暮らしは体感
前回の投稿で紹介させて頂いた、
1日に入居されたTさん。
1週間が過ぎようとしています。
体の動きは小走りできるくらい、おたっしゃですので、
あっという間にフロアから出られてしまう事もありますが、
日々寝泊り、暮らしを積み重ねる事で、
体はだんだんホームの住民になりかけている感が
でてきました。
頭では、「帰ろうかしら」とか「お金がなくなった」等
入居時と変わらぬ不安や希望、心配事はあるものの、
その頻度も減りつつあるように思います。
体を使って、
自分の事は自分でできるように
互いに助け合っていけるように
暮らしを応援していますので、
体感的にここの住民になって頂けたらと思います。
ただ「帰りたい」気持ちを失う必要性もないと思いますので、
「ここにいる意味」「ここでの役割」もしっかり持ってもらいながら、
互いにより良い着地点を探していきたいと思います☆
滝子通り一丁目福祉施設 施設長 井 真治
そりゃそうだよね
2月より新しい入居者さんが、
グループホーム2階に入られました☆
身体的には自立されている方ですが、
(小走りもされます)
認知症という状態にあるので、
不安感が強いスタートとなりました。
「お金がないんだけど(自分持ちの)」
と何度も職員へ訪ねられます。
「ホームの利用料や部屋代、食事代を払わないといけないよね」
と思っているようです。
この思考は何かを買ったり、利用したりする時には、
「お金を払う」という常識といいますか、
支払い義務を理解されているからこその言動で、
払うお金が少ないというのは不安が大きくなるのは
「ごもっとも」な事ですよね。
私たちもホテルへ宿泊し食事を食べる時に、
「いくら払うのか」という事前情報と、
払う事ができる金銭の準備、確認ができているからこそ、
その場所にとどまり、泊まったり、食事を頂いたり楽しんだり
できるものだと思うのです。
その時に支払うお金が足りなかったら・・
所持金が少なかったら・・
カード払いできるカードを持っていなかったら・・
どんな気分でその場所に滞在しているのでしょうか。
どうやってそのピンチを乗り越えるのでしょうか。
そんな当たり前で普通の視点を持っていないと、
「認知症だから」というレッテルを貼ってしまい、
「認知症の症状」で片づけてしまい、対応を誤って
しまう可能性が出てくるのではないかと思うのです。
本人の合意なしでホームの入居が決まってしまい、
自分の意思とは関係なくホームの入居になってしまうという
緊急事態の環境変化の中にいるので、
「お金がないんだけど・・」「家に帰りたいんだけど・・」
と言われるのは「そりゃそうだよね」と思えますし、
そんな環境の中においても大人で普通の言動をされる、
T様の力になれるよう、不安が少しでも軽減するように、
関わりや応援をしないとですね。
「娘さんが払ってくれたから大丈夫だよ」
と職員が伝えても「大丈夫」に思えないでしょうね。
そんな他力本願で実感のない支払い完了宣言されてもね。。
もっとTさんの立場に立って、
実感のある不安解消方法を探していかねば。。
というのが入り口で感じた事です。
生活行為をあれこれ行って頂きながら、
生活の体感を増やしていきながら、
いい対応方法を皆で考えていきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
あれこれやりましょう。
掃除。されど掃除。
コロナウィルス感染拡大続く名古屋においても、
買い物などの生活行為を
自粛せざるを得ない状況になっています。
利用者による買い出しを、少しづつ再開していただけに、
今回の急激な拡大は痛いところです。
活動の低下は、体の機能、力を低下させる
廃用性を引き起こします。
現に、買い出しでよく歩いていたグループホーム入居者は
確実に歩行の能力が落ちています。
気持ちだけは、「今日は誰が買い物に行ってるの?」
と、日々買い出しに行っていた「感覚」が残っている方もみえますが、
確実にスーパーマーケットへの往復を歩き切るのは難しく
なってきているようです。
そうなると、少しでもホーム内で動く機会を確保する事が
必要になってきます。
立ったり、座ったり、歩いたり、手足を動かしたり。
入居者にとって、どうしても必要ではないのが掃除。
なので、後回しややらなくても済む事が多くなりがちです。
でも、このご時世ですので、動く機会の一つとして
掃除もできる時にできる方に行ってもらう事も
大切な支援だと思うのです。
自分達の事は自分達でできるように。
を、応援するのも、
体の力を少しでも維持できるように。
を、引っ張り出すのも、
僕らの仕事ですからね。
早く感染拡大が収束しますように。。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ご冥福をお祈りします。
小規模多機能の利用を入り口に、
途中から状態、状況が変わり、
グループホームへ住み替えて、
ずっと滝子の施設で応援させて頂いた、
S様が永眠されました。
写真は永眠される1ケ月前くらいのものです。
看取りケアをさせて頂いていたのですが、
1週間前まではご自身で食事を口に運ばれたり、
歯磨きをされる姿も見受けられました。
いよいよ
という状況になられても、
頷かれたり、ニコッとされたり等
意思表示を最後の最後までされる
場面もありました。
僕らの仕事ぶりはいかがでしたか?
足らずの事も多々あった事でしょう。
また、いつかお会いできる日があったら、
お聞かせ下さい。
関わらせて頂き、光栄でした。
ありがとうございました。
合掌
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井真治
先読み
Aさんが席を離れている間に、隣のBさんがタオルに挟まれている
ものが「何」かを確認されようとしています。
この場面の前は、皆で手作業をしていたのですが、
その時にAさんはその作業の「もの」を自分のタオルに
くるんでいたのですが、たまたまそれを見ていたのが隣のBさんでした。
皆で作業したものは職員が回収させて頂くものなのですが、
それを出さないAさんに、そのタオルの中に隠しているのを知っている
BさんはAさんに、「タオルの中に何を入れているの?」
と幾度となく問いただしていました。
Aさんはその問に「何も入っていません!」と怒り気味に返答しています。
多分、Aさんはタオルの中に隠した「モノ」を見られたく、
知られたくないのでしょう。
このままほっとくと、
そのうちにAさんのタオルの中の物が暴かれ、
Aさんが嫌な思いをされるか、
タオルの中を暴かれないように、
Bさんとの間で言い争いが起こる事が予想できます。
介護現場ではそんな先読みがとても大切なのだと思います。
それを察知したので、タオルの中身を変えるべく、
Aさんに用事を作り、タオルを置いたままいったん席を
離れて頂きました。
Bさんに悟られないように、さっと、タオルの中身を
Aさん自身の名前の書いてある小さなハンドタオルに巻替え、
テーブルに私がそっと戻しました。
その後のシーンが冒頭の写真のシーンです。
BさんはAさんのタオルの中に「モノ」が入って
いると確信されているので、Aさんが席を離れた隙に、
その証拠を見つけたかったのだと思います。
もし見つかったら、
「あなた、何でこんなものを隠し持ってるの?」
と問いただされてしまうでしょう。
でも、中身をAさんのものに巻き替えてあるので・・
中身を確認しても・・
「あれ!?」
となったのだと思います。
証拠が出なかったので、BさんがAさんのテーブルに
タオルを戻すシーンが次の写真です。
この後席に戻ったAさんとBさんには何も起こりませんでした。
Aさんの「脳力」からすると、
私が「モノ」を自分のハンドタオルに巻替えた事は
記憶的にも、理解力的にも分からないのだと想像します。
介護現場では、利用者間の関係性を維持するために、
いつも先読みしながら立ち振る舞いする事が大切です。
そんな一コマでした。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
Bさんの「あれ?」の気持ちに対しては、
後ほどBさんのモヤモヤを吹き飛ばす、
関わりをさせてもらってます。
なんだかなぁ。。
あっという間に正月から1週間が過ぎ、
日常が戻ってきています。
日常、通常といっても、
コロナ禍の影響で生きていくために欠かせない、
「買い出し」がほとんどできていない暮らしぶり
なので、変な日常ですよね。
そんな中、12月より入居者さんとの食材の買い出しを
スタートさせ、日常の取戻しを目指し始めたのですが・・・
オミクロン株の猛威により、
再び見直しをしなくてはいけない状況になってきています。
現在、まだ利用者、入居者との買い出しや面会の受け入れ等
禁止にしてはいませんが、この先の動向をみながら、
対応を考えていかねばと思っています。
なんだかなぁ。。。
生活を応援する仕事だと、
もろに影響を受けてしまいますね。泣
でも諦めず、コロナ禍の中においても、
できる事を考えながら生活の取戻しを目指していきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
くる年☆
2022年 賀正
今年は寒いものの、
スッキリと晴れ、施設からもご来光を拝めました☆
めでたいめでたい。
各フロアごとで、おせち料理を取り分け、
1年の始まりの食事を食べられていました。
今年も皆さまにとって素敵な年になりますように☆
1年間よろしくお願い致します。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ゆく年
あっという間に今年も終わりそうです。汗
日々あちらこちら大掃除をしながら迎えた年の瀬です。
新年の飾りもセレクト。準備万端☆
コロナ禍の影響を今年もたくさん受けましたが、
なんとか1年乗り切る事ができました。
来年こそ社会活動再開したいものですね。
1年間ありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
生活の取戻し
大変ご無沙汰しております。
グループホーム責任者の岡田です。
新型コロナウィルスの感染者数も、現時点では、愛知県も落ち着いてきており、
生活の取戻しを行うように、以前より検討を行ってきました。
ご家族の皆様からも、外出に関してご理解を頂き、21日に1階の入居者の方数名と、
2階の入居者の1名、各フロアから職員1名づてで、新型コロナウィルスの感染が蔓延するまで、
毎日のように行っていたお店に買い物へ出かけることが出来ました。
買い物客が少ない14時半からの買い物を狙って出発しましたが、
年末ということで、意外買い物客が多い中での買い物にはなってしまいました。
買い物後もいつものようにエコバックやリュックに買ったものを詰め帰るのですが、
写真にように、若年性認知症の方も入居されており、
お米5㎏と料理酒2本、味噌やカボチャ1ケ入った
約10㎏くらいあるリュックを背負って帰宅。
途中でトイレに行きたくなり、ガソリンスタンドで
トイレをお借りするハプニングもありましたが、何事もなく帰宅出来ました。
日頃から散歩や散髪などには出かけてはいましたが、
ほぼホーム内での生活になっていたこともあり、
気分は晴れ晴れされていました。
年末年始と買い物客が多くなる時期ですので、
様子を見ながら、また、オミクロン株の状況を見ながら、
再び中止することもあり得ますが、
少しづつ、今までの生活を取り戻していきます。
グループホーム滝子通一丁目 責任者 岡田拓也
立ち位置☆
寒くなってきましたね。
東海地方でも一時的な寒気の影響で
今夜や雪がちらつくとか。
年末に向けて、体調を崩さないようにお気をつけ下さい。
さて、利用者、入居者と接する時、
どの立ち位置で関わっているでしょうか?
専門職として、応援者として関わる意識は大切ですが、
認知症という状態にある方の内、見当識がズレて
いる場合もあります。その場合、
「相手が自分の事をどう見ているか、見えているか」
という把握と、それを活かした対応も必要になってきます。
連れ合い、子供、家族、仲間、近所の人、同僚、部下、
友人、客、アドバイザー、応援者、
便りにしている人、先生、介護スタッフ、
それとも、彼氏彼女?
ズレを修正できる場合もありますが、
時には相手の能力を引き出したり、関係性を構築するために、
「役者」を演じる事もあります。
あまり反応がない、元銀行マンの方に、
「今度、口座開設をお願いしたいのですが・・
力貸してもらえないでしょうか?」
「いいですよ~」
とか、反応頂けたりします。
専門職として大切な事の一つは、
「素のままの自分」
で、いいのか、良くないのか。
という事を相手の反応を含め、
自分自身にフィードバックできるかと
いう事だと思うのです。
自分の存在は相手にとってどんななのか?
自分は専門職として、応援者として、
相手にとって役にたてているのか?
自分がどう見られているか。
自分がどんな存在か。
その時々に応じて、色々な立ち位置で
役者を演じていけたらと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
素のままの自分・・
暴飲暴食、暴言、短気、ズボラ、
適当、めんどぐさがり、楽観主義、
落ち着きない、片づけできない・・・
こんな素のままの自分では仕事になりませんなぁ。。とほほ
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