自分の足で行く②
①の続き
携帯電話で乗ってきたバスの番号を調べて、そのバスが帰ってくる営業所を調べ電話をしてみました。
「リュックサックを忘れた」と伝えると、営業所の方が「そのバスはまだ戻ってきていないので、わかりません。バスが戻り次第連絡します」と言われしばらく待つことに。
入居者さんには説明をして、謝罪をすると、「あれまぁ~無事だといいですね」と、連絡が来るまではずっと手を握り、目をつむり、祈ってくれました。
20分後に営業所から連絡があり「リュックサック、無事ありました」とのこと。
一安心して、入居者さんにもそのことを伝えると「よかったぁ。もう帰れないかと思った」と。
名古屋駅から営業所まで、結構距離があり、急いでタクシーを拾い入居者さんと一緒に向かいました。
そして無事、手元にリュックサックが帰ってきました。
結果、約1時間30分遅れで「なばなの里」に到着しました。
なばなの里のイルミネーションを堪能して「連れてきて下さってありがとうございました」と入居者さん方は「連れてきてもらった」になってはいますが、ちゃんとご自身の足を使い、バスを乗り継ぎ、行きたいと願った目的地に行けました。
「このもみじ、もの凄く綺麗ね」
「初めて来たけど、綺麗だね~」
「見て、もの凄い人ごみ」
と、願いを行動に移すことができました。
来年は、プロフェッショナルで有名になった、あの方を「連れて行く」ではありますが、挑んでいきたい所存です。
今年の舟橋のブログは最後です。読んで頂きありがとうございました。
また、来年も宜しくお願い致します。
働かず、仕事するぞー!!
良いお年を。
滝子通一丁目福祉施設 1階グループホームリーダー 舟橋
仲間とともに「望年会」
クリスマスが過ぎ、年の瀬が迫る26日、波の女の「望年会」が開催されました。
「忘」ではなく「望」
さらに前進し続けるための大切な波長合わせの場であります。
参加者は代表を始め、和田、役員、夜勤者を除く現場スタッフ。
関係協力者として、東邦大学教授、税理士、労務士、訪問看護スタッフも加わりました。
会の内容は飲み食いに、代表自ら考案のクイズゲーム。
そして副施設長、リーダーによるゲーム。
もちろん勝者には豪華景品あり。
あっという間の3時間。
波の女で働くという事。
憲法に基づく「人権」を尊重する事。
介護保険の理念を追求する事。
認知症や障害を持たれても普通の暮らしを目指していく事。
人として生きる姿を支える事。
社会に問題提起していく事。
地域社会活動に参画していく事。
そのために自分を高めていく事。
仲間を大切にしていく事。
それは並たいていな事ではありません。
開設して1年9ケ月が過ぎようとしている今。
自分を含め、まだまだ、まだまだ、至らぬ事ばかりであります。
でも方向性を共有しつつ、諦めずに挑み続けていきたいものです。
それを成し遂げていくには「仲間」が必要です。
色々なスタッフがいます。
それぞれの持ち味を活かしつつ、目の前の方々のために尽力していかなければなりません。
批判をするのではなく、理解し合う姿勢が大切です。
そして互いに声を掛け合いながら、協同しながら切磋琢磨していかなければなりません。
そんな原点回帰と、来年も挑み続けるモチベーションを保つための大切な機会と捉えていけたらいいですね。
これあらも、盛り上がっていきましょう!
年明けから利用者定員枠拡大に向け、新たな仲間募集中!
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
つらいものです「非日常生活」
訳あって1週間病院で寝泊りをすることになった。
病院から滝子へ通っていた訳ですが、これがなかなか・・・
朝は6時起床。
7時朝食。
選択メニューなし。
有無を言わせず9時消灯。
カーテン仕切りの6人部屋。
プライバシーはあるようなないような。
治療の場なので、生活感はありません。
衛生的で機能的ではあるが殺風景。
昼夜問わずシャツ1枚で過ごせる室温。
日も風も感じられず、臭いや人の交わりもなし。
必要なことはスタッフ(Ns等)が行って頂ける。
まさに「受身」。
それが治療。
医療の対象は「人体」であり「病気」であるので仕方ありません。
自分の意思を行動に移す事より治療が優先の場。
行動に移せない環境も仕方ありません。
これに対し、私達の対象は何か。
「人」であり「人生」であります。
それは「生きている」だけでなく、「活気、活力、活動」が加わる「生活」そのもの。
「主体的」「能動的」に暮らせる「環境」と、それを支える「支援」。
自分の意思を行動に移す事ができるって素晴らしい。
声を出し、喜怒哀楽を表せる。
人や社会と交わることができる。
病院で過ごすと、生活支援の大切さがよく分かります。
障害を持っても、人として生きれるって素敵であり大切ですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
24日の朝7時。
太陽柱を見ることができたのは良かったです☆
自分の足で行く①
12月のある日
今年の12月初めは、寒さもあまりなく風もなく、天気に恵まれていました。
波の女ブログをいつも読んで下さり、ありがとうございます。
グッと冷え込んできましたが体調の方はいかがでしょうか。
グループホーム1F、【舟橋】です。
いつものように、グループホームの入居者さん達がお昼の食材を買いに市場までくり出していると、入居者Aさんが「こんなに良い天気ならお出かけしたいね」と職員に話しかけてこられました。
僕は「そうですね、こんな良い天気、もったいないですね」と。
途中の会話は省略させて頂きます。
入居者Aさん「他の階の方は、なばなの里に行ってきたみたいだよ。私も行きたい。昔からよくバスに乗って行ってたんだよ」とものすごい勢いで話し出されます。
僕はその日の天気を出勤途中に確認していて、「今日はお出かけできたらいいな」と考えていました。
あえてその日の昼食は簡単に作れそうなメニューをさりげなくアプローチしました。
予測していた通りになり、午後から、少人数ではありますが、「なばなの里」に向かうことになり、出発をしました。
今回は車に頼らず、市バスに乗り、名古屋駅から高速バスに乗り換えて、約1時間で到着する予測をしていましたが・・・。
高速バスに乗り換えるために市バスを降りて5分後ハプニング発生。
なんと、お金やその他もろもろ入っていたリュックサックをバスの中に忘れてしまいました。
すぐに気づいたためバスを探すも、もう乗ってきたバスは姿を消していました。
どうなってしまうのか!?
長くなりましたので、②に続きます。
滝子通一丁目福祉施設 1Fグループホームリーダー 舟橋
「予測力」たらず・・
「予測」:物事の成り行きや結果について前もって 見当をつけること。
本日の入浴介助中、風呂場の洗い場で便を多量にされてしまった方がみえた。
ご本人に申し訳ない。
この方、排泄をするという意味や行為は分かるが、トイレの場所の見当をつける事ができないのを知っていた。
にも関わらず、トイレ誘導せずに直接入浴へお誘いしてしまったのでした。
見当を付ける力、判断をする力が衰えていくのが認知症の特徴の一つであります。
当然、服を脱いで座ればご本人にとっては「排泄をする」になってもおかしくはありません。
その方その方の状態によって異なりますが、この方はその可能性があるということです。
その事を「予測」できていなかった自分がいます。
先にトイレを済ませてから、入浴を誘うべきでした。
認知症介護は「予測力」が大切です。
認知症の特性、ご本人の特性を知り、この後どうなるかを予測して先に手立てを講じる。
それが専門職というものでしょう。
風呂場で失敗させてしまって、誠に申し訳ない。
失敗から学び、同じ過ちを繰り返さないようにしたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「南の島」で一息
3連休を活用し旅へ出かけました。
行き先は、沖縄の南西約400km、名古屋から約2000kmの石垣を中心とする八重山諸島です。
行程中、ずっと雨☂雨。
一時は台風並の暴風雨も。
太陽を仰げたのは行き帰りの飛行機の中だけでした。
3日間フェリーを使い、石垣島、西表島、竹富島、黒島を徘徊。
(雨でも綺麗な海ですね)
西表島で聞いた話。
「島のおばあ(現地高齢者の通称名)がノーヘルで走ってて鍵を取り上げられてた」
その方、頭をオレンジに染めてヘルメットに見たてようとしたけど、だめだったそうで(笑)
警察官はその方の事を考えて(先を予測して)鍵を取り上げたのでしょう。
人権だ、規律だ、職権乱用だという事ではなく、「仕事」をしたんでしょうね。
それにしても、暖かかったです。
ずっと雨でしたが、日中23,24度、夜間20度くらい。
ロングTシャツにクロックス(ぞうり)で過ごしていました。
ちなみに期間中体調がすこぶる良く、アレルギー等の薬を飲まなくても大丈夫でした。
環境やメンタル面が体調に及ぼす影響は大きいですね。
「病は気から」
皆さんも、要介護の方々も、「気」を整え、満たされるような関わりや生き方を大切にしないとですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
カニのチカラ!!
外へ出ると、シクラメンや柊の花が咲いているのを見ると冬を感じます。
クラブ滝子の食費が多く残っていた11月下旬。
利用者のみなさんに「こんな時はどうしましょう?」と日々聞いていたところ、
利用者「カニを食べに行くのも良いね~!」「カニ食べに行こうよ!」とノリノリ。
冬はカニの一番美味しい季節ですよね~。≪ザ・旬!≫ですよね。
10月からクラブ滝子を新規利用されているAさん。
独居で認知症があります。
「嫌いになってしまうと、とことん断固拒否となるので臨機応変に対応できる小規模多機能が良いと思うのですが・・・。」と
紹介者からの相談でした。
Aさん「“養老院”“デイサービス”なんて、私にはまだ早い!だって独りで暮らせてるもん。」と
“通いサービス”へ結びつかず、毎日の“訪問サービス”を日々慎重に重ねていました。
もしかして、Aさんをカニで “通いサービス”へ誘えるかもしれない!と考え、
前日夜、安否確認の電話折りに
職員「明日、カニを食べにいくのですがご一緒しませんか?」と投げかけてみたところ
Aさん「高いでしょう?」と慎重。
食費は昼食600円なので、
職員「600円ですよ~。」と伝えると、
Aさん「え~?ほんなら行くわ~嬉しい!」と。
すぐ、メモに書いて貰いました。(大事な予定をメモに残す習慣があります)
気持ちが動いた!と嬉しい限り。
しかし、明日になると、覚えてはいないだろうから・・・。この流れを!と気合が入ります。
そして翌朝、訪問前の電話、
職員「今日は、カニを食べに行きますよ~。」
Aさん「え~?初めて聞いたけど?」と。
職員「メモに書いてたと思いますが・・・。」
Aさん「あった、あった。11月30日カニ食べに行く。600円って書いてあるわ。
って600円なの?」
職員「600円ですよ~。お昼前に迎えにいきますね。」
Aさん「これからモーニング行ってくるで、昼前に家に居るで宜しく~。」
よ~しッ!!
11:00
自宅へ電話をかけると留守・・・。
いつもの喫茶店へ車でお迎え。
Aさん「こんにちは~。いつもありがとね~。今モーニングしていたところ。」と笑顔。
少々雑談しているなかで、カニの事は覚えていません。
職員「これから、カニを食べに行くのですが、ご一緒しませんか?600円で食べられの!」
と他客さんを気にしながら話かけたところで
Aさん「今~!?前もって行って貰わんと困るわ~。」と大きなリアクション。
職員「ごめんなさいね~。」と言っているそばから
他客さん「前もって言っていたのを、忘れていたんでしょうに。」と。
(ここは反省。店を出てから誘うと良かったのに・・・ごめんなさい!)
Aさん「そんなこと言ったって~。」といいながらも渋々乗車していただけました。
乗車してからは、他利用者と談笑を楽しまれています。
到着すると既に・・・
カニ会席では、カニを井の一番に召し上がり、
Aさん「楽しいわ~。」と談笑されながら、
「私のにカニ入ってないよ~。」と言っては次のカニ料理が届きます。素敵なお店です。
全て完食されて食後のコーヒーを味わい、そのままクラブへ。
「初めて来たわ~。」と他利用者と若い頃の仕事の話などで談笑。
クラブでの滞在時間は、1時間程でしたが、気持ちよく帰宅されました。
その後、今月に入ってからは週3、4日通いサービスを利用されています。
(決して、都度カニではありませんよ。カニは11月30日だけです。食費が持ちません。)
通われるのが定期的にというには至っていませんが、
「独りでいるより楽しい。」と言ってくださる言葉に救われています。
この先、独居生活をされている方が認知症を抱えた状態になることは増加傾向していきます。
決して孤立せず、自宅での暮らしが続けられることを応援するのが、小規模多機能型居宅介護の大事な役目の一つです。
今までの暮らし、ご近所付き合いなどから切り離すことなく、必要な部分への支援を一丸となって挑みます。
それにしても、カニ様~!
私もカニが600円で食べられるなら「嬉しい~!!行く!!」です。笑
滝子通一丁目福祉施設 副施設長 佐藤 恵美子
さわやかな時間
夜勤明けの朝の出来事です。
日勤の副施設長が洗濯物を取り込み仕分けしたものを、リビングにおられた利用者さんの前に置き、「畳んでもらえますかぁ」と声掛けをしました。
調理などお願いすると「わからない」と言われ、状況によっては気分を害されてしまうことが少なくないTさんが洗濯物からハンガーをはずし、丸めるように畳み始められました。
キリがついたところで、「部屋のタンスに納にいきましょう」と声掛けをすると「そうですね」と返事をされ、私は部屋までいっしょについて行きました。
部屋に行くと「ここで良いですか」とタンスの上に置こうとされたので、「タンスの中に入れましょう」と声かけしながら、引き出し一段一段に靴下、肌着、上着、ズボンと整理しながら納めました。
Tさんは入っていたものと重ならないように自分でスペースをあけ、丁寧にいれられて引き出しを戻し、
「出来た!」
と手をたたかれ満面の笑顔を見せられました。
次に和室に仮干ししてあった洗濯物をベランダに干すのを手伝って頂けますかお聞きすると、「出来るかしら?」と。
ハンガーに掛けた洗濯物をいくつか持って頂いてベランダに。
物干し竿に一生懸命ハンガー掛けようとされるが、竿が高く焦点が合わず、自分では掛けられませんでした。
それでも私に洗濯物を渡す役目を果たされ、「先生は上手ね。」と言いながら干し終わると、再び
「出来た!」
と手をたたき笑みをみせられました。
私は調子にのって、カバーがかかっていない布団が沢山あるのを思いだし、、今度は一緒にカバーの中に布団を入れました。
最後にファスナーのチャックを開けたり閉めたりされながら、最後は私が手を添えて一生に完了すると
「出来た!」
と今度は万歳万歳と手を挙げながら喜ばれました。
日頃、自分が出来なくなってしまった事を嘆き、塞がれることが多いTさんのこんなに沢山の笑顔を見られて私も楽しくなっていました。
例え人は病で認知症の症状が出ていても、自分に残された能力で役割を果たせたとき、大きな喜びを得られ、生活を豊かなものにしていくことができます。
その能力を引き出すことが、我々の使命だと改めて感じさせていただきました。
そしてそしてさらに、リビングに戻り一息つこうとしたらTさんが、私の方にまだ何かをしたいという笑顔で寄ってこられました。
そこで和室にあったシーツなどを協力してたたみました。
勤務時間も過ぎて夜勤終了となりましたが、こんなにすがすがしく勤務を追われたのは、初めてだったように思います。
このように利用者さんの能力を、いつも引き出せる支援ができるように、頑張らなければとかんじた1日でした。
小規模多機能・クラブ滝子:宮松 誠
「方向性」
組織のトップからリーダーや主任等の育成側の職員の間で、介護、仕事、施設理念などの「方向性」が共通認識、実践されているでしょうか?
この層が互いに信頼感を持ち、タッグを組み、同じ方向を見て進んで行こうとする姿勢がなにより大切です。
そうでなければ、そこで仕事する職員や入社した職員は、
どこに向っているのか
何のために仕事をするのか
などの「方向性」を感じられず、モチベーションが下がっていくかも知れません。
その「方向性」の基にあたるのが、「介護保険法の基本方針」であります。
そしてそれに基づく「施設理念」というものがそれぞれの組織にあると思います。
私達は常に周りの環境に影響を受けていきます。
職員は、その組織の中で流れている空気感や雰囲気といいますか、志気というものに影響を受け「感じ」「考え」自ら育っていくものです。
ですから職場内の「方向性」とそこに挑む姿勢といったものはとても大きな影響力を持っていると言えるでしょう。
それを波の女では利用者に対しても、職員に対しても「風を吹かせる」といった表現を用いたりします。
「一緒に頑張ろう!」「助け合おう!」「一生懸命やろう!」目の前の方のために。
そんな活気のある風を職場内に吹かせていくのは職場内の司令塔の大切な役割です。
後から入ってきた職員は、上の職員を見て感じ育つものです。
皆様の職場環境はいかがですか?
滝子でも確認し合っていきたいと思います。
「自分のことは自分で」
「互いに助け合って」
「社会と繋がって」
~人として生きる姿を追求します~
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ペース配分と配慮
午前、午後と1日2回、食材を購入しに往復1.5kmを歩きます。
職員が支援に付き添うのですが、仕事をしないとこの通り。
(安全を確認した上でです)
どんどん先へ行ってしまう方、置いていかれる方。
一緒に歩くは要介護であり認知症も有する方々です。
認知症+性格+身体能力+環境によりこのようにバラバラになってしまうのは当然の結果です。
ですから職員が仕事をしなければなりません。
その日、その時で買い物へ行かれる顔ぶれは異なります。
その都度、個々の能力と群れ全体の動きを予測しなければなりません。
二人か三人の職員が互いに協力し合いながら、あ・うんの呼吸で群れをリードします。
リードと言っても「連れて行く」にならぬように配慮が必要です。
可能な限り能力や主体性を前面に出せるように支援します。
群れの中で一番遅い方やリスクが高い方に合わせる必要があります。
そして身体能力がある方をさりげなくリードする必要があります。
ただついていく、連れて行くとは異なり、高いスキルが要求される生活動作支援。
滝子の職員はたいしたものです。
それにしても、いつも声をかけて頂けたり、一緒に歩いて頂ける近所の方々の存在はありがたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治