侮るなかれ
【潜在力】
表面には表れていない能力や成長する力
21時くらいでも、生活行為をされている時があります。
老人保健施設より、クラブ滝子の利用者となり、はや1ケ月半のH様
利用開始時の歩行の状況から比べると、トイレ誘導時等の歩行介助の繰り返しにより、
足の運び、動き、間接の状況等少し良くなっている感があるこの頃。
でも正直、バランス感覚や体幹のコントロール性が悪く、介助なしの歩行は
当面難しだろうと見極めていました。
洗濯物干されているし、
「立ち上がりはないだろう・・」
と事務所に入っていたところ、「ギー」何やらリビングで音がします。
戻ると・・
「あひゃ~(汗)」「でも写真撮れるくらい安定してますわ」
立ち上がり、座っていた椅子を移動されていました。
「つかまり立ちは自立だなこりゃ・・(笑)」
完全にみくびっていました。
人の潜在力の見極めは難しい・・
でも潜在力のパワーは素晴らしい☆
心と体がリンクすると、いろいろな可能性が出てくるんですよね。
難しくも楽しい、引き出しと補いのこの仕事。
奥が深い~☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
(この方、先日体調急変で入院されてしまいました。泣
早く戻ってきてほしいものです)
*次のブログは27日です。よろしくお願い致します~
判断力・タイミング
ここ数日、まあまあの天気ですが、先週は不安定な天候が続きましたね。
皆様のところは大丈夫でしたでしょうか。。。
自分は18日の夜に自宅にいたのですが、それはもう、雨が激しく降っていました。
雷も近くに落ちまくるし、「ゾクっ」とする程のなかなかの降りや音。
何かヤバい感じでした。
思わず雷の写真を、ツイッターでつぶやいていました。汗
落雷が続いた後、消防車も走り回っていましたね。汗
30分もすると、携帯が何度もけたたましく鳴りました。
「土砂災害警戒情報」
に続き
「避難勧告」
等の速報が、住んでいる一帯に発令されました。
発令された頃には、雨はとっくに小康状態でしたが、
水位が上がるのは時間差があったり、水分を多く含んだ土砂が崩れ出すって事もあります。
情報も大切ですが、「ゾクッ」とするような状況であれば、直感を信じ発令を待たずして、避難の準備をすべきですね。
ただし、豪雨と豪雷の最中は、移動ができませんので、「いつ」という避難のタイミングを計るのが結構難しいなと思っています。
「直感」「情報」「判断力」「タイミング」
総動員して、自分、他人の命を守れるような行動を意識したいものですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
伝え続けて、半月
短期記憶に障がいがあり、いつも一緒に布団を干しても、
「誰かが勝手に布団を干した~」
というOさん。
前もって行為行動に説明や確認をさせてもらっても
「そんなことを言ったか~?聞いとらん」
と。
Oさん「早よ~赤ちゃん作らんとあかんよ」
「若いうちにつくらなあ!」
と言われ続け約1年。
スタッフ「今日はお腹が痛くて・・・少し休ませて下さい」と話すと、
Oさん「あら~、メンスか~?」
スタッフ「いや、妊娠しましたよ」
Oさん「あら!そう!何か月?今が一番大事な時期だよ~」
毎回、この話で盛り上がります。
時々、お腹を擦っていると、
Oさん「お腹痛いの?メンスか~」といつもの会話。
スタッフ「私、妊娠しました」と同じ話をします。
こんな会話が約10日間。お腹を擦ったり、少し体調がすぐれないと話すと、
Oさん「赤ちゃんいるんやろ?冷やしちゃあかんよ。大事な時期なんだから」
あれ?!いつもと違う反応??
毎回、同じ話を繰り返した結果か、妊娠していることを覚えられている。
しかし、他の入居者の方が
「この人は夫婦で働いているんだよ。」と話すと、
Oさん「そうだったの?私、旦那さんを見たことないわ」
アッ!そこは同じ話をしても覚えていないんですね。笑
Oさんは昔、子供の教育をしていたこともあり、
脳の中で、興味や関心のあることを、理解や処理をしているのかも知れませんね。
ある日の出来事からでした。
グループホーム滝子1丁目施設 岡田沙織
相手の視点で(後)
(前回の続き)
行方不明となって約40時間後の12日午前1時半頃・・
となりの部屋でがさごぞ音が、鈴の音や、鳴き声も・・
「キターーーー!!!!!」
ここからが勝負です☆
万が一、部屋に入ってきた時にどう行動するかは、予測してあります。
そのまま自分が扉を開けると、びっくりして一目散に入ってきた扉から外へ・・
こんな展開が予測できるので、「外から閉める」方法を考えてました。
ベランダを乗り越え、外から玄関へ廻り、外から閉める事に成功☆☆☆
捕まえる時には、「シャャャーーーー!!!!」と怖いくらいの勢いで威嚇されました。
向こうもびっくりしたのでしょう。
既に野生化してしまったのか?
と思える程の勢いでしたが、捕まえて少しすると、以前の落ち着きを取戻し、
「よかったよかった~。一件落着~♪」
なんとなく、戻るというか、入ってくる予感はあったのですが、
頭に描いていた通りの展開にハマルと、大変でしたが達成感があるものです。
これは介護・支援がうまくいった時の「ソレ」と同じ感覚です。
40時間の旅はどうだったのでしょうか?
大変なりにも「活き活きとした」時間だったのでしょうか?
それはさすがに分かりませんが、家で過ごした実感・体感があったから、
家でのびのびと走り回った実感・体感があったからこそ、
楽しい・心地いい感覚があったからこそ、
戻ってきたのではないでしょうか。
生きていた・生きていくを、体が覚えているのでしょうね。
それは人も同じ
そこで暮らすという事は、そこの住民になっていくという事。
職員によって生かされるではなく、
自分の力を発揮して生きるというのが「暮らし」「生活」というもの。
その日々の暮らしが、そこにいる意味になり、実感は体感を通じて脳と体にしみこみ、
連れてこられた施設が、その方にとっての新たな住まいになっていくのだと思います。
体・感覚はしっかり、滝子の住民になっていくものだと思います。
自分のペースで進めるのではなく、相手の視点・立場にたって考え、
相手の気持ち・力を発揮できる環境を用意していきたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
でもねこう思ったりもします。
「おい! オマエこの暮らしで本当にいいのか?(笑)」と・・
相手の視点で(前)
私事ですが・・
最近知り合いより子猫を頂いたのですが、
10日の昼前に外へ出てしまい、行方不明になってしまいました。
ずっと外に興味を持っていた子なので、何の未練もなく?行ってしまいました。
それからというもの、空き時間を使って捜索し続けています。
11日の午前4時頃に一瞬姿を見る事ができたのですが、また見失ってしまいました。
それでも、半日以上たっても家の近所に留まっている事が分かり、希望の光が・・
できることをあれやこれやしながら、捜索を続けました。
こんな捕獲器もレンタルして、家の近所に設置したりしました。
こういった時には、介護職の能力発揮?です☆
子猫の視点をアセスメントし、行動を予測し、行方不明後の状況を加味しながら対策を講じます。
なんちゃって。。。
近所にいる可能性がある
雨続きで動きがあまりとれない
(水分摂取はできそうなので一安心)
腹がへっている
家に住んでいた体感や、匂いが残っているのは分かるハズ・・
夜間に行動
首輪の鈴の音で動けば分かる
人のスピードで捕まえる事は困難
そこから考え、次の手をうちました。
夜になったら
玄関の扉を少し開けたままにして
外から中へ続く撒き餌をセット
その先の部屋の中にごはんをたくさん置いておく
しばらく使っていた匂いの残っているカゴも設置
隣の部屋で「果報は寝て待て」とつぶやきながら待つ(笑)
短いなりにも、生きてきた「体感」「実感」を基にした、おびき寄せ作戦を開始です。
あのすばしっこさは、捕まえにくいですからね。汗
さて、どうなる事やら・・
次回の15日のブログに続きます~
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「もともとノラの子だし、外に行きたがっていた子だし、外でのびのびやってるのかなぁ~」
大逆転の痴呆ケアのP242のこの言葉がよぎるんですよね↓↓
「囲われ、餌を与えられ、他の動物との接点もなく~
他の動物に襲われる事はなく、食うものに困る事もない快適な暮らしが保障されている。
しかし、そこには本来のゾウやライオンの姿はどこにもない~
生きるために闘う躍動的な姿はみられない。」
おっと”今回のケース”では危険な視点ですね。
うん・危険危険。
飼い猫を、ケニアの国立公園型で育てる事はできませんもんね。笑
醍醐味
【醍醐味】
物事の本当のおもしろさ。深い味わい。
利用者さんとの関わりの中で、
「うまくいった!」
「やった!」
という場面に出くわすと、テンションがあがります♪
それもこの仕事の醍醐味の一つだと思います。
その一例として、排泄ケアのこんな場面があります。
残念ながら認知症の進行により、うまく排泄ができなくなる事があったりします。
うまく排泄できないという事は、尿や便がいつのまにかオムツ(リハビリパンツやパット)に出てしまっているという事です。
2,3時間ごとにトイレ誘導させて頂き、トイレに座る介助をさせて頂くのですが、
”出てしまっている排泄物を吸収しているモノ”を新しく変えさせて頂く、
”後処理”的なケアになっている割合が多かったりします。
排尿も排便もずっとトイレで出してきた訳ですし、どんな状態になろうとも、トイレで出せるという事は
人としての「尊厳」に関わる部分です。
排便がオムツの中で・・・となると、本人も職員も結構大変な状況となります。
これをなんとかできないか・・
という事で、現場では「どうやったらトイレで出せるか?」を目指し、
あれやこれや五感を活かし感じたり・タイミングやサイクルを測り、アプローチをしています。
成功率はまだ3割?にもみたないですが、
タイミングを合わせれたり、うまくアプローチできると、
”トイレに座って排便”
ができたりします。
「やった!!」
「よかったね」
と内心ガッツポーズだったりします。
そんな時は「ご本人のために仕事ができてよかった」
と思うと同時に、この仕事の奥深さと、楽しさを感じる瞬間であったりします。
その方を知り、その方のために還せるように感じ・考え続け、
色々な場面でこの仕事の醍醐味を味わっていけたらと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
夢
昨日の事です。
クラブ滝子の利用者Tさんが、
「ロト6を買いにいかんといかんなぁ~」
と午前中にボソリ・・
久しぶり~に、くじの話を本人から聞きました☆
そして昼食後、ササ~っと?、ビューっと!? 玄関から出て行かれました。
さて、久しぶりのTさんの単独外出。
どうしようか・・
以前は施設から150m程の交差点あたりで、迷っていた時もありますが、
本日の目的はしっかりしています。
そして午前中には食材を購入しに、くじ売り場の近くまで行かれていました。
気温が高いのが気がかりでしたが、歩行の安定感もOKという事で、後を追う事にしました。
本日は、ちょうど大学3年のインターンシップで来られているSさんも一緒です☆
結果、迷いの一つもなく、一直線でくじ売り場へ。
購入後、15分程店内ベンチに腰掛け、くじの確認に超集中~
学生のSさんと、「僕らストーカーみたいで怪しいでしょ(笑)」
などと話をしながら見守りを続けます。
その後、一直線でクラブ滝子へ戻り始めました。
いや~久しぶりの「ストーカー・ケア」
きっと、「社会の中で生きる姿」を学生さんに見てもらいたかったのかもですね。
利用者さんが「意思を行動に移す」場面で、
止めるでもなく
閉じ込めるでもなく
付き添うでもなく
誘導するでもなく
「自分の意思を行動に移し、自分だけの力で目的を達成した」
といった感覚を持って頂くような支援も大切な僕らの仕事なんだと思います。
自立した日常生活の一場面だったと思うのですが、とても素敵な機会・時間だったのではないでしょうか。
これからも応援し続けていきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
帰ってきた際に
「何か買ってきたのですか?」
と聞いたところ、
「夢を買ってきた!」
との事。
素敵ですね☆
(次のブログUPは10日の予定です~)
「人生活」
人は誰もが「生きています」
その「生きる」に加える事が必要なのは、
・「人」として
・「活気」「活動」「活力」をもって
なんだと思ってたりします。。。
人として生きるから「人生」
生きるに加え、気持ちも体も動かしていく事で「生活」
人として関わってもらえないなら・・
人として尊重されないなら・・
人として大切にされないなら・・
そんなの人生じゃない。生きているだけ。。
自分の意思で、
自分の体で、
色々な事を体感できないなら、
何もかも職員がやってしまうなら、
生かされるだけなら、
そんなの生活じゃない。生きているだけ。。
僕らは「生きる」を支え、
「人」を尊重し、
「活」を引き出す仕事。
その奥深さは、ほかの仕事にない醍醐味があります。
とても意味のある仕事なんだと思います。
「あぁ 自分はまだできるんだ」
「誰かとつながっているんだ」
「社会とつながっているんだ」
そんな事を感じながら、人生活の最期のステージを送っていきたいものですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
利用者さんのお宅から見える景色がいいんだなぁ~☆
次のブログUPは、7日の予定です。
台風来るかな?? ご注意を。
学び
今月の勉強会の様子です~
科目は「介護保険法の理解」
今月の講師は、副施設長の和田です。
運営の基本方針は「法と法の精神を遵守する」という事にしています。
という事は「介護保険法」の理解がとても大切な要素となります。
法律の文面は結構小難しいですが、それをかみ砕き、実践にリンク・落とし込めるようにしたいものです。
「学び」は私達の武器の一つです。
色々な事を感じ考え仕事をする上で、方向性や知識があるなしでは、その先の道筋が変わっていくのではないでしょうか。
学び続け、考え続けていく組織でありたいと思います~☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
利用者・入居者の写真はたくさんありますが、職員の集合写真を撮る習慣がない「波の女」
勉強会の後にちょっと撮影してみました☆
共に進もうぜ!
やっぱり自宅よね~☆
小規模多機能で連泊中の夫と、
グループホームに入居されている妻が、
一時自宅帰宅をされ、娘夫婦と共に昼食を食べたり過ごされました☆
車で40分くらいかかりましたが、無事自宅へ到着~
住み慣れた自宅。
奥さんはとても喜ばれていました♪
時々「帰ります!」と言われていましたので(汗
ご主人、本日の朝食、調子悪くほとんど食べれなかったのですが、
ご自宅に用意されたお寿司とか果物(桃1個半!)をペロリと完食。
環境って大切ですね☆
それにしても、奥様は短期記憶障害や判断力の低下はあるものの、
ふつうのおかあさん?おばあちゃん?にしか見えなかったです。
(洗い物中~)
3時間ちょいの自宅滞在でしたが、改めて利用者・入居者さんは、
地域で暮らしてきたふつうの生活者なんだなぁ~と感じましたし、
そこの継続性や活用って大切だなと思いました。
(正直なかなか自宅に戻る機会が少ないのですが・・)
まぁ、素敵な夫婦像、生活者の一面を垣間見れて良かったです☆
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ちなみに奥様、家を出る時は少し寂しそうでしたが、
滝子の施設が見えるとなんの違和感もなく、
「着いた着いた ありがとう~」
とサッさとグループホームに戻りました。
なんだかんだ言っても、こちらでもすっかり住民ですね☆
*次のブログUPは30か31日の予定です。よろしくお願い致します。