がっていました。
盛り上がっていきましょ~
雨降り外出
今日は頭が回らずネタが思いつきません。
という訳で1週間程前の様子をご紹介。
その日は雨降り。
確かその前後も結構天候悪い日が続いていました。
通常雨降りでも、食の獲得のために買い物に行かなければなりません。
台風や大雨、強風は中止しますが。
そうなると傘をさしたり、カッパを着たりしてでも行きますが、足元が悪くリスクが高くなります。
ですので、歩行の安定している入居者・利用者とマンツーマンで買い物に出かけます。
雨降りが続くと、外出者に偏りが出たり、全体的に活動量が減りがちです。
という訳でその日は車で買い物に出かけました。
行き先は昔ながらの市場ではなく、立体駐車場があるスーパー。
そこであれば、雨に濡れることなく乗り降りできます。
という訳で通常の規模で買い物に行きました。
雨降りの買い物支援も固定的になるのではなく、色々なバリエーションを考える事が入居者・利用者の暮らしの幅を広げます。
皆さん大喜び☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ずいぶん前に似たネタ書いたかも・・・スミマセン。
「外見」と異なる「中身」
昨日、観光バスで高速を走らせ、30人もの方々が見学にみえました。
認知症サポーターになられた方々の、フォローアップ講座として来られました。
「えっ 自由に外へ出られるのですか?」
「買い物に行くんですか?」
「自分達でご飯を作るのですか?」
「お酒やタバコもいいんですか?」
「ここは自由で何でもありでいいですね」
そんな声も聞かれました。
しかし「自由」は「危険」と、常にとなり合わせです。
「なんでもあり」がいいと思って、なんでもやって頂いている訳ではありません。
専門職として能力・状態を見極めた上で、リスクに配慮しながらも「人として普通に生きる姿」を目指しているのです。
しかしそれは職員の個々の力量によって、アプローチの仕方が変わり、できる範囲が変わります。
私達職員を含む「環境」や「支援」により認知症の方の生きる姿が変わります。
認知症という状態にある方が輝くのも、人としての姿から遠ざかるのも、私達次第なのです。
見学の方々は一見、普通の暮らしを取り戻せているような錯覚を感じられたのかもしれません。
もしかしたら私達介護職でさえ、「慣れ」の中「できている」と錯覚しているのかも知れません。
「つもりになっている」のかも知れません。
しかし実際のところは自分を含め、まだまだまだまだです。
まだ危険だらけの滝子の施設。
私達に入居者・利用者の「命」「人生」「暮らし」を護れるのか・・・
それはそんなに甘くない。簡単でもない。
それを振り返った時に、外から見学や実習を受け入れさせて頂いている場合ではないと感じます。
基本を忠実に、予測力を活かし、チームでサポートする。
そしていつも挑む姿勢を持ち続けれるように。
そんな支援ができるまで、しばらくの間見学や実習の受け入れを原則中止させて頂きたいと思います。
「外見」はまあまあに見えるのかも知れません。
でも「中身」をしっかり詰めなければいけない時期なのだとて思います。
早く期待に応えられる施設になりたいものですし、なれるように皆で挑んでいきたいものですね。
ご声援をお願い致します。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治