婆さんに学び 婆さんに還す
ご無沙汰しております
加藤です
18日は、遅ればせながら今月より発足した「事故対策検討会議(仮)」の日でした。
月に2回程設けて、発生した事故の分析、その時提案された対策の有効性の検討や実行状況の確認、修正等、施設全体で考えていくための会議です。
グループホーム・小規模多機能型居宅介護の各フロアーから順番に職員が参加します。全員が順に出席するようにして三か月程で全員が一度は参加する予定。みんなが参加することでみんなの事故に対する意識を高める目的も持たせています。
当施設は職員にそれぞれ所属はありますが、小さな施設ですので日常のいろいろな場面で所属以外のフロアーの入居者・利用者さんと職員が関わる機会が多く、こうした会議でも、自分の担当フロアーの事だけでなく施設全体への意見が出やすいのが良いところ。
さて今回は2回目です。
前回、施設長より「自分が支援中に見つけた『これは危険。事故につながりかねない』と言う場面を一人5か所写真に収めること」という課題が出ていました。
みんなが撮り集めた写真を参加者で見て、撮影者がどこを危険と感じているのか、自分ならそれに対してどう手を打つか、話し合いました。施設長から更に見るべき視点のアドバイス、改善の具体案が出ます。一同、「はぁ、そういう見方もあるのかー」と深めます。
まだ、2回しかこの取組みはできていませんが、初回から2回目までの間の2週間で、まずは施設長からの課題を達成するため、自分の気づきを写真と言う形に残す→→→入居者さんにとって危ないところはないか、この動線は本当に安全か、そういった視点を意識に留めて仕事にあたるという風が、少し施設内に吹いたように私は感じました。
そういえば。この会議実は3回目だったのです。記念すべき1回目、会議を始めようと椅子に座った途端、「〇〇さんの行方を見失っている!!!」の電話が施設長に入り、
会議参加者は急遽、捜索隊に・・・その後のくだりは施設長が以前ブログで上げていました。
初回、二回目会議でも当然その方への支援や対応方法の話は出ており、現在も試行錯誤の日々です。この方を通しては本当に、町の皆さんの温かさやご協力を感じる日々です。それに甘えるだけでなく、私達からも入居者・利用者さんと共に町の皆さんへのお還しが一つでも二つでもできるようにと会議でも新たな案がいくつか出ました。これに関しては、またご報告していきますね。
防げる事故はきっちり防ぐために、職員一人一人がその意識を持ち続ける事が大切。本物の力になるようにこうした会議をこれからも継続していきます
日に日に春!ですね。
今日、1階の皆さんは近くの公園でお弁当にしたようです。陽気に誘われて、全員の方がそうすることに賛同されたとか。普段こもりがちな方も、とても良い顔をされていたようですので、その様子はまた職員からアップしてもらうことにします!!
㈱波の女
代表取締役 加藤 千恵
「声」
冷蔵庫を自由に開け閉めできるように支援しているか。
冷蔵庫に限らず、流し、コンロ、調理道具入れ、炊飯器、湯沸しポット、トースター、食器棚・・・
「有する能力に応じ自立した日常生活を営める」ように支援するのが私達の仕事です。
必要に応じて「主体的」に、このような調理器具をご自身たちの力で使っていけるようにする事は、グループホームでは特に大切だと思います。
その時に大切にしたいのは、可能な限り「声」だけで支援できないかということ。
それも小さな声で。
耳元でささやくように。
フロアの中に職員の声の方が響いていては、どちらが主体者か分からなくなります。
もちろん盛り上げる、流れを作る等の時は「声」を使います。
しかし常に職員が大きな声で流れや雰囲気を作っていては、職員主体の空気感が蔓延します。
その行き着く先は、職員の指示待ち、職員の動きを見ている利用者・入居者の姿になってしまうかも知れません。
「入居者同士による共同生活」<「職員の指示・誘導」とならぬようにするためのひとつの要素としては「声」の大きさを使い分ける事を意識する必要があると思うのです。
職員は「指示」でなく「支持」の姿勢を大切にしたいものです。
目指すは「職員ぬき」ですからね。
以前、「職員なし(事務所からこそっと見ていました)」で、ご自身達の力だけで夕食を作りあげていました。
それだったら職員いらないのか?という事ではありません。
主体性が上がってくると今度は、入居者の中のボスによる、「指示命令静止型統治生活」 になってしまいます。
主体性は大切ですが、暴走してそうならないために、職員が「仕事」をしなければいけないですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「祝」
昨日、スタッフの結婚式へ出席させて頂きました。
1階山本君と3階竹内さんです。
社内で出会った二人。
社内恋愛を推奨している訳ではありませんが、仕事でパフォーマンスを上げてもらえるのであれば、応援するのが「波の女」スタイルだと思っています。
とても素敵な二人の結婚式&披露宴でしたよ♪
その後の二次会は、夜勤者を除くほとんどの波の女スタッフが集結し、楽しく盛り上がりのある場になりました。
そして3次会は金銀コンビ?を中心に、夜中過ぎまで盛り上がりました。
本日は、1,2,3階の入居者・利用者を集め、昨日の結婚報告会を実施しました。
お二人さん、仕事は仕事、プライベートはプライベートで頑張ってくださいね☆
応援しますよ!
「おめでとうございます♪」
それにしても式場の受付はこんな二人でいいのか?笑
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ぶらぶら
今日中に行きたいところがあったので、一緒に行かれるか入居者に声をかけました。
1,2階より5人の方が「いく!」と言われ外出したのですが、現地に事情があり目的地に降り立つことができませんでした。
という事で目的地変更。
次の目的地は喫茶「コメダ」。
ところが待ちが多く、そこも断念。
結局いつも買い物にいくショッピングセンターへ行き、その中の喫茶店でお茶をして、そのままあっちブラブラこっちブラブラ。
通りにあるお店の商品を見たり、外人さん家族の子供に声をかけてたり・・
たいした目的もなくブラブラしているうちに、いつもの夕食時間がとっくに過ぎていました。
そんな流れの中でも「今日は幸せだった」「楽しかった」との反応。
普段は目的に向かって行動することが多くなります。
しかし今日は、行動する中で「目的を持つ」ことを楽しまれているようでした。
もしくは「目的なんか必要ないわよ」と言わんばかりの様子。
「ブラブラ」がとてもいい表情で、生き活されている今日の入居者さん達です。
「またいきましょうね!」
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
豊かな食材環境
滝子通一丁目福祉施設のグループホーム・小規模多機能型居宅介護の食事は、食事の都度、利用者・入居者より食べたい物を伺い、その食材を買いに行き、皆さんで食事を作っています。
自分の食事は自分で考え自分で作る・購入・食べに行くが基本ですからね。
これは私達も、障害を持たれた方も「同じ」ということです。
それが人として生きる姿の基本であり、「普通に生きる」を支援するということは、そういうことだと考え実践しています。
しかし認知症の状態にある方は、なかなか食のイメージが想起しにくい状況の方が多いのが現状であります。
ですからスタッフが選択肢として、「魚?肉?煮物?揚げ物?麺類?」等々のキーワードで、食のイメージを持ちやすいように支援しています。
そんな流れで、決まったメニューに必要な食材を利用者・入居者と買いに行きますが、その購入の際に余分にあれやこれやと食材を追加で買ったりすることもあります。
それは食材が目の前にあることで、料理のイメージを持ちやすくするための支援策であり、豊かな食事作りの場面作りに一役買っているのだと思うのです。
机の上に広げられた食材を見ることで、その組合せや調理・味付けにより、さまざま料理へとレパートリーが広がっていくのです。
決まったメニューの食材を買い料理を作ることも、豊かな食材を基に料理を作ることも大切にしていきたいと思います。
「肉に糸こんにゃくとネギがあるから、すき焼きにしよっか♪」
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
昨日は休日。
午前中は、以前から参加していた事例検討会に参加し、午後は天気が良かったのでスノーボードをやりに。
久しぶりでしたが、体は覚えていてなんとか3000メートルの滑降。
「冬はやっぱ山でしょ!」
あれから3年
あれから3年。
復興が進まない現地。
私達の意識・行動は何か変化があったのだろうか?
(今年2月15日 福島県の仮設住宅・仮設グループホーム訪問時の様子)
福島県では震災による直接死よりも関連死が上回ったとの報道も。
高齢者を中心に、環境の変化による体調悪化と帰還の見通しが立たないストレスが影響しているとか。
まだまだ震災は終わっていない。
いや、ずっと終わらないのかもしれない。
被災地訪問の時に、仮設グループホームのスタッフさんはこう言った。
「自分が生きているうちはもう帰れないだろう・・」
私達に何ができるのだろうか。
何をすべきだろうか。
他人事ではなく、自分の身の回りのこととして捉えていかなければならないのではないでしょうか。
(平成26年3月10日現在)
死者 15884人
行方不明 2633人
災害関連死 2916人
(震災後の肉体・精神的疲労が原因で亡くなったり自殺に追い込まれた方)
14時46分には利用者・入居者・スタッフで黙祷を捧げさせて頂きました。
涙を流される方もいらっしゃりました。
そして、避難誘導訓練を実施。
学ぶこと。
備えること。
活かすこと。
忘れないこと。
追悼の意を捧げさせて頂きます。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
強制外出
3日前のことになりますが、1,2階のグループホームフロアは清掃業者さんに入って頂いての大掃除の日でした。
当然入居者さん達は、「強制外出」せざるを得ない状況です。
でも半数くらいの入居者さん達は、「これ幸い」とばかりにお出かけができると盛り上がってみえました。
前日までスタッフと入居者さん達との間で、「どこいく?」「なばなの里?」「おちょぼ稲荷?」「南知多?」と決めきれないでいました。
結果、お一人の体調不良者を除く17名の入居者で「南知多 海の幸&えびせんべいの里ツアー」へ出かけてきました。
レンタカーを含む4台での大移動です。
高速で約1時間の旅の到着地は、地元では有名な食堂です。
海を望みながらの海の幸づくしで皆さん大喜びでした。
おおきなエビフライを手で握り締め、ほおばる方もみえました。笑
その後は、せんべい試食の食べ放題で有名な立ち寄りスポットへ。
皆さん食べる食べる。
自分が振舞っているかのごとく、「これもたべや~おいしいよ」と配り歩く方の姿も。
ということで約6時間の外出となりました。
今日も「いいとこ行けてよかった」と声をかけてくれる方もみえました。
スタッフも「素直に楽しかった」と言っているのが良かったです。
今回の全体外出の準備段取りのほとんどは、スタッフお任せにしましたが、皆さん必要な物を主体的に準備していましたし、外出時の注意の払い方もしっかりやれていたようです。
皆、成長したなぁと感じれるいい機会でしたが、一番嬉しかったのは、入居者さん達の生き生きした姿が見れたことでしょうか。
入り口は強制外出であったとしても、それを楽しみに変えてしまうたくましい入居者さん達の姿を見れて良かったです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
地域社会の一員として
本日、ゴミ拾いを行いながら買い物へ行きました。
それにしても、たくさん落ちているものですね。
障害をもっても地域社会で普通に暮らすことを目指している私達ですが、日ごろから地域の皆さんにどれだけ気にかけて頂けていたり、助けられていたりすることか・・・
地域の方々に理解・協力をお願いすることばかりではなく、私達にもできることは何かあるのではないでしょうか。
そんな中から互いに助け合って共存を目指す、ひとつのアプローチです。
ゴミが落ちていたら拾う。
自転車が倒れていたら戻す。
「地域社会のために!」なんて気負いで行うのではなく、「当たり前」のセンスで活動していきたいものですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「おカネは落ちてないのね・・・」
やり遂げる力
昨日は雨模様の名古屋。
基本雨でも買い物に行きますが、傘や雨具を使って安定し歩行できる方々が行かれます。
参加人数は少なくなるのが通常ですが、昨日は各階一人ずつしか希望者が出ませんでした。
という事で急遽「今日は車が出ますよ」と案内し、「それなら・・」と追加希望者が増えました。
そのような場合店舗入り口近くの障害者用の駐車場には停めず、少し離れた場所にわざと停め、傘をさす機会、雨を感じる機会、歩行する距離を伸ばすように仕掛けます。(参加者の状態に応じてです)
買い物が終わり休憩所でお茶をしていると、お一人の入居者さんが「トイレの行ってきます」と立ち上がられました。
歩行能力はありますが、認知力が怪しい方です。
しかし「では行きましょう」と付き添いをすることなく「あちらの方にあります。行ってらっしゃい」と送り出し、後からついていくことにしました。
この方の「有する能力」を見極める場面だからです。
最初はキョロキョロと、トイレのマーク、トイレらしい雰囲気の場所を探されていました。
しかし「分からない!」と思われたのか、途中にあるクリーニング屋の店員さんに聞いて教えて頂き、トイレにたどり着くことができました。 これも能力ですね。
とりあえず目的地にたどり着けてやれやれですが、ここからが肝心です。
目的を達成した後、何のためにここにいて、どこへ行くべきかを覚えているか、戻ることができるのかどうかです。
トイレより出られた後、出入り口より外に出ようとはされませんでした。
キョロキョロウロウロ。
どうやら、「待ち合わせをしている人」がいて、「そこに戻る」ということを覚えてみえるようです。
しかし店内は広く、お客さんも多く、正確に休憩場所へ戻るには不慣れと情報量が多すぎのようです。
(週に3回しかこないスーパーですので)
それでも目印や人など、頼るべき情報を探そうとされているようでした。
もちろん、目的が失われていたり、混乱がひどい場合には助け舟を出すのが僕の仕事です。
でも、そのタイミングはもう少し先だと判断し、その方の有する能力を信じ、見守りを続けさせて頂きました。
すると、支払いが終わり食材を袋詰めしている下の階の入居者と職員を見つけたようです。
そしてそこへ行き、どこに行くべきかを尋ねられたのです。
他のだれでもなく、見たことのある顔だと認識されたのでしょう。
「さすが!」
もとの場所へ戻る道筋は覚えれなくても、今自分の置かれている状況を記憶・判断でき、誰に聞くといいのかを判断できる能力があるということです。
ということで自分の力でトイレに行き着き、目的が達成された後に、もとの場所へ戻るという事をご自身の力でやり遂げる事ができたということです。
普段、違う階で支援に当たる職員の顔を覚える力を有しているということも分かりました。
このような「自分の力を使って生きる」姿を支援するのが私たちの仕事で、親切心で付き添って案内していては、このような能力を発揮する機会を奪ってしまうということを自覚せねばならないのだと思います。
このような機会は日常生活の多くの場面で存在しています。
時に相手の能力を見極める機会としたり、相手の能力を信じて時間を委ねてみることを意識するのも大切なのではないでしょうか。
「皆さんどこ行っちゃったのかと思った・・・」
「何言ってるの!あなたがどこかに行っちゃったんでしょ!」
どんまい。笑
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
主体性を引き出す支援の延長線
もうすぐ21時になる頃の、本日のグループホームのリビング。
写真に写っていないのですが、手前にも二人みえます。
新聞を読みふける方、お茶を飲んでいる方。
奥ではパジャマ姿でコーヒーを入れて飲もうとしている方もみえます・・
「寝る直前のコーヒーは、睡眠を妨げますよ」とスタッフの声かけに対し、「いつも飲んでるけど寝れるから大丈夫」と。
3人は布団の中ですが、残りの6名は「まだまだ夜はこれから」と言わんばかりの雰囲気。
皆さん自由だなぁ~
このような姿がみられるのも、日ごろからの主体的な支援の延長線なんでしょう。
なんと夜勤者泣かせな、たくましい認知症の方々でしょう。
でも、素敵な姿ですので、応援するしかないですね☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
そうそう、波の女「滝子通一丁目福祉施設」が表紙になっている雑誌が、3月8日に発売されます。
もちろん和田行男のページもあります。
「お知らせ」の方もご覧下さいませ。